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登校初日 扉の先には!

ちょっと長いのかも。

いったん2000文字くらい目安で1話ずつ作っていきますね!

「「よお!遅かったな!寝坊したのか?それともメルシーさんに怒られてたか?」」

扉をくぐり、楽しみにしていた学び舎を堪能する暇もなくそう声が飛んでくる。

声の出所は、教室の右奥から。遅いといっても朝には家業を手伝う家庭が多いため、だいたい皆が揃うのはお昼ごろであるこの世界においては太陽が昇りきっていない今はまだ早い方である。


入口の周りに着席している数人に会釈をかわしつつ、奥に向かって歩きながら返事をする。

「そっちこそ早いじゃないか、二人とも!肉屋も薬術屋も別に暇じゃないだろうに。」


「夜に準備する仕事を多目に振ってもらったから朝の仕事はすくないもんさ。」とがっしりした体格で横を刈り上げ首にサソリのタトゥーを入れている風貌に似つかわしくない真面目な返答をする男は俺の親友の1人目、肉屋の息子ラッキーである。重ねていうが風貌からは想像できない程に慎重、真面目、仲間思いの男でタトゥーも旅先や仕事先で亡くなったとしも体だけは故郷へ帰れるようにというおまじないなのだ。


「さては、後ろの美人さんを口説いて遅かったな!!俺にも紹介してくれよ!」と軽口を叩くのは2人目の親友である薬術師を親にもつキノア。軽口とは裏腹にこの中では一番の常識人で考え方も一番まともだ。実際、この三人の中で一番モテるし、付き合っている子には誠実で4年ほど家族ぐるみで付き合っている鍛冶屋の子とは本当に仲が良く町中を歩いている姿をみるとお互いに本当に幸せそうで茶化す言葉も出てこない程だ。

つまり、俺が返す言葉は1つ!


「よし!紹介しよう!もちろんだ!お前の彼女のアルマにもこのキノアが認めた美人さんを!!」


「いいとも、アルマは世界で一番かわいいからね。嫉妬なんてしないさ。」とキノア

「朝から胸やけしそうな言葉だな。それより本当にその後ろの子は誰なんだよ。」とラッキー

『美人って本当に思ってる?』と疑わしそうに声をかけてくるアイボリー


いや本当に貴方は誰なんですか!?上流家庭っぽい雰囲気で浮いてるのになんで自然に馴染もうとしてんの!?いや、美人だけど!美人だけど困惑の方がギリ勝つ!


「こちらの方は、登校中に一緒になってここまで来たんだよ。遠方から修行の為に、ご実家から離れてこの学校に通うらしい。」

『そう。ここに丁度いい学校があるって聞いたから。敬語とかは必要ないよ。そういうの気にしてないから。』


「「おお!よろしくな!」」と気軽に2人が返しつつ冗談めかしてキノアが続ける。

「気に障った事があったらその都度教えてくれな。いきなり不敬罪で追放とか勘弁してくれよ。」


『もちろん。空の神に誓って。私は言葉より行動を重んじる。』と律儀に誓約を唱えながら考えようによっては物騒なことをいうアイボリー。

それって言葉で注意する前に実力制裁します!とも聞こえるだけど。もちろん普通の人なら人付き会いはうわべの言葉ではなく行動をすることが重要、態度で敬意や友愛を示しましょうっていういい言葉なんだけれど。


それから4人で、たわいの無い雑談を。春を告げるオレンジの蝶をみかけたんだ、森の奥の雪解けが始まったら雪下の薬草採りにいって小遣い稼ぎしよう、オレンジの蝶は美味しくなかったが途中で見かけて茶色の鳥は食べ応えがあって美味しかった等々途中不穏な会話が混ざりつつも楽しく過ごしていると大きく教室の扉が開き心地よい風が流れ込んできた。


「”よし!各自とりあえず席に座れ!もう座っている奴はとりあえずそのままでいい!”」

そう野太く大きいがなぜか威圧感は感じない声が響き渡る。

入ってきたのは、作業用のズボンに皮で仕立てあげられた上着と籠手を嵌めた体格のいい男だった。髪は短髪、腕や顔に傷は多少ついているが目元には無い、上着の下には鎖帷子も薄っすらと見える教師というよりは狩人や冒険者といわれた方がしっくりくる佇まいだ。


もちろんここは学校。ソルト商業高校だ。教師がくるのは当然なのだが実際にその場面になると緊張する。なにせ高校に来るまでは身近な大人といえば自分の親か近所の人だけなのだから。教室にいる大多数も同じ気持ちなのか隣同士の者とキョロキョロと目を合わせたり小声で話しあっている。


「”諸君!ソワソワする気持ちは良く分かる。俺もガキの頃はそうだった。だが、人生は長いが時間は有限だ。いったん静かにするように。”」

「”それでは、改めて。まずは入学した若人の未来が良いものになることを祈らせて貰う。私の名前はグレイド。これから3年間諸君を担当する。冒険者をやっていたがパーティーメンバーが引退するのを機会にこのソルトの地、我が母校で教師をすることにした者だ。”」と言葉を区切り教室内をぐるっと見回した後にこう続ける。

「”今日は、学生証とこの学校で利用できる施設の案内を終えれば解散だ。だが学生証を各自に配る前にしなければならない事がある。なにかわかるか?”」とまた見渡す。


しばしの沈黙があったものの前の席にいる数人の男たちが半ば冗談じみた声で「腕試し!誰がつよいかきめいないと!」と声をあげ教室内に少し笑いが生まれる。

「”たしかに互いの強さをしるということは重要だ。だが、それはまだ早い。強さとはなにも腕力だけではないからだ”」と少し笑いつつもグレイドは口を開く

「”これから諸君には自己紹介をして貰う。名前、得意なこと、夢この3つは必ず言うように。大体、この3つが分かればなんとかなるからな。ほかに何か言いたいことがあれば言っていいぞ。”」

「”では、教室の入り口に近い方から始めるぞ!それでは、はじめ!”」

それでは!

次の自己紹介へ!

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