調理器具
日曜日。掃除、洗濯を終わらせ、ひと息ついていた。時間は午前10時…。”10時半になったら、買い物にいこ”…と、思いながら、コーヒーを1口…スマホがなった。雷斗さんからだった…。電話に出る私。「はい?」 「あ、うみ?」雷斗さんの声…。…独りで居るのが、少しだけ不安な私は、雷斗さんの声を聞いて、おちつ…「今日、一緒に買い物行こう?」 と雷斗さん…。…?…となってると…。「俺も一緒に行って、食材買ってみたい。」 あ、そういえば、雷斗さん、自炊したいって…。ふと、雷斗さんの調理器具が頭に浮かんだ…。…「”あった方がいいのが”…」。雷斗さんが持っている、調理器具…。お鍋は片手鍋が2つ。両手鍋が1つ。土鍋…しかも大きいのが1つ…。フライパンが1つ。お玉が2つ…。フライ返しが1つ…。ザルとボールが2セット…包丁が、1本、まな板1枚。なぜか、ふるいがあった…。と、「うみ?」雷斗さんの問いかけに、我にかえる私…。
「あ、はい…。すみません。あの、食材もですけど、調理器具も欲しいです。」 「じゃぁ、それも買いに行こう。うみは、アパートで待ってて?迎えに行くから…。何時がいい?」 「…10時半にお願いします…。」 「分かった。それじゃ、また後で。」
と…雷斗さん…。身支度を済まし、エコバッグを取ろうと、台所に…スマホがなった。「駐車場に着いたよ。」 ちょっと早めに来てくれた、雷斗さん。「はい…今行きます。」 そう伝えて、電話を切った…。エコバッグを手にして、鞄に入れると、コートを来て、部屋を出た私。駐車場に雷斗さんの車が止まっていた。雷斗さんの車は、ファミリーカーで、大きい…。色は黒…。助手席に乗り込むと、「はい…。」 と温かいペットボトルのお茶をくれた。「ありがとうございます。」 お礼を言うと、「行くよ。」 と、車の運転を始めた、雷斗さん。真剣な顔の…雪道だから、特に…。
最初は、ホームセンターへと行く。調理器具を見て回る…。深い両手鍋と木ベラ…後、茶こしと、ホイッパー…菜箸など。と、小さめの土鍋が目に付いた。”鍋焼きうどん”…などと考えていたら…。「…うみ?…欲しい?」 と雷斗さん…。「……ん…」 と迷う私…。すると、「買おうか?…あれば、役に立つよ?」と、何故か2つ購入してくれた。あらかた買い出しを済ませて、今度はスーパーへ…。食材を買う。カートを引いて、野菜コーナーから回る。「メニューは、決まってるの?」と雷斗さん。「うん。今回は…」など、と話していると、
「河本君?」 となんと、仁科室長とバッタリあった…。”…あ…どう…”と 思った私…。すると…。
「おはようございます。仁科さん、買い物ですか?」
…?…。そう尋ねた、雷斗さん。
「あぁ、妻から頼まれたんだ。お米、買ってきてって…。」
「お疲れ様です。」
「じゃ、また明日。」
「失礼します。」
と…雷斗さん。食材を購入して、雷斗さんの車に戻って、私は、尋ねた。「雷斗さん、”仁科室長”って呼ばなかったですね?…どうしてですか?」
すると…雷斗さん。
「…今は、勤務中じゃない。うみの…彼氏…だからね…(照)」
真っ赤になって運転する、雷斗さん…。
私も…一緒になって、赤くなる…。嬉しい…けど…明日…大丈夫…?




