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…食べられる?

河本主任のアパート…。猫の…あった。ココだ。…河本主任のアパート。謹慎中だけど…まだ、私より若いけど…倒れたら、大変だし…。…河本主任アパートの駐車場に車を停めた私…。スマホを手にし、河本主任に電話をかけた。…。「”はい…河…本…です”…。」 益々、覇気の無い声…。「”アパートの駐車場に着きました”…。」 と、ベランダに人影が見えた。力無く、手を振っている河本主任…。…。なんか…ぼうれい…みたい…。…。2階の角部屋…。私が内見に行った部屋の隣…。…。車から降りて、階段を上がって、2階の河本主任の部屋へと向かった。…。玄関のドアを開けて、静かに佇む、河本主任…。…やっと立ってる?…。食事の入った紙袋を手渡した。「上がって…」 声までもが…。”い…いえ、すぐに…帰ります”…そう言って、振り返って帰ろうとした時、河本主任の手が、私の肩を掴んだ…。…!…凄く冷たい?!…夏場なのに…なんで、こんなに?!…。私は、河本主任の方に、向きを直して、私の肩を掴んでいる、河本主任の手を触った…。…冷たい手…。河本主任…。首筋にそっと触れてみた…。…!…身体冷えてる…!…あれ?…なんか、フラつきも…ていうか…少し震えて?…。このまま部屋に…で…でも…上がって…”間違い”が…その…襲われたら…。でも…河本主任…。私は、意を決して、河本主任のアパートの部屋に入った。…河本主任の部屋は、脱いだ服は、そのままで、部屋には、少し埃が…。いつ食べたか分からない…レトルト食品のから容器が、テーブルに置きっぱなしになっている…。ベットには、今、起きましたと言わんばりに、タオルケットが丸まって…。ふと、河本主任を、見てみると、…バツ悪そうに、私から、目を逸らしている。気にしてないと伝えると、最近、掃除もしてないから…。と話す、河本主任…。河本主任に座って貰って、テーブルに置いてある、レトルト食品のから容器を、台所へと持っていき、テーブルに戻り、テーブルに置いてある、テーブル用の除菌ウエットシートで、軽くテーブルを拭いた…。少し黒くなる、ウエットシート…。……。ドキドキしながら、紙袋から、お弁当を出した。食べられる…かな?…それより…口に合うかな?…お弁当の蓋を開けて、中身を見た河本主任…。河本主任の、覇気の無い顔に笑顔が戻った…。


「……うまそう……。…いただきます…。」


そう言って、河本主任は、玉子焼きを1口、口に運んで…


「……美味しいです……。」


それから、1口ずつ、ゆっくりと噛みしめるように、味わって食べていく…。「…お水かお茶…入りませんか?」と河本主任に尋ねた…。

「冷蔵庫にペットボトルの水があります…。ソレを持ってきてくれませんか?」


私は、台所に向かい、冷蔵庫に手をかけた…。冷蔵庫の中に入っている、ミネラルウォーター…。まだ新品…。…冷蔵庫…調味料もない。あるとしたら、チューブのしょうがと麺つゆ…。卵と納豆…キムチに、プリン…?…あ、…あんまり見ちゃ…。そっと、冷蔵庫の扉を閉めて、テーブルに戻り、一言…”お水です”…と伝え、渡した。


「ありがとうございます……。…マジで美味い…。海さんのメ…いや、ご飯。」


”メシ”って言おうとしたんだ…。


私の前では、話し方を変える河本主任…。…そのままで大丈夫なのに……。


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