メープルシロップ
食後、しばらく休んで、洗い物をする私。指を切った雷斗さんは、テーブルをシートで拭いていた。洗い物を済ませ…「雷斗さん、コーヒーか、紅茶、飲みませんか?」 と、尋ねた。 「あ、コーヒー…あっ、待って、紅茶がいいな。」 と、雷斗さん。「分かりました。お湯、沸かしますね。」ケトルでお湯を沸かす。と…「うみ。コレ使って見ない?」 テーブルを拭き終え、私の元に、来た、雷斗さん。小瓶を手渡してくれた。メープルシロップ?「…どうしたんですか?このメープル?」…すると、雷斗さん…。「この前、買ってみたんだ。”莅さん”に、勧められてね。休憩中に紅茶に入れて、飲んだら、美味かったよ。だから、うみが来たら、一緒に…って。」「ありがとうございます♪」 2人で、紅茶を手にし、炬燵へと戻った。早速、紅茶にメープルシロップを少し…。スプーンで混ぜて、1口飲んでみた。「美味しい♪」 「美味い。」 テレビもつけない、静かな日曜日の午後…。ゆっくりと時間が過ぎてゆく…。窓から、冬の…束の間の日が差して…雷斗さんの背中をそっと温めている…。私は、炬燵にあたりながら、ウトウト…。昨日の夜…あまり眠れなかった。…「…うみ?…眠たい?」 と雷斗さん…。「…昨日…あまり眠れなかっ…。」 そう伝え…?…。「うみ…。」 いつの間にか、私の隣に近寄る、雷斗さん…。…そっと抱きしめて…
「…身体…熱い…」
《メープル》
食休みをした後、食べ終えた、食器を片付けた後、俺は、テーブルを拭いていた。うみが台所で、洗い物をしてくれている。包丁で切った指…。絆創膏をうみが貼ってくれた…。洗い物を終えた、うみが、コーヒーか紅茶を飲まないかと、聞いてきた。最初は、コーヒーと思ったが、ふと、思い出した。俺は、台所に向かい、調味料なんかを入れてある、棚から、買ったばかりのメープルシロップを出して、うみに渡した。職場での、休憩中に、莅さんに勧められて、紅茶に入れて、飲んだら美味かった。と、うみにも勧めた。「ありがとうございます♪」 と、うみは、受け取った。紅茶を挿れたカップを手に、炬燵へと戻る。2人で飲んで、ホッとしていた。テレビもつけない、静かな部屋…。カーテンを開けた、窓からは、日差しが入り、俺の背中を温め…ふと、うみを見た。腹が膨れたからか、炬燵の温かさもあって、ウトウトしていた。俺は、そっと、うみの隣に移動した。と…”昨日、あまり眠れなかった”…と話す、うみ…。
俺は、「…うみ…?…眠い?」 と、声をかけ、そっとうみを抱きしめた…。
「…身体、熱い…。」
うみは、眠たくなると、体温が高くなる…。まるで、子供みたいに…。俺より、歳上だけど…やっぱり、下に見える…。また…”寝込みでヤる”のも…と思った…。と…。
「…雷斗さん…温かい…。…!…」
身体をピクと、動かす、うみ。「?…どうした…? …?」 すると…。
「…雷斗さんの息…耳に…そこ…なんか…。」
「…ここ…?」
わざと、うみの耳に、そっと息をかけてみた…。
ピク!…と…また身体を震わす、うみ。
「…そこ…息…?!…あ…」
俺は、堪らず、うみの耳を、唇ではんでみた…。すると…更に身体を震わせている…。
「…うみ…感じたの?…」
そう言って…うみにキスをした…。
…さっき飲んでいた、紅茶…メープルの味がした…。




