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3.癖の強い使用人

一癖あるほど優秀

 「いるじゃないですかぁ。へんじしろぉ」

 「おい、城から出たらもうその扱いか?」

 「え、そんな面倒な方でしたっけ、ってそうでしたね。すみません」


 ぺこり、と頭を下げるこの声の主は、会長。本名は聞いても教えてくれん。

 ――そうなのだ。彼女には「心を読む力」が通じない。


 「会長はどうしてここに?」

 彼女は会長の名の通り、とても優秀な使用人で重宝されていたはずだが。

 「そんなずっといてほしい、なんてやらしいですよぼっちゃま」

 「そうじゃない!職人を見送った時に一緒に帰ればいいじゃないか。ここにいてもいいことないぞ」


 「まあ、それはそうですねぇ。でも、私の家はここになりましたからねー」


 「え、向こうクビになったの?それって俺のせいじゃ――」


 彼女は人差し指を自分の唇に当てて、言います。

 「違います。君を活かせず厄介払いする人たちでは、私にはもったいないので。ここに来る役に立候補させてもらいました」

 強い口調で、それでいてあっけらかんと笑う会長。


 「そうは言ってもまだ何をして生活していくか決めていないぞ?俺の能力はあれだけだし」

 「あれと言われましても私にはわかりませんよぉ。ごめんなさい」

 「いやいや、立候補したんだから何か案があるんでしょ?」

 「頼るな青年よ!大丈夫、君を欲しがる者どもはいくらでもいるから」


 そんな人がいてどうなると?じーちゃんが直してくれた城を離れるのはごめんだ。

 「大丈夫!みんなここに住んでもらえばいーから」

 「なにいってるの???そんな王様みたいな振る舞いできるわけないじゃん」

 城でもじーちゃん以外にはほぼほぼ嫌われてたよ、俺。


 「ご自身をなめてもらっちゃあ困ります。あなたの力を狙うために来るような心が腐っている方や、親から送られてくる居場所のない少女にですね」

 「うん」

 「「心を読む力」が繰り出された日にはもう、わかっていても抗えない、ってもんですよ!ぼっちゃん!」

 何か担がれてるだろ俺。


 「まあそう思わず、まずは1人2人落としちゃいましょう!できれば財力のある方を早いうちに」

 「本音はそこか!……まあ、ここに住んでもらうかはともかく、カウンセリング料くらいはもらいたいな」

 「その意気です!と、いうわけで、夕方にはここにいらっしゃるのでそれまでに自分のお部屋の準備とかお願いしますね」


 「待って、早い早い!心の準備ができないから」

 「それはずっとできないでしょー。私夕食つくるので、それではっ!」

 くそ、かわいい敬礼でごまかしたつもりか?

 はぁ……準備しよ。

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