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独り言

しばらく時間が経って、先に口を開いたのは、けいちゃんだった。「”うみちゃん。これは、私の独り言だと思って…聴いてね…?”」 そう話して、けいちゃんは、ひと呼吸してから、こう話してくれた。

「河本さんから、告白されて、うみちゃんは、返事を一応、返した。だけど、その返事を…離婚した理由(わけ)を、言わずに、うみちゃんを抱き締めてしまった…。だけど、それは、本気で…本能的に…ほしくて、抱き締めた。本気じゃなきゃ、出来ないし、触れないと思う…。男性も女性も、本気で好きになった人に、”触れたい、抱きしめたい”…という、感情が無ければ、出来ない。」

けいちゃんの、話しは、何となく解る…でも…。


「男性も女性も、本気になった人に、触れたい。触られたい。抱き締めたい…抱き締められたい。キスしたい…キスされたい…求めたい。求めらたい…。それは、同じ様な事なんだよ?男性も女性も……中には、無意識で…下心で…欲を満たそうとして、触れたり、触ったりする人も居るけど…でも、河本主任は、きっと、本気でうみちゃんを好きで抱き締めた…。」

…そう…言えば…抱き締められた時…。私は、けいちゃんの”独り言”に、こう応えた。

「河本主任…私を、抱き締めた時…”ごめん”…て謝ってた…。」

それを聞いたけいちゃんは、

「”謝まるほど、それだけ、大切な女性(ひと)”…。それとも…触れたい”気持ち”に、耐え切れず…、謝ったのかもだけど…。それだけ、愛おしい女性(ひと)って事じゃない?…後、ちょっと厳しい事も言うよ?」


「…うみちゃん、さっき、河本主任の?ていうか?…仕事の噂?は、信じてる。でも、プライベートの悪い噂は、信じないんだよね…。でも…いい事は、信じられる?…仕事も、プライベートも、悪い噂なら、信じなくても良いけど、河本主任のいい噂や、気持ちまで、信じられなくなってない?…うみちゃんが、不安がってるのは…言ってる事に対して、信じられないから、不安なんだよ?…きっと…。だから不安で…切ないんだよ?…好きだから…”信じたくて”…切なくて…泣いてるんだよ?」

けいちゃんの本音とも言える、独り言は、私の耳に…心に深く刺さった。…そして、けいちゃんは、また独り言を私に話した。

「…本気で好きになった人ほど、目を見れば解る。言葉や態度でも、解るけど、”目”を見れば解るよ。…だから、うみちゃん、河本主任の事、好きなら、信じてみたら?」


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