破壊・崩壊
…コイツ…マジで許さねぇ!!俺は、隣りに居る、渡賀を、突き飛ばして、平澤を殴りそうになっていた!…けど、彼女が先に、手を挙げそうになっている!
!…もし、彼女が、平澤に手を挙げたら、彼女は、ヤラれる!力の差が、全く違う…!そんな事より…!!彼女の手が…あのキレイな手が…!!それ以上に、心が!!……咄嗟に色々な思いが溢れた。けど、その時だった…!平澤と彼女の間に割って入った、身体が見えた…。……河本!!…。河本が、平澤と彼女を区切る様に、立っていた。…河本は、1度、彼女の方を見たが、すぐに、視線をずらし、誰かを手招きした。「”木原さん、青野さんを”…。」 木原?…。あ、この方、確か、2階ステーションの上役…。そう言って、木原さんに彼女を支えさせ、平澤と河本から、彼女を離した。木原さんと彼女は、俺の、隣に彼女がいた。…無事で良かった……。安堵し笑んだ、俺は、その場で彼女に、軽く会釈した。ソレが、気に食わなかったのか…。渡賀が…
「え~?加藤君も?ダメだよ?男に…」
……薄汚ねぇ、気持ちわりぃ声出してんじゃねーよ…。
俺は、静かに、河本と平澤を見ていた。背中越しだから、河本の表情は解らない。ケド…なんだ?…
この河本の今までにない感じは?…。
「どうしました?平澤さん?」
河本は、穏やかな声で平澤に、今までの事を話しを聞いている。河本が何も知らないと思っているのか、堂々と話す、平澤。その顔は…
「私達、正論を言っています。私達は、被害者です。…助けてください…。」
そう聞こえて仕方がながった。アレだけ彼女を、悪者にし、傷つけ、貶め、苦しめさせた、言葉を話しておきながら…被害者ぶってやがって…フザケン……
「……言いたい事は…それだけですか……?」
…?!…なんだ?…この…今までに聞いた事の無い……河本の声?!
「いい加減にしろよ?!!俺の大切に想っている女性や大切な友人を、心が汚い、貴女の醜くく、歪んだ嫉妬に巻き込まないで頂きたい!!!」
…河本の怒りが爆発した。その怒号は、この2階の全体に響き渡り、その声は、遠くの、科まで、聞こえたらしい。河本の声に、ビビった職員が、慌てて、部屋から出てきてた…。それをモロに受けた平澤は、固まり、愕然としていた…。それだけでは、河本の怒りは収まらないようだった…が、河本が、平澤にこんな事を言った。
「そんな貴女には、何れ、罰が当たりますよ?”貴女ではなく”、貴女が1番、大切にしている家族や友人とかにね…。」
河本は、平澤に直接、罰は当たらない…?…何故?…。だが今は、それど…
「加藤君…怖い…」
囁く様な甘えた声で渡賀が、俺に擦り寄ってきた…。限界にきた俺は、ありったけの…渡賀が言われて嫌がる事を全て言ってやった。音を立てずに、淡々と言った。すると
「身体は関係ない…悪い事したら…先輩でも」
悪い事?なら、アンタらがやった事は?…俺は、河本に、このババア達に、”あの事”を、話してやったら?と伝えたが、河本は、それを拒否した。そして、噂を撒き散らしたのは、アンタらかと、聞いている。すると、平澤は、”いえ…私達は”…と答える前に、「平澤から聞いたと…」 声を上げるものが出てきた…。1人、2人と、終いには、木原さんまでもが、平澤から聞いたと…。もう、言い逃れ…
「私は…ただ…事実を、確認…」
…この往生際の悪さに、俺は、ビビった。と、いつの間にか、近衛部長が気配を殺して佇んでいた。総てを知った様な顔をして……。




