表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
153/805

散らかった部屋

か…彼女が、食事を届けて…?…マジで?…。俺は、離婚してから、食生活が荒れていた。仕事ある日は、3食、食べてはいたが、休みの日は、バナナ1本。空きっ腹にカフェオレ飲んで、終わり…。まぁ夜は、食べるけど…。…。この散らかった部屋に彼女を…?…いや、玄関で対応すれば…。だ…ダメだ…。何も考えられない。…そうこうしている内に、スマホが鳴った。彼女からの電話。”…はい…河…本…です”。 覇気がない俺の声に益々、心配そうな彼女の声が聞こえた。


「…大丈夫…ですか?……アパートの駐車場に居ます。窓から、私が見えますか?」


カーテンを開け、窓から駐車場を見てみた。彼女が立っている。…ベランダに出て、スマホを持ったまま、手を振った。…”あ”。…そんな顔をしていた…。何時もの、デニムに…?…アレ?…何時もは、デニムにブラウスの彼女…。今日は、デニムに、Tシャツ姿…。…。ベランダから、玄関に向かいドアを開けた。「…こんにちは…。」 緊張している彼女の顔…。彼女は、1本に束ねた髪を、シュシュ?とかいうヤツで束ねていた。Tシャツは、ネイビーのプリントシャツ…。猫のワンポイントが入ったヤツ…。だが、その猫の絵が…ちょっと変わってる…。白猫の額に、三日月状のキズがある…。書いてある…?あの、コレ…。そっと、紙袋を俺に、手渡した。彼女の手料理…。


「ありがとう…ございます……。あ、あの…もし…よかったら…その…ち…散らかって…ますが、上がってぃぃいきま…す?…」


き…緊張で…声が…ヤバ…イ……。

すると彼女は、”い…いえ…すぐに…か…帰ります…”

と言って、帰ろうとした。俺は、咄嗟に、彼女の肩を掴んだ…。「待ってくだ…。」

驚いた彼女が、肩に置いた俺の手を、はら…いや、握りしめた。温かな彼女の手……。そして…。


「…何も、食べて無いんですか?…手が…。」


そう言って、そっと、俺の首筋付近を、片手でそっと触った…。夏場で暑いハズなのに…完全に冷えていた俺の身体。彼女の手の温もりが、心地よかった。…少しフラつきも出ていた…。彼女は、迷っていたが、それでも、俺の背中をそっと触って、俺のアパートの部屋へと入った。1Dkの部屋…。…何も話さない彼女…。部屋の汚さに呆れているのか?…すると…。


「…私、特に気にしません…。動けなかったんですよね…。」


……。そんな事…言われたら…。家に返したくなくなる。…このまま…居て欲しい…そう言いそうになったが……


「最近、掃除もサボってたんで…。」


それしか言えなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ