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何故か…

あの研修会の後…。俺は、自分の手を見ていた…。藤原さんの手…。白く細い指。キレイに短く切られた、清潔感のある爪。少しだけ荒れていた、手の甲。…。そして、何よりも…温かな手のひら。マウスを握った俺の手を、最初は、何も言わずイキナリ掴んだ。…驚いた俺…。次に、「手に、触わりますよ…。」優しい口調で…

そっと、被せるように…。あったかい…。…。研修会…受けて良かったな…。それから、見かける度に、藤原さんを目で追った…。今日は、普通。今日は、あ、イラついてる?…今日は、笑って、嬉しそうだ…。…見かける度に、表情が…。喜怒哀楽がしっかりと解る…。ところが…?今日は、覇気が全く無いし、目が…シんでる?……近衛部長?…藤原さんと何か話して…「”よろしく…お願いします”…」 なんかあったな?…。しばらくして、各部署に、回覧が届いた…。

「”異動” 藤原 海 異動先 業務サポート課」

とな…。…。近衛部長とのやり取りは、これか?

その後、河本も異動した。あの馴れ馴れしいのが居なくなった。トラブルは、その1回だけだけど…。そう思いながら、1階の自販機にドリンクを買いに、休憩室から、廊下にでた…と…突然聞こえた、デカい低く、汚い声。

「ネコいる。ネコ!」

は?…何処に?!…その声にビビって振り返る…。

「頭の上(笑笑)」

……平澤…。…俺は、聞こえなかった、振りをして1階へと向かったが…殺意を覚えた…。……ババア…次なんか言ってきたら、ヤる…!…。1階の自販機に着くと、藤原さんが居た。他の受講生に、気をつけて帰って下さい。と優しい口調で、微笑みながら、声をかけていた。その後で、自販機から、お茶を買っていた…。…。「…?…お疲れ様です。」…一言だけど、穏やかな口調で、落ち着く声…。「…お疲れ…様です…。」 俺が、そう返した後、軽く会釈して、藤原さんは、行ってしまった。…俺も同じお茶を買った…。朝、夕、と彼女に会う事がある。たまに、PC科にも、来てくれていた。…その度に、河本が、荷物を受け取っていた。…?…随分、緊張…?…俺らと全然違う話し方?…。コイツ、藤原さんの事?…まぁ…彼女、イイモンナ。どっかの、”オバサンリーダー”より、はるかに、彼女がリーダーの方が…。そんなこんなで、河本も急に異動した。それからは、平穏な日々。が…豊川がウザい…。その豊川が、休憩中に…言ったこと…。

「…加藤君、前から思ってたんだけど…加藤君て…」

…なんだ?


「声、少し高いね。後、髪が、柔らかそう…(笑笑)」

……。「…テメェも、ソレかよ?!!じゃテメェは?…そのツラで…!!」 マジ切れした俺…。休憩

室で急に怒鳴ったから、仁科室長が慌てて、俺と、豊川の間に割って入ってきた…。俺は、怒りで、休憩室を飛び出した…。と…。藤原さんが廊下に、居た。ステーションに荷物を届けに来た帰りだった。俺は、藤原さんの、後ろ姿を見ていた。首と肩の境目を触っている…。さりげなく…触る仕草に、「……疲れてんだな…。」 何故か藤原さんを見ていると、落ち着く…。何故か解らないが……。

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