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たずねてくる

4月中頃から5月2日にPC科から介護福祉科に戻った私。休憩時間を利用して、部長室に向かう。”無事にPC科のヘルプが終了した”事を報告するためだ。部長室のドアをノックする私。…と、部長室のドアを開けたのは、福山課長だった。「”あ…取り込み中…”」と思っていると、福山課長が「あぁ…丁度良かった!部長、藤原さんです。」と伝えてくれた。部長より私を中へ通す様、指示を受けた福山課長は私に「”中にどうぞ…”。」と私の背中辺りにそっと手を当てるよにして、招き入れる。私は何となく緊張していた。近衛部長は私に笑顔を見せ、「今回は本当にありがとうございました。藤原さんが業務を掛け持ちして下さったので助かりました。」私にそう話して頭を下げた後に「”で…今日はどうしたのかな?”」。と私に尋ねた。私は部長に、「昨日、PC科のヘルプが終了しましたので、報告に…昨日の夕方に報告をしに窺いましたが、会議中との事でしたので、今日に…。遅くなりましてすみませんでした。」と頭を下げた。すると近衛部長は「”わざわざありがとうございます。それと…藤原さん、もし、藤原さんが良ければの話しなんだけど、福山課長の元で働いてみない?…体調が優れないとも聞いてるし、どうかな?”」…唐突な異動提案に私は動揺し驚きを隠せない。

「い…いえ…あの…えっと…」

しどろもどろになってる私に福山課長がそっと、私の背中に手を当てて、優しいく擦りながら

「ごめんなさい。いきなりはびっくりしちゃうよね。……前々から藤原さんのパソコンスキルは私も知っていますし、それに体調だけでは無い…よね?…。平澤さんとも折り合いが…」

そう福山課長が、”平澤”と口に出した途端…私は胸がギュと痛み出した。その”痛み”が私の表情にも現れていた事を、近衛部長が見逃す筈もない。

「……その胸の痛み…何時から?」

近衛部長の問いかけに黙る私。胸の痛みが落ち着くと、私はゆっくりと口を開いた。

「…。いつの間にか痛むようになりました。…医者にはかかっていません。…異動の件は少し考えさせて下さい…。…業務に戻ります。」

私が近衛部長に伝えると福山課長は、私が退出する事を止めた。

「ちょっと待って…藤原さん…医者に行っていないの?…どうして?」

私は「”極度の医者嫌い”なだけ。」と内心反発していると、近衛部長は静かに口を開く。

「……まあ藤原さんも引き継ぎ等があるし、急ぎでも無いから…限界が来たら教えてください。」

私は部長に…「ありがとうございます。…業務に戻ります。…失礼します。」と頭を下げ、部長室を後にした。私が出た後、福山課長が近衛部長と何やら会話をしている様だったけど、何を話しているかは解らなかった。ただ、ドア越しにボソボソとだけ聞こえる声…。私は介護福祉科へと戻った。




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