苦手な人
露天風呂に入り、けいちゃんが「”うみちゃん、前ね、”あまり外食しない”って話してたでしょ?…でも、20代は、こっちに来てたって”…。」とけいちゃんが質問した。「…”あ、あれ…。実はね”」 けいちゃんにその理由を話した。
「実は、20代は、よくカフェやパスタ屋さんとかにも、よく行ってたんだけど…つい最近かな?2、3年前にね、”平澤さん”と街中で、バッタリ会ったの…。軽く挨拶を交わしたんだけど…平澤さん、去り際に、”アンタ見たいなでも、外食、するんだ…。”?って。だから、行かなくなったの。」その時…振り返って、本人の顔を見たら、”目”が…アンタは、嫌い。”っていうあの…目。人を蔑むような…憎むような…あの目で…私を見ていた。だから、あまり外食しなくなった。「”でも、こっちに来れば、余程じゃなければ、会うことないしね”…。」とけいちゃんに話した。けいちゃんは、「”なるほどね…。ね、上がってラウンジで、話さない?…ちょっと話したい事もあるし”…。」 けいちゃんの目、”職場で見る”目になってた。さっきまで、ニコニコ顔のけいちゃん。でも、仕事の話しになると、目付きが変わる…。それは、意思の強い、人を護ろうとする時の目付き…。私たちは、露天風呂から上がり、浴衣に着替えて、ラウンジへ向かった。ラウンジにもウォーターサーバーがあったから、そこで水を飲む。冷たい水が、美味しい…。ラウンジに一角にあるボックス席に、腰掛けて、紙コップをテーブルに置いた…。けいちゃんの話しを聞く。
「最近、”平澤”が、ヤバい事になって来てる…。介護福祉士科内なら、”仕事”の口出しをするなら解る…。でも、最近、PC科とか、業務課にも、口出しする様になっちゃって…平澤、”私が居なきゃ、仕事が回らない…”。て…なんか、勘違いしてるの。それでこの前、”PC科”の”加藤さん”から、私に、「”あの平澤?とか言う、オバサン、何とかなりませんか?後、似たような”オバサン”も”…。て…。」 「”似たような?オバサン”?…誰か居たっけ?」と私は、けいちゃんに尋ねた。「”新しく来た、”度賀はつめ”さん”」
”渡賀…はつめさん?…あ、最近入ってきた”…。「”この2人…本当に”体型も性格もそっくり”で…双子みたいって思ほど、似てるの”…。」
《苦手な人》
俺は、1人風呂に向かっていた。英達も誘ったが、「”朝風呂に行くから”。」「”俺もです”」…”2人共、結構、酒飲んでたからな”…と思いながら、部屋を出た。1階までエレベーターで降り、ラウンジ近くに出る…。ふとラウンジのボックス席に、けいさんと彼女が、深刻な顔をして、話している。俺は、声をかけようと、歩み寄って行く。「”PC科の加藤君”…”平澤”、似たような”オバサン”…双子”…。」とけいさんの話す声が聞こえてきた…。だが…”聞いちゃマズイか”…?と思い、踵を返し、風呂に向かった…。




