泊まり
…彼女の作った鍋は、鶏団子鍋…。今日は、すげぇ寒い日で、俺は、鍋とか、身体が温まるものを、食べたかった。俺は、彼女に、電話で、明日は仕事が休みだから、”一緒に鍋が食べたい”…と話した。すると、”分かりました…。でも…お鍋を作るのは、いいですけど、私のアパート”…と、彼女が言ったので、”うみちゃん、俺のアパートの台所で使って、大丈夫です。…うみちゃんが…料理を作ってるとこ…見たいです”。と話すと、…分かりました…。と、恥ずかしそうに返してくれた。…彼女の手料理は、本当に美味くて、毎回、残さず食べている…。加藤君に、言われたからじゃなくて、マジで美味い…。…彼女が、食材を買って、俺のアパートに来てくれた。少し雪がチラついてたからか?彼女の髪やコートに大き目の、ふわふわした雪が、付いていた…。風邪引くと悪いから少し、温まってからと、話したが、”大丈夫”です…。と、そう返事をする彼女…。寒かったよな…。俺は、彼女が脱いだ、コートを、ハンガーにかけ、玄関にある、備え付けの、コート掛けに、吊るしてきた。食材を入れてある、エコバッグも雪で、少し濡れていた。対面式の台所…。そこの台に食材の入ったエコバックを置いた彼女を、そっと抱き締めた…。身体…冷たい…。しばらく、抱き締めた。…だんだん、温まってきた彼女の身体…。
「…”温まったかな”?…”」 「”…うん…ありがとうございます”…。」 ホッしている様な、嬉しそうな顔をしている彼女。…このまま…と思ったが…”ソレ”をやったら、なかせてしま…と、手を洗わせてください…。お鍋作りますから…。と俺に声をかけた。洗面所で手を洗って来る彼女。…今日、帰したくない…。…言っても大丈夫…か?…。などと思っていると、彼女が、洗面所から戻ってきた…。早速、鍋を作ろうとしている…。…鍋のスープを作るから、野菜を切って下さい…。え?…俺も一緒に?…焼きそばと玉子焼きは作れるが…。彼女に、言われた通り、野菜を切って見たが…慣れてないからか、手付きが、たどたどしい俺…。それを、心配そうに見ている彼女…。やっぱり、無理だ!
「やっぱり、怖いんで、うみちゃん切ってください(汗)」 …落ち込む俺…。その間に、手際よく野菜を切り、鶏だんごも作っていく…。…部屋にいい匂いがしていた。俺は、炬燵のテーブルをシートで拭いて、お椀や箸を並べた。大きめのお椀…。…カセットコンロなんか無いから、新品のタオルを出してきて、テーブルに鍋敷き代わりに置く。鍋が出来た。テーブルに置いた、熱々の鍋の蓋をとる…。フワッと湯気が立ち、美味そうな匂い…。炬燵に入って、2人で食べ始めた。スープを1口…。…ヤバかった…。美味すぎて。夢中で食べる俺。身体が、あっという間に、温まった。「うみちゃんの鍋、最高!!」… ん?…彼女を見てみる…さっきまで、顔が白かった彼女…。温まってきたのか、頬がほんのりと、赤い…。…ホッと息を付いている彼女…。…今なら…
「…うみちゃん…あ、明日…休み…なので…今日…泊まって……行か…ない?」
緊張しながら言ってみた…。急に言ったからか…。彼女の、ほんのりと赤い頬が、赤くなっている…。”ダメか…”と思っていると…。
「は…はい…。」
と呟くように返事をする彼女…。
……マジで…?…とまっ…て…?…嬉しくて、声が出なかった…。




