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5.半袖半ズボン

ただ私が頑張れば

みんなが

しあわせに届くかな

 「こちらはタカオさんのお城で間違いないですか?」

 ――そわそわ

 「そうですよぉ、ここはそう魔王城です!」

 「何言ってんだ。すいませんうちのものが。どうぞこちらに」

 出迎えてくれた会長にツッコミを入れてから彼女を招き入れる。

 

 背格好、雰囲気からして17、18歳といったところか。ただし上下の服が半袖半ズボン。

 もうすぐ冬だというのにどういうことなのか。寒がっている様子はないのでまあいいか。

 あと顔立ち。混血の者によくみられる整ったもので、誰の目に触れても異論のない美人だろう。

 ……まて、話もしていないのに既に引っかかってるぞ俺。しっかりしろ!


 「まあ食事でもしながら用件を聞こう。どうぞそちらに」

 彼女を手前の席に案内する。

 「ありがとうございます」

 ――そわそわ


 やはり俺の聞き間違いではなく、彼女の声自体が小さいようだ。

 それに心の声も変だ。そわそわしか聞こえん。


 「では私は食事を運んでくるので。ごゆっくりー」

 やっぱり軽い。この状況でそれはないよ?美人と1対1じゃん。

 「ええっと、今日は何が目的で?」

 「……直球なんですね。ではこちらも」

 彼女が深呼吸する。――やはりそわそわしか聞こえない。

 

 「私をあなたのところの置いて下さい。お願いします」

 どうやらこれは本心のようだ。

 「いったいなぜだ?俺がどんな奴かわかってきているのだろう?」

 「はい、なにやら心が読める、とか。――――これでどうでしょう」

 ――「私では不服ですか?」そう聞こえる。


 「不服なんてことはない。君はとてもきれいだからね。だからこそこんなところに来ちゃいけない」

 「本当に読めるんですね。ならもうしゃべらなくてもいいですか?大きな声は疲れるので」

 「ああ、すまない気が回らなくて。それで大丈夫」

 終始彼女にペースを握られているな。俺心読めるのに。

 

 「ありがとうございます。では遠慮なく」

 ――私は命令されるのとほめられるのが嫌いです。あと謝られるのも。


 え、さっきの会話いきなり全否定じゃん。

 「ええっと、君の目的は?」

 ――話しましたよね?「私をあなたのところの置いて下さい」と。承諾ください。

 「どこの誰だかわからん人はさすがに置けないよ。君は誰?」

 ――私はリト、精霊の血を引くヒト族です。北方の山岳地帯にある村から来ました。


 やはりヒトでないものが入っていたか。であればなぜ?

 「なぜ、人間の俺を訪ねた。それもここに置いてほしいなどと」

 彼女が深呼吸するのが分かる。彼女も緊張しているのか?

 ――そう簡単に篭絡できるわけないですよね。……わかりました、あなたのモノになります。これでいいでしょう?

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前作等の読者の方、お待たせしました!(いるかな?)

関連作からきていただいた方、本当にありがとうございます。

今日初めて読んでくださった方、いらっしゃいませ。

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