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部長室

平澤と渡賀より先に、俺は、部長室に呼ばれた…。2階で、平澤達に、キレた。…また…異動か?…異動で済めばいいが…切られるかな…。まぁ、それでもいいか…。こんな職場(ばしょ)に居るくらいなら…と思いながら、部長室へと向かった。部長室へ入った俺…。初めて中に入った。シンプルな部屋で、窓側には、小さな観葉植物が置いてある…。

「そちらに座って。」

フランクに話す、近衛部長…。小さな応接用のテーブルと椅子…。対面で座った。俺は、部長の顔を見た。部長の顔つきは、優しい表情。メガネをかけたその目は、俺を真っ直ぐに見ている…。怖さよりも…意志の強さと…何故か…安心感を強く感じる女性(ひと)

俺は、部長に謝罪した。

「この度は…騒ぎを起こし、大変…も…申し訳ございませんでした…。どんな…」

そこまで話したか、話さないかのうちに、近衛部長は、微笑みながら…

「河本主任。そんなに、緊張しなくて大丈夫です…。今回の2階の件は、由々しき事態ですが…河本主任には、謹慎処分のみ、受けて頂きます。日数は、9日間。後は、咎めません…。…?…どうしました?…河本主任?」


そう近衛部長に処分を言い渡された俺…。

…え?!…あ、アレだけ、騒ぎを起こしたの…に?…謹慎のみ?…

「…いえ…な…ぜ…ですか?…。謹慎のみって…。」

と、近衛部長に、恐る恐る尋ねた。近衛部長は、俺を真っ直ぐに見て、こう話してくれた。


「先程、仁科室長が、ここに来て、河本主任と青野さんは、不倫をしていない。そして、河本主任が、”独身”だと知りました…。」


俺は、その離婚とは言わず、独身と言う言葉に、近衛部長の気付いが見えた…。「”それと”。」 また穏やかな口調で、話す近衛部長…。


「…昨日の夕方、ここに、根岸さんが来て、根岸さんが、私に、河本主任と青野さんの状況を説明してくれましたよ。プライベートな事ですが、流石に、2階で、あの噂を…後、裏で他人(ひと)を傷つけている事に、許せなかったのでしょう…。」


「河本主任は離婚して、独りですが、決して海さんとの”不倫”で、家庭を無くしたのでは無いと…。それから、こんな事も、話されてました。根岸さんは、河本主任と海さんの言葉に救われたと…。」


近衛部長のしっかりとそれでいて、優しい口調

で、俺に根岸さんの話しを聞いたと話す。

”…根岸さんが、俺と彼女の言葉に救われた”?

近衛部長の話がよく分からずにいた…。すると、近衛部長は、ある場所で、根岸さんに遭わなかったかと俺に尋ねた。


「…”病院”で根岸さんに遭われましたか?…その時です…。」


病院…?…あ…!!…あの時か?!…沙織が…いや…けいさんのご主人の事を知ったあの時…。彼女が豊川君に伝えたあの言葉…。


「誰もとめない…やってみたら?本気なら…。」


「…そう…ですか…。近衛部長…。あの…。平澤さんと渡賀さんを…どうか、青野さんや加藤さん…」

そこまで話した瞬間…。今まで穏やかな顔つきの近衛部長が、鬼の様な、形相に変わった!!


「あの2人には、厳重注意では済みません!!ここまで、周囲を巻き込んで、挙句の果てに、嘘まで…コッチは、全て聴いているんですよ?!”また”… 他人(ひと)をどれだけ苦しめれば気が済むの?!!平澤に関しては、これで、何回目?!!…渡賀は、入職2ヶ月で、3回目…もう許しません!!それに、都合が悪くなると、パワハラとか話して、被害者ヅラ…いい加減に…」


近衛部長の怒鳴り声…。…こ…この女性(ひと)…一体…何者?!

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