退職
会議室1に着くと、加藤君が窓の外を見ていた。…「気温が上がらないワケだ…。」 などと、言っている…。俺が、入って来たのに、気が付いた加藤君は、立ったまま、話しをした。
「土曜日、舞に、会いました。…。少し、舞と話しをしました…。舞は、今、”ある施設”に居ます…。場所は、言えません。ただ、”治療”…は、受けてるみたいです…。舞の代わりに、謝ります。申し訳ありませんでした…。舞は、ここを辞めます。」
頭を下げる、加藤君。俺は、加藤君に
「…次、うみや加藤君、俺に危害を加えたら、その時は、警察に被害届を出します。今回は、見逃します。…。加藤君…。うみを助けてくれてありがとう。」
そう伝えて、会議室を後にした。その次の日、村山さんは、退職した…。それから、まもなく、加藤君が、主任へと昇格し、新たな部下が付くことになったが…。なんか…変わった方が入ってきた…。その話は、また後に…。
会議室から、PC科に戻る途中…。ステーションのカウンターで木原室長と梶原室長が、長細い箱を開けようとしていた…。俺は、気になって、2人に声をかけた。すると…。
「あぁ、河本主任。お疲れ様です。」 「お疲れ様です。梶原室長。?…何をしているんです?」
「ん?…あぁ、コレ?」 と梶原室長。木原室長が、箱を開けた…。そこには、随分昔のクリスマスツリーと電極…後、白い綿と飾りが入っていた。そこに近衛部長もやってきて…
「あら~…懐かしいのが、出てきたね…。これ、ここがまだ、病棟だった頃に使っていた、ツリーだよ?…よく残ってたね…。」 と…。…。そうか…。クリスマスが近いのか…。と思っていると、木原室長…。「毎年、飾ってますよ。懐かしいですよね。」 ツリーを、 箱から取り出して、飾り付けをする…。洒落たクリスマスツリーではなく、昔からある、もみの木のてっぺんに星が付いるツリー…。俺が子供の頃に、実家にあったクリスマスツリーと似ていた。飾り付けを手伝い、PC科に戻ると…ニヤニヤとした顔の、田山さんと莅さん…。何だ?…二人して…。と…。何か雑誌を見ていた。すると…「…コレ…可愛い…彼に、買ってもらおうかな?…」 雑誌には、コート…。あー…クリスマスプレゼント…。!!すっかり忘れてた…(汗) うみと衣織の(汗) で…でも…まだ時間は、あるし…。と…仁科室長…。
「クリスマス・プレゼントって早く買わないと難しいよな…。」
ボソッと、俺に聞こえるか、聞こえないかの様な声で、呟いた…。




