挙げる
施設長室から、PC科に戻った俺は、PC科のメンバー達にも謝罪していた。加藤君にも謝罪した。その日の休憩中…加藤君と俺は、先に、昼休憩に入った。
「良かったですね…。…お付き合いできて…。届けて貰ってるんですか?…メシ…。」
なんで…知ってんだ?…。加藤君て…まさか?!
そう思って、いたら、真顔で…
「俺の事、ストーカー?って見てます?…ストーカーじゃ無いですよ。職場では、彼女を…見守ってましたけど…。…何回か、見かけたんですよ。青野さんが、河本主任のアパートになんか届けてたのを…。謹慎中に?とは、思ったけど…でも、紙袋とか、弁当用のバックだっから…。」
…なんだ…。と安心した俺…。と、ここで、加藤君。
「そういえば、払ってます?…食費?」
食費…?…!…すっかり…忘れてた…。
それを聞いた加藤君…ひと言。
「…払えよ…?」
後…。
「…残さず食えよ?…青野さんのメシに文句言ったり残したりしたら……ヤる…(怒)」
「…ハイ(汗)…。」……加藤君に頭が上がらない俺…。と…そう言えば、上げるで、思い出したが、さっき、池澤施設長が、あげる時って話してたが、何をあげるんだ?…。なんか出し忘れた物あったか?…。なぁ、加藤君…。
俺は、施設長が、さっき話してた事を、加藤君に話した。講義を終えて、休憩室に入ってきた、仁科室長も田山さんたちも、一緒になって聞いてきた…。すると加藤君……。
「……なんで、青野さん…”こんなのに”?…。2人で挙げるって言ったら…。」
俺に、呆れ顔の加藤君…。
「「アレしかないよね~♪」」 と田山さんと莅さん…。
……?…。一体…何なんだ?みんなして?…。と…仁科室長…。
「ま…”墓場”にならなきゃいいがな…。」
そう言って、休憩は終わった…。上げる?…墓場?
…仁科室長…俺を土に埋める気なのか?…今回の件…やっぱヤバかったのか?落ち込みながら、仕事した。仕事がひと段落して、俺は、2階ステーションに、顔を出した。すると…
「あ、…あの人だよ…。青野さんの彼氏…♪…すごいよね…。」ヒソヒソと話している、職員達…。と…
「もし、そうなったら、幾ら包む?…上はともかく…私たちなら…5?…。みんなでするなら、花とか?」
…誰か、なんかあるのか?…今の話からして、誰か結婚でもするのか?…。俺もいつか…。彼女…いや、海さ…うみちゃんと…。そう思いながら、木原室長とたまたま来ていた、1階総合ステーションの梶原明夫室長に、今回の件を謝罪をした。すると、終わった事だから、と、木原室長…。梶原室長は、俺にこんな事を言ってきた…。
「もし、引越す時は、いい物件、知ってるから、聞いてくれよ。」
木原室長も一緒になって、「リングは、選んだの?」
…物件?リング?…一体…何なんだ?…。俺は、堪らず、木原室長に尋ねた。
「皆して、一体なんなんです?…リングだの、物件だの?仁科室長に至っては、墓場なんて…俺…そんなに…。」
と木原室長…。
「え…?…何?…”アレ”、そう言う意味じゃ?」
と…木原室長!と根岸さんが走って来て、声をかけた。なんだ?…それから、俺の質問は、後回しになった。介護福祉士科の職員1人が、ぎっくり腰で、動けなくなったらしい…。…。一体何なんだ?…2人で挙げるだの、リングだの…?…
その意味が分かるまで、時間が、かかった…。




