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見覚え

近衛部長の急な依頼でPC科の休憩室に来ている私。職員の1人が欠員になったからだ。職員の1人が命に関わる状態だと知り、重い空気が流れる中での打ち合わせ…。”受講希望申込み書”を手にした私は、1人の男性の名前に見覚えがあった。重い空気の中で、沈黙を破ったのは、仁科室長の声。

「この方、小田さんは去年の暮に交通事故に遭われた方です。小田さんは、事故の影響で身体が不自由になられた方で…車椅子での受講希望なんです…。今回の受講希望の2名はパソコンに触れる機会が殆ど無い方です。」

仁科室長の説明を受け、私は思い出した。この施設近くの交差点付近で、人身事故があって、その事故を確か、県内ニュースで見た…その時の事故に遭われた方の名前だと。私はもう1枚の希望申込み書に目を移す。「もう1名の希望者の方は相川莉央さん。この方は、飲食店でアルバイトをしながら、パソコンを覚えたいらしく、今後はそのスキルを活かした職に付きたいと…そこに…記入…」仁科室長の話しを聞きながら、私は2枚の書類を見比べていた。気になる点があったから。そして、仁科室長に質問した。

「室長、この2名の希望欄は、電話聞き取りにて書いたものですか?」

私の質問に近衛部長と仁科室長は顔を見合わせている。私が気になった事…それは、2名の希望欄の筆跡が同じだったからだ。この”受講希望申込み書”の名前は別々の…本人達の筆跡に対し、希望欄だけは、同じ筆跡だったからだ。後、気になったのは、何故、”福山課長が私をここにヘルプ”として要請したのか。

「…室長すみません、ちょっとパソコンお借りしてもいいですか…?」

”私の考えが当たってるなら…もしかしたら…”

私は仁科室長のパソコンを借りて、この2名の受講リストを検索してみた。

「相川莉央…平成……これかな…」

「小田健大…昭和…これか…」

2名のリストをダウンロードした。見てみるとそこには、2名のこれからの受講内容と計画書が出来上がっていた。”担当講師 星野里香”…とある。私は、「あぁ…やっぱり…だからか。」とパソコンの画面を見ながら、ひとりで納得した。その独り言を近衛部長は聞き逃さなかった。

「何がやっぱりなの?」

近衛部長の質問に我に変える私…。と、続け様に

「どうかしたの?」

と仁科室長も尋ねた。私は、近衛部長と仁科室長に気になった事を順を追って話すことにした。

”希望欄の手書きの依頼を書いたのは、星野主任。”後、”何故、福山課長が私をPC科にヘルプとして要請した”事を…。

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