心配
河本主任に、メールを送った私…。なかなか返って来ない…。やっぱり…落ち込んでるのかな…。無理ないよね…。本来なら、あの人達が、ヤッた事に、注意?しただけ…いや注意じゃないかな…。叱ってくれただけなのに…。…もう少ししたら、電話してみようかな?…でも、あんまり執拗いのは…ダメかな…。アパートの部屋で1人に悶々と考えている私…。…。”はぁ”…と静かに、ため息をついて、スマホをテーブルに置いた。私の居間には、ソファ型の長椅子があり、そこに寝転がった。”…シバ丸…”どうしたらいい?…。柴犬の形をした、テッシュケースに声をかけた…。何も話さないシバ丸…。でも、シバ丸の顔は、いつも笑っている。……。も…もう少し、したら…。…それから、1時間後…。スマホの時計は、午前11時を表示している。……1度、深呼吸して…。河本主任のスマホに電話した…。思えば、これが、河本主任への個人的な電話だった。”あの時”は、衣織ちゃんが、旅行に行けるかどうかの、電話を貰って、折り返した電話だけど…。…初めては、そっち?…。スマホから聞こえる、電話の発信音…。
”き……緊張する”…。と…。
「…はい……かわも…と…です…。」
な……なんか、何時にも増して…っていうか……?…
この声……何処か具合が悪い?
「河本先生?…青野です…。この前は、助けていただき、ありがとうございました……。…?」
河本主任は、静かに私の話す声を、聴いている…。”や…やっぱり…お……怒って”?…。
「あぁ…海さんが無事ならそ…それで…いいです…。」
「?…河本主任…声が…ちょ…どうしました?…もしかして…体調悪いですか?……。」
すると、河本主任…。
「じ…実は、そ……そうなんです…。最近、食事を…その…まともに、食べてなくて……いや、それなりに…食べては…いたんですが。」
……食べてはいた?…。待って…?河本主任って確か…。……あ?!…もしかして…?
「河本主任……もしかして……レトルト食品ばかり、食べてませんか?」
すると…河本主任は、”はぁ…実は…”と、ため息混じりに、こんな事を話してくれた。聞けば、河本主任は、離婚して、独りになってから、仕事ある日は、3食、食べるけど、朝は、卵かけご飯や、納豆をかけたご飯だけ…。お昼は、職場で注文した、ランチ…。夜は、レトルト食品…。仕事が休みの日は、バナナ1本食べたきり、後は、夜まで、食べたり食べなかったりと…。酷い時は、カフェオレを飲んで、それで終わり…。それじゃ身体壊すのも、無理ないよ~。野菜も魚も肉も…ちゃんと食べてないんだもの…。
「あの…もし…よかったら…何か、作って…届けましょうか?……。」
き…謹慎中…だけど…。で…でも…河本主任、ほっとけない…。このままだと、本当に動けなくなっちゃう…。…。しばらく沈黙が続いた…。”河本主任”…? !…私が、電話口で、少し大きめの声を出したので、河本主任は、慌てた声で、返事を返した。
「そ…そうですね…。すみません…。お…お願い…します…。…あ、そうだ…俺の…アパートの場所…。」
あ、そうだ…河本主任のアパートって何処なんだろう…?住所を聞くと…アレ?…そこって確か、私が、前に、内見に行った、アパートじゃ…。
「河本主任の居らっしゃるアパートって、もしかして、窓から、田んぼが見えませんか?…台所の窓からです…。」
そう伝えてみた。すると、
「そうです。小さい田んぼ見えます。後、アパートの駐車場の入り口の、コンクリートで出来た、小さめの塀の上に、猫の…。」
やっぱり、あのアパートだ!…




