登校初日!大きな大きな花の下。
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「さぁ、お楽しみのたけのこ掘りだ!」
そうアイボリーに促すとそれもそうだと納得してくれたらしい。
早速、先ほど決めたスタート地点へと向かいスコップの刃を足元へ突き刺し土を掘り始めている。
地面にスコップが滑らかに沈んでいったかと思うと土と共にその刃が浮き上がってくる様子は圧巻である。
足の感触で当たりをつけて掘る方法は性に合わなかったのだろう。
顔が土に隠れない程度まで穴を掘りそこから進んでいく事にしたらしく時たま動きが止まったかと思うと顔がほころぶ様子が伺える。
「流石、伊達に竜族ってわけじゃないな。よし!俺も経験者のアドバンテージってやつを見せてやんないとな!」
そうアイボリーの姿を横目に見ながら森の奥へと歩みを進める。
今日の稼ぎとしては、ハイドスパイダー3匹とその巣の周りの薬草達を合わせればレンタル料を差し引いても十分にお釣りが来る、いやお釣りどころか1万ソルトは固いだろう。
だが、まだまだ陽は高く昇っている。集合時間にはだいぶ時間があると言う事だ。
なら稼ぐ他はない。
「それに。土産に持って帰るのも悪くないしな。」そう呟きながらたけのこを探し歩くと、足裏に早速鈍く突き上げる感触があった。
足元の土をかき分けると可愛らし緑色の毛先がみえる。
「おっ。幸先いいな。」
ちょっと小さい気もするがこのくらいの大きさが蒸し焼きで食べるのは一番旨い、いや旨いというかおやつで食べていたから好きなだけかもしれない。
そんなどうでもいい事を考えながらたけのこ狩りに興じるのであった。
籠が7割ほどたけのこで埋まった頃に頭上から声が掛った。
『もう少し掘る?手伝おうか?』、アイボリーだ。
「いや、もう充分採れたからな。もうやめるよ。それにしても早いな。もう少し広めに振り分けた方が良かったか?」と額に滲んだ汗を手の甲で拭いつつ体を起こして答える。
『んん。ちょうどいい量だった。満足した。』掘るのは楽しかったようだがまだ味の想像ができていないのだろう、食べるのが好きなアイボリーには珍しく暗に飽きたとの返事が来た。
『でも籠まんぱんじゃないけどもうやめる?意外。重いなら持とうか?』
「いや大丈夫だ。重いからっていうのもあるけど。帰り道で魔物を狩った時やいいものがあった時に持って帰れない。幸運のチャンスをこぼさないようにっていう願掛けさ。」とニヤリと返すと
『収納できるからもうちょっと採ってもいいよ?』と純粋な言葉が返ってくる。純粋な優しさや故の言葉だ、が、狩りに出た日の願掛けなので今日は遠慮しとく事にした。
「ありがとう。だが陽もゆっくり下がってきているからな、そろそろ皆と集合しておこう。」
籠を持ち来た道へと向かいしばらく歩くと奥に手を振っている姿を見つけた。
俺の親友であるラッキーとキノアの2人だ。
「おっ。2人っきりでいちゃついてちゃんとたけのこ掘れたか?」とキノア。
「抜け目ないから大丈夫だろう。だが今日は俺達が一番の稼ぎだぞ!ほらこの癒し草の量をみろよ!」と籠を見せてくるのはラッキーだ。たけのこ5割、癒し草とキノコが4割と豊漁だったようだ。
俺も負けじと籠の中を見せる。
「ふっふっふっ。甘いな。これを見よ!量ではなく質なのだよ!質!」と大事に仕舞っていた甘やかし草をかかげる
「「女の子と遊んでて、そんないい物まで拾うなんてずるいぞ!よこせ!」」「女神さまのご加護だよ!やらん!」とふざけあっていると
『私も沢山取った。これが一番おいしそうなたけのこ。』とアイボリーも参戦してくる。
しばらく今日の成果や森の様子を話しあっていると奥の茂みを掻き分けながら歩いてくる音が聞こえて来た。足音は1人、重たい足取り恐らく教官であるグレイドだろう。
ガサッと大きな手が茂みから生えてくる。
「よぉ!どうだ?今年は豊作だな。すぐに籠が埋まっちまった。」と想像通りの声の持ち主が現れた。
「ん?まだ集合時間には余裕があるがみんな集合していると思ったんだがな。」
辺りを見回しこの場にいエイエ、マモダ、メラトトがいない事に違和感を感じたらしい。
確かにそうだ。慣れてないとはいえ掘れば掘るほど出てくるような状況なのにまだ戻ってない。
嫌な緊張が周囲の空気に走る。
そういえば変だ、今日はハイドスパイダーしかみていない。
その時、微かにどこか抜けた明るい声が聞こえて来た。
≪タスケテー、タスケテー、タスケテー、ココダヨー、ココダヨー≫
フワッ-とした霧のようなものがこちらへと向かってくる、救援魔法として普及している音届だ。
「急ぐぞ!2人ついてこい!他は後から荷物を持ってきてくれ!」とグレイドが走りだす。
一瞬目配せしあうが長年の中、すぐに決まった。
「弓を持ってるからツキトお前が行ってくれ、あと魔法使えるだろうからアイボリーちゃんも。」とキノア、女の子にはちゃんづけ、さすがである。
「わかった!適当に目印つけてくから後はたのむ!アイボリー!いくぞ!」
『ん!わかった!』
400m程走っただろうか、開けた場所が見えて来た。
「エイエ達は無事だな!だが動けんようだ!足をくじいたのかも知れん!足元に気をつけろ!」グレイドが指示を出したかと思った束の間動きを止めた。
「教官?なにが?」それに合わせて教官の横につきエイエ達のいる方を見て言葉が詰まる。
エイエ達がいる広場。
そこには大きな花があった。血のような禍々しい真っ赤な果実も付けた野イチゴみたいな大きな花。
あの花が生えている。つまり、その下には。
「ファーマム、ファームマムスパイダー、ハイドスパイダーの上位種。」
拙い文章ですが最後まで読んで頂きありがとうございます!
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また、読んで頂ける日を楽しみにしています!




