写真
うみが、俺に風呂を勧めた。「疲れたと思うから、先に入ってください…。」 言われた通り、風呂に行く…。うみの…風呂場。キレイに掃除されてあり、浴槽には、白い入浴剤…。ふと、風呂の端に、置いてある、男モンのシャンプー類…。”…準備してくれたのか…。”…有難く使わせて貰った。浴槽に浸かりながら、さっき、うみの寝室で見た”写真”を思い出していた。うみのドレッサー…俺から見て、左側の端っこに、置いてあった写真…。それと…位牌…。一体誰のだ?…。そう言えば、うみは、”家族”の話しをあまり…というか、聞いたことが無い…。と…これ以上、入ったらのぼせる…。浴槽から出て、脱衣場へと戻り、バスタオルで身体を拭いた…。…”なんか…身体がスベスベ?になった?”…そう思いながら、着替えて、ドライヤーで髪を乾かした。乾かし終わると、うみのいる、居間に戻る。うみは、本を読んでいた。「”あ、おかえりなさい”」 とうみ。「気持ちよかったよ。後、シャンプー類、ありがとう。」 そう言って、改めて、うみの部屋を見た。対面キッチンのシンプルな部屋…。パソコンが置いてある、丸いテーブルと、椅子。炬燵と長椅子。テレビの棚…。棚には、フィギュアが…。…なんか…このフィギュア…何処かで?…。と思っていると、「あんまり…見ないでください(汗) 」 と、うみ…。「ごめん…」…と謝り…あ、そうだ…。うみに尋ねた。「風呂から上がった後に、肌がスベスベになったんだけど…?…」と話した…。すると、
「…あぁ。あの入浴剤です。」 と、うみ。入浴剤?…。うみが教えてくれた入浴剤には、保湿成分が入っている入浴剤。身体が温まって、肌もシットリするんだとか…。俺も気に入ったから使いたいと、話すと、嬉しそうにしていた。今度は、うみが風呂に入りに行った。その隙に、寝室のドレッサーに、置いてあった、”あの写真”を見に行く…。だが、あれ?…さっきまで、あった写真が無い…。不思議に思い、寝室から出た。ふと、さっきのフィギュアが目に付いた…。近寄ってよく見てみる…。……。?…この白猫って…前にうみが着ていた、Tシャツの…猫…だよな…?…ドライヤーの音が止んだのも気が付かず、見ていると、うみが戻ってきた…。あ…!と思ったが…。何も言わない、うみ…。そっと近寄ってきた…。や…ヤバい…(汗) そう思った時だった。
「…小さい頃に流行ったアニメのキャラクターです…。ずっと欲しくて…。」
懐かしそうに笑いながら、話す、うみ…。風呂上がりで、とてもいい香りがした…。ほんのり肌が赤い…。
「…何か、飲みます?」 「…あ、炭酸が入ったのってある?」 「サイダーなら…。でも、無糖ですけど…。」
そう言って、台所で、グラスに注いで、2人で飲んだ。無糖なのに、甘く感じた。さすがに、写真の事は、聞けずにいると…。
「雷斗さん…一緒に…寝てくれますか?」
うみからの誘い?!!…
「…もちろん!!一緒に寝よう!!」
と言って、2人で、歯磨きを済ませ、うみの寝室へと向かう。うみのベットは、俺がアパートで、寝ているベットと同じ位の広さ…。一緒にベットへと入り、うみを抱きしめた…。…?!…。俺は、驚いて、慌てて聞いた。「うみ?!風邪引いた?!身体凄く熱い!!」 と…。すると…うみ…
「……もう…眠くて…限界…。おやすみ…なさい…雷斗さん…。」
と…俺の腕の中で、スヤスヤと眠ってしまった…。
こ…こんなに…熱くなるのか…?…と思いながら、俺も一緒になって、眠ってしまった…。




