海の家…………ゲームの背景絵とかだと広く感じるけど実際に行くと割と狭い気がする。
灼熱の太陽に身を焼かれながら砂浜を歩く。 何しよ。
俺は海でやる事を知らない。 より正確に言えば、「知っていてもできない」
俺の知識は大半が2次元・ネット・書籍エトセトラから仕入れた情報だ。 実体験は割と少ない。
海でやることといえばヒロインとのイチャイチャイベントに磯釣り海の家でバイトスイカ割り……スイカ割りはやったな。 じゃあ後はなんだ? ナンパか?
だが俺は見ず知らずの人に声をかけれるコミュ力があるならたぶん友達いっぱい夢いっぱい。 おっぱいいっぱいウハウハハーレム僕(上も下も)元気な日常を送っている。
99.999999999999%冗談。 そこまで刻んだなら100%だと思うが、正確な100%は悪魔の証明なのでやらない。
何より、俺が3次元のXX染色体に興味は無いのは周知の事実として、海で女釣るより魚釣る方が好きだ。 その魚釣りも禁止されて出来ないのだが。 女も釣れない魚も釣れないとはつれないヤツめ。
磯釣りは当然、沖釣りも何かしらの感知能力が働いて悠ちゃんに気付かれる。 女の勘────いや違うな。 これは姉の勘だな。 従姉だけど。
勘。 直感とも言う。
それはどこで生まれるのか。 何処から来るものなのか分からない。
だが、確実と言っていいほど何かしらの痕跡を残す。
例えば、女の勘。 占い師もびっくりな的中率だ。 イヤホンとマジでなんで当たるん怖いわぁ……
例えば、なんとなくの感覚。 これは俺が多用してるやつやな。 気配察知がいい例。 あんなん明確に分かるわけないやろ。
これもなんとなくに入るが、虫の知らせといった直感。 嫌な予感はよく当たるやつ。 偶には良い予感も当たれ。
とまぁ大雑把に3種類だが、上と下の二つは言葉として残される程に有名なものだ。 残されるということは何かしらの信ぴょう性があるということ。 要するになんかそういうこと。 説明めんどくせぇな。
てな感じで、悠ちゃんの勘はよく当たる訳よ。 その的中率はテトロドトキシン以上。 意味が違う気がする。
じゃあ難破か? それはやる事じゃなくて結果だな。 というかわざと難破して死のうとするとか俺はカイドウか? 確かに俺の心の外殻は硬いけど。 でも中身はソフトなハート。 殻が硬いもの程中身は柔らかいってね。 むしろ中身が柔らかいからこそ殻は硬くなったと言える。
兎も角だ。
海でやる事が無くなった以上、俺は暇になった。 荷物を取りに戻って水族館にでも行くか? でもこの前行ったしな……いや、月1回は行きたいんだけどさ。
近くにゲームコーナーなんてものは無い。 あるのは海の家が数件。 後休憩所。
そうだ、休憩所ならテレビなりなんなり置いてあるかもしれない。 あーでもたぶん他に人いるよな。 相席とかご勘弁。
とりあえず今の持ち物を整理しよう。
水色パーカー×1
男物水着×1
防水財布×1
現ナマ 多少
私用スマホ(青)×1
仕事用スマホ(黒)×1
緊急用ポーチ×1 中身は秘密♡
サンダル×1
うーん貧弱すぎる装備だ。 こんなもん○ーノックですら引き返すわ。
全員の荷物が置いてあるパラソル下に戻ればまだ装備は潤沢になる。
でもさっきベル置いてきたしなぁ……待ち伏せされてたら困る。 困っちゃう。 目が回るわ。 独楽っちゃう。 身体も回ってんじゃん。 321GOシュート! 俺のエルドラゴは最強や! まぁやる相手居なかったから最強もクソもないんだけど。
ノーパソやタブレット、ポケットWiFiといった電化製品は全て初期位置のカバンの中だ。 今の俺に出来ることはスマホでソシャゲか動画を見るかブラウザ版エロゲをやる事だけ。 それと仕事用スマホに瑠姫さんからの電話で怯えること。
あ、それと海でイチャつくリア充を殺す怨念を送り付けたり撲殺したり死体を埋めたりやることいっぱいあるじゃん海って楽し。
そうと決まれば手頃なスコップを手に入れよう。 幸い水は近くにあるから返り血は落とせる。 まぁ返り血なんてそんなヘマはしないが。
あ、「返り血浴びて帰るビッチ」つって。 つっこむ人おらん! 誰もおらん。 ダレン・○ーランつって。 やかましいわ。
暇だからネタバレしまーす。 実はラスボスは虫です。 いつのモンハンのネタバレしとんのじゃ。 いやまぁ異色のモンスターではあったけど。
というか作者は4Gで時が止まってるくせにXシリーズのネタ出すとか頭おかしいんか。 ちなみに最新作をやってみた感想は「無理」だそうだ。 まぁ動きはめっちゃ複雑になったよね。 俺も4G大好き。 というか海の話しろよ。ここまで大体1500文字ちょいだけどほっとんど無関係な話してんぞ。
…………いやそれはいつも通りか。 だから4年目なのにまだ2ヶ月しか進んでねぇんだよ。 更新頻度上げろ作者。
閑話休題(作者は後程ボコる) え?
スコップを手に入れるため、近くの海の家に入る。 何件かあるし、どこか1つくらい売ってるだろ。
「らっしゃーい!」
どうやら俺の入った店は飲食系海の家だったらしい。 ハズレか。
「混んでるから相席になっちゃうかもけど、空いてる席好きに座っていいからちょっと待っててねー!」
「あ、はぁ」
目的のものが無いならと思ったが店員に見つかってしまった。 まぁなんか食いたかったし、ここで済ますか。
さっき俺を見つけた女性店員に警戒はしつつも住みの席に座る。 注文方法は券売機とか調理員に直接じゃなくて店員オーダー制なのか? 注文方法って間違えたら恥ずいよな。
注文を待つ。
……
…………
……………………
来ねぇ。
あ、もしかしてこれ店員さん呼ばないとアカンやつ? 人見知りコミュ障に酷な試練突きつけるねぇ。 帰ろうかな。 実際俺はものっそい帰りたい。
こういうのは「店員さんと話す」のが無理なんじゃないよの。 注文は問題なくできるの。 そこじゃないのよ。
問題は「店員さんを呼ぶ」ことこれね。
「今忙しそうだしもうちょっと後にしよう」
「もしかしたらあっちの方が気付いて聞きに来てくれるかもしれない」
「というかさっきから呼んでるのに一向に気付かないしもうこの水飲んで帰ろうかな」
とか考えちゃう訳よ。 わかる人には分かる。
念の為にメニューだけ確認して席で待つ。 じっと待つよ。 私待つわ。 後2~30分くらいは待つわ。 これ支払いどこですんの? 現金とクレジットは? 個人経営系は初めて行くと何もわからんから怖いけどその分ワクワクする。
まぁ今は我が家セ○スイハイムでもなんでもないのに帰りたい気持ちでいっぱい。 やっぱり泣きたいから帰るわ。 泣きたいから帰るって言葉便利かよ。 俺別にピンクの爆破リモコン持ってないけど。 いや資料用に持ってはいるな。 使いはしない。
今更だが、俺は別に持ってる18禁本見られてももうなんとも思わないけどそれ以上に見つかったら誤解されかねないものが山ほどあるんだなぁ俺の部屋。
えーと、全部資料用に買った前提だけど女性服女性下着男の挿れるやつ、女の挿れるやつ。 震えるやつらに封印するやつ。 女でも男化出来るやつにその他諸々……墓まで持ってくしかないな。 全部未使用だから勘弁してくれ。 いや俺女装趣味無いし。
というか俺のキャラの濃さで女装趣味なんて個性入れたら味濃すぎて高血圧になるわ。 ただでさえ「オタク・ぼっち・陰キャコミュ障人見知り・狂言回し・ロン毛・濃い隈・細マッチョ・師範代・イカれたヤバいやつetc」なんてキャラ属性ついてるってか多いな。 サッと出しただけでこれだけとか多すぎるわ。 既に血管破裂してんじゃねぇか。
「お兄さんお待たせ〜 待たせちゃって悪いね〜」
モノローグで時間稼ぎをしていたら店員さん来ちゃった。 に、2度も俺を見つけるとは……この人只者じゃない!
「あ、いえ」
そして冠詞を忘れない俺も只者じゃない! まぁこの場合は母音から始まってるからanが正しいけど。 いやそこじゃないしそもそもこれ冠詞じゃない。 只の人見知りだ。
「お兄さん初めてっしょ? 軽く説明するけど、ウチは注文とってから作り始めるからちょっと時間かかるよ。 ただ、注文毎に細かいオプションも出来るから苦手なものとか入ってたら言ってね。 一気に作る事もあるから、味変はテーブルの上にあるやつでセルフね。 支払いは帰る時にあそこのレジで。 食べ物届く時に伝票も置いていくからそれを渡してねって、ここら辺はファミレスと一緒か。 食べ終わったやつはテーブルの上置いておいていいから。 何か質問ある?」
「あ、ないです」
「そう? 注文決まってたら聞くけど」
「じゃあEXANDセット、たこ焼きで」
ちなみにEXANDセットとは、「餃子・チャーハンのBセット¥650」に300円追加でもう一品追加できるセットらしい。 さっきメニュー見て知った。
でもこの値段なら300円追加ってそれ普通に1品注文してるだけじゃね? ねぇ。 でも最低100円は安くなるのか……いややっぱり変わらねぇ。 だってチャーハンと餃子単品注文したら750円だもの。
つーかなんでコース名排他的論理和? 普通にEXセットとかでいいじゃん。 いやEXもどうかと思うけど。
「りょーうかい。飲み物はどうする?」
「あ、ならノンアルビールで」
「うん、じゃあちょっと待っててね」
ペンと伝票をしまって店員さんは厨房へと向かっていった。 緊張したー
あ、ちなみにノンアルビールだから未成年が飲んでも大丈夫だし酒ではないから一応未成年でも買えるぞ。 店側が自主規制で売らないだけで。 俺は…………まぁ大丈夫。 年齢不詳だから。 ノンアルだから。 休日なんだし飲みたいよ。
しかし……
右を見る。 左を見る。 席空いてる。 混んでるとは如何に。
一角がやけに賑わっているが、あそこにテレビか何かがあるのだろうか。 それにしては人の集まりと熱狂具合が凄まじいが。
というか男多っ。 9:1の割合で男多いな。 全体的に若い男が多い。 なんかのイベントか?
イベントには不参加の奏士くん。 今まで出席して不参加だった学校イベントは数知れず。 いやだって文化祭とかってみんな好き勝手にやり始めるからまとめ役も放棄するし俺に道具とか材料とか回ってこないし。 先生も放置するからやんなっちゃう。
遠足は…………うん。 バスの隣が居ないのは当然として、無理やり組まされた班員との会話に混ざれず孤立状態。 《孤独なる大宇宙》だ。
その時班長がこっそりと言っていた。
「へただなぁ……あいつ。 へたっぴさ。 会話の混ざり方がへた」
そして
「こいつは班員としてノーカン! ノーカン!」と。 絶対許さねぇ班長そして班員2人。 あいつら絶対チンチロで泣かす。 もう会うことは無いだろうけど。
でも次会ったら天の果て冥界底まで追い掛けてローキックかましてやる。 意志に対して行為が小さすぎる? 大丈夫だ俺のローキックは鎌の様に綺麗に足を刈り取る。 着いた異名は《死神の一薙》 はい厨二乙。 勿論今着けた名だ。 俺のイカレポンチ具合は今日も絶好調だな。
学校イベントには不参加多めな奏士くんもオタクイベントには出港する。 同人イベントとかライブとか。
同人イベントと聞くと一般人は「コミケ」と答えるだろう。 まぁぶっちゃけそれ以外のイベントってガチガチの専門みたいなところがあるから影は薄い。 行ってみると面白いんだけどね。 何事も初参加は冬お勧め。 人口密度やべーぞ。 まじでモノ売るってレベルじゃねえ。 宛ら飢饉だよね。
…………ご飯まだかなー
厨房の方を見ると何やら大慌て。 厨房に限らず店中の店員があくせくあくせくバタバタ大忙し。 海の家は夏が稼ぎ時だし夏以外閉まってるからやっぱり忙しいのかね。 ゲームとかによくある「みんなで海の家でアルバイト(キャピッ☆)」はやはり創作だけなんだな。 給料良くても海の家だけはバイト止めとこ。
まぁ社会不適合者の俺がバイトとかなんの冗談だって話だけどな。 金は今のやり方で稼げるから別にいいし別にネタに困ってるとかじゃないし……働く理由が気まぐれ以外無いなぁ。 気まぐれじゃなくて血迷いの可能性が高いけど。
それにしても毎度毎度俺の事を社会不適合不適合不適合…………俺は転生した魔王か何かか? 社会は散々合わせてやったんだからたまには社会が俺に適合しろよ非常識的に考えて。
…………まだかなー
もしかしてだけど注文忘れられてるとかそういうのってまさかだよね。 でもこの店ハンディ(ファミレスで店員がやってる手帳型機械)じゃなくてオーダー表みたいなメモ帳にペン書きだからなぁ……電子じゃない分渡し忘れとか紛失とかありそう。 ファミレスだって厨房の出力機でロール紙印刷してるのに、この店は紙渡すだけだし。
1度ファミレスで注文忘れくらって以来俺は毎回ドリンクバーを頼むようになった。 なぜならドリンクバーでなんか飲んどきゃ飯が来なくても店員が話しかけてくるから。 ドリンクバーだけで居座る客は面倒臭いからね。 ファミレスで勉強する学生諸君、飯も注文しろ。
…………まだかなー
えちょっと待ってほんとに忘れられてる? これ文字にすると2、30行程度だけど既に40分くらい経過してるからね。 食材足りなくなって買い出しに行ってるとか? もしくはコンロの故障で修理中? いやでもコンロって普通は最低2つか3つ。 普通の店なら4つくらい設置してあるよな。 客の数からしてそこまで注文が殺到してるとも────
「うぉぉぉぉぉぉ!?!」
「すげぇ5人抜きだ!」
「マジでどっかに隠してんじゃねぇのか!?」
…………奴らか。
聞き耳を立てると聞こえてくるのは驚愕と賞賛の声。 それと麺をすする音と器を積み上げる音。 状況から察するに、大食い大会でもやってやがるな? 店に入る時に張り紙は無かったから、店側主催じゃなくて客同士でやってるのか。 全く迷惑な。 俺に料理とビールが回ってこないじゃないか。 料理はいいからもうビールくれ。 せっかくの休日なんだから飲みたい。 俺の年齢問題とか不詳だから放置して飲みたい。
「それでもお前は学園生」だぁ? 世の中には学園生なのに普通に飲酒してるキャラも居るんだからセーフだ。学園生は高校生とは定義されてないからセーフだ。 まぁノンアルだし。
どんな奴が店の飯を一手に引き受けてるのかと思って近付いてみる。 顔だけでも覚えて帰る。 帰ってから『今後一切ラーメンが食えず中華そばになる』呪いをかける。
はいはいしつもーん!
Q.中華そばってラーメンとどう違うの?
A.ggrks
嘘嘘。 答えは呼び方だけです。 意味無い? 毎回中華そばって言うの面倒だぞ。 つまり何時もの嫌がらせ。 他人の嫌がることは進んでやるよう教えられたから問題無し。 教えたのは祖父です。
なお、中華麺は小麦粉から、蕎麦は蕎麦粉と小麦粉から出来ており、蕎麦で焼きそば作ろうとすると色々と面倒なので普通に焼きそば用中華麺を買いましょう。 蕎麦で作れないこともないが、失敗すると微かにソース香る油と水分ベチョベチョの何かが出来るので気をつけましょう。 作者は腹壊した。
人がゴミのよう、略して人ゴミを掻き分け────る度胸は無いし「おい邪魔だよ」とか言われたら萎縮しちゃうから隙間からひょこっと覗く。 はい、覗き犯!
いやー背が高くて助かった。 合ってるか知らんけど方言で言うなら助かっと。 ヨーロッパブドウ? それマスカット。 自傷行為? それリストカット。 俺が止めるでヤンス! それス○ニングカット。 略してスピカ。
ちなみにスピカ違いだが、スピカはおとめ座のα星。 恒星なのに星座の端、しかも一つだけ離れにある。 自ら輝いているのにぼっちって俺みたいだよね。 やっぱりビックなスターは輝く程距離があるものなのだよ。 まぁその代わり星もスターも輝いてるものは短命だけどな。 俺は残機残ってるしザンギも残ってるから問題無い。
唐突な行稼ゲフンゲフン、豆知識のコ〜ナ〜
ザンギとは? ふっふっふ…………教えてもらおうじゃないか。 説明側が知らない豆知識紹介終わりですね。
マジレスすると、ザンギは北海道風唐揚げ。 ちょい味濃いめで骨付き骨無し両方共ザンギと呼ぶのが特徴。 何故か知らんがドンキーのポテトは唐揚げじゃなくてザンギが付いてくるのも特徴。
閑話休題 もういっその事一番閑話休題を使う作品として誇ろうかな。 これからも閑話休題とはおんぶに抱っこそしてまた明日な関係でありたい。
いっそ作品名を閑話休題にすればいいんじゃなかろうか。 当初のタイトルは未定だったからくそ恥ずかしいタイトルつけてた作者に大爆笑。 24時間365日年中無休で黒歴史を作り続ける株式会社作者はこれからも苦しみの無い自殺方法を模索していく所存です。 墓まで持っていこうにも墓が無いからどうしようもないネ☆
閑話休題 早速使うその精神イかれてるね
ターゲット補足。 顔認証開始。 時と場合によってはジェノサイドモード完全解放する。 どんなくそ顔だ?
もし陽キャイケメンなら撃ち殺す。 チャラついたチンピラならポンパドール切り落として襟足を良い感じに切ってから轢き殺す。 普通の顔なら普通に殺す。 ヤーさんならゆるちてぴょん。
人垣の隙間から顔を確認する。 対戦相手らしき人は普通の巨漢だった。 普通の巨漢って何? たぶんラグビーやってる筋肉。
「…………?????」
話題の5人抜き大食らいの顔は分かった。 うん。
分かったんだけど…………
「…………ご馳走様」
「すっげぇ! これで6人全員に圧勝だ!」
「本当にこの量どこに入ってんだよ! しかもケロッとしてやがる!」
「…………分からんなぁ」
見覚えのある銀髪とリボン。 いつもと違うのは髪型くらいか。 白い肌と小柄ながら凹凸のある肢体。 纏う独特の雰囲気。 そして嫌な予感。
「…………次」
紅葉何やってんの?
「次はおいどんでごわす!」
「おおっ!? その声は5代目チャンピオンの高嶺ノ花じゃねぇか!」
「なんか出てきた」
いかにも力士らしい身体のちょんまげ、そして無駄に掘り深い顔。 1人だけ画風違くない? それと何その四股名。 親方ですか?
「…………似たようなのがまた」
「先までの連中と同じと思われるのは心外でごわす! おいどんは曲がりなりにもここ『山小屋』主催大食い大会のチャンピオン。 舐めてかかると痛い目を見るでごわす!」
この店そんな名前なん? …………うわマジだ。 海の家なのに店の名前が山小屋ってセンスバグってんのか。
「…………御託はいい。 早く席に着いて」
「…………成程。 その眼、自信に満ちている。 ならば、おいどんも礼を尽くして尋常に勝負するでごわす」
巨漢の高嶺ノ花が地響きが聞こえそうな動きで椅子に座る。 ほぼ椅子の外ですが。
「ルールを確認するでごわす。 勝負はラーメン3杯勝負。 この店のノーマルラーメンを3杯早く食べ終わった方の勝利でごわすな?」
それが本当なら紅葉は既に18杯のラーメン食ってるんですが。 なにこれ高度な自殺? 血糖値高そー
「…………敗者は勝者の分もお支払い。 それと、綺麗に食べなかったら、失格」
「確認よしでごわすな? それでは店主殿。 よろしく頼むでごわす」
高嶺ノ花……ああ毎回入力めんどくせぇ。 次から「どすこいフラワー」か「お花さん」って呼ぼう。
お花さんが厨房の方から「おうよ!」という声が聞こえた。 おっちゃんラーメン作るのは良いけど俺のEXANDセットは?
だが俺はそれを聞くのを止めた。 勝負に水刺すのもあれだし、話しかけるメンタルしてないし。 でもビールくらいくれないかな。 そろそろ食べ口グにレビュー星2つけちゃうぞ。
「はいよっ! ラーメン3杯お待ち!」
紅葉と名前忘れたけどどすこいさんの机にラーメンの器が3つ、2人分だから6つ置かれた。 2人とも箸を握ったぞ────
「それでは…………ファイっ!」
「「いただきます」」
2人が手を合わせた。
瞬間、それは起こった。
「…………ご馳走様でした」
「あいよっ、お粗末!」
お粗末! じゃねぇよおっさん。 俺の料理は? ねぇ。
「くっ……まさかここまでの力量差があるとは」
おいどすこい。 お前「くっ」じゃねぇよ。 力量差も何もただ紅葉の方が少し早く食べたってだけじゃねぇか。 見てた俺の感想言ってやろうか? 食事の観察だよ。 他人が普通にラーメン食ってる姿見せられただけだよ。 なにこれ常人には分からない高度なやり取りでもあったの? 高度ってか、程度は知れてるけどな。 飯来てないけど金払って帰ろうかな。
つーか、このギャラリーは何で盛り上がってたんだ? 紅葉が連続18杯────今は21杯か。 それだけの量食ったからか? それは確かに盛り上がる。 1戦だけじゃなくて連戦見ると確かに盛り上がるな。
「負けた……今日からお前がナンバーワンでごわす」
ごわすんは顔を伝う汗を拭うと、ニカッと笑って紅葉に手を差し出した。 勝負の後は握手で称え合ってか? それにしてもごわすんってなんかゲームに出てきそう。
「……別にいらない」
「え?」
紅葉のクーリッシュな返しに声を漏らすおいどん。 でも握手はするのね。
うんまぁたまたま入った海の家の大食いナンバーワンの称号くれるって言われてもねぇ…………あ、でもなんか俺はちょっと欲しい。 基本少食だから多分無理だけど。 年齢的にもドカ食いはキツいっす。 最近ラーメン1杯(麺量普通)でもだいぶクる。 こう、時間差で。
「……バイバイ」
そう言うと紅葉は手を合わせて「ごちそうさま」と呟いて席を立った。 ん? あれあいつ今チラッとこっち見た? 気のせいか。
なんてな多分絶対気付いてる。 俺の存在に気付いてる。 なぜなら「気のせい」は「確信」と同義語だから。 気の所為であってくれ。 リピートアフターミーしてもいい。 気の所為。 もう一度。 KINOSEI ローマ字とは変わってるね。 PCキー入力でシフトキャプスしたのかな? スマホでフリックだからワザとだな。 作者の意図が分からなすぎて怖い。
紅葉という賑わい柱が帰ったことでその場は解散になった。 これにて7名の巨漢は1人ラーメン6杯分のお会計を払うことになった。 ちな1杯550円。
俺も席に戻ってスマホを弄る。 あーなんで俺席に座ってるんだっけ…………ああ、そういや注文したんだった。
まだかなー
「あん?」
過去に投稿したネット小説を読み返して自殺方法を考えていると、トコトコと紅葉が何食わぬ顔で戻ってきた。 それはいいけどなんでお前と相席しなきゃならんのだ。
「何してんの?」
「……食休み」
「店の外で休めよ」
「…………」
俺の発言ガン無視で机にぐでーっとうつ伏せになる紅葉。 聞けよ。
「……お腹いっぱい」
「21杯もラーメン食って平然としてるお前怖いわ」
「……少しお腹ぽっこりしてる」
「そりゃようござんしたね」
やはりこいつの体内は異空間的な感じなんだろうか。 空間拡張的なやつ。
「…………」
「…………」
無言。 周囲の喧騒から隔離された静寂。
「…………」
でも俺にはスマホっていう逃げ道があるもんね。 自作小説読んでるから激しい自殺・殺人・破壊・崩壊衝動に駆り立てられるけど。
「…………(じ〜〜)」
「…………」
なんかすっごい見てくるんだけど。 なんかすっごい見てくるんだけど!
え何俺なんかした? セクハラはしてないしちゃんと3食与えてるし時々遊んであげてるし何もやらかした記憶は無い。 俺の記憶力差し引いても無い。
「……胸が大きいとこうして枕替わりにできるから便利」
「やめるんだモミキンマン。 俺のその話題に引きずり込むな」
「……意外と苦しい」
「黙れ」
さすがの俺も悠ちゃんならまだしも身内ですらない紅葉のそう言う話に巻き込まれるのはごめんだ。
とか言ってなんだけど、よく考えたら普段から「キャラの胸の大きさと形について」「パンチラの際見えるパンツの角度は何度か」「キャラ・絵師別3サイズ比較」とかそういう話してたわ。 でも本人目の前にしてやるセクハラ主人公のなる気は無い。 そういうのは適任がいるだろ。 不知火とか。
「…………意外」
「何が?」
紅葉の呟きについつい反応してしまった。 でも無視すると不機嫌になるからせざるを得ない。 難儀だ。 俺の作画担当は難儀だ。
「……ここの皆、私の身体をジロジロ見てきた」
「えっそれ系の話続ける気?」
さっきぶった切ったよね。 自分呪ってぶった切ったよね。 チョップしたよね。
「……外を歩いてる時も凄く見られた」
「聞けよ。 聞いて? いい子だから人の話聞こうか。 耳詰まってる?」
「……皆おっぱいとか見てきたけど、奏士は特に見ない」
「OK分かった俺の鼓膜破るわ」
破れた鼓膜は偶然通り掛かるであろう酒飲みの老人に頼もう。
「……奏士の場合は目も見ないけど」
「お前さては今とてつもなくご機嫌だな? 分かった5分だけ話聞くふりしてやるから黙れ」
「……さっきから奏士はうるさい」
「おっと止めどない殺意が」
「…………奏士はもしかして────不能?」
「まさか興味無い云々飛び越して障害を疑われるとは思わないよね」
あと散々三次元に興味無いつってるでしょうが。
「……興味無い?」
「無いです」
「……本当に?」
「本当本当」
「……NTRと比べるとどっちが興味有る?」
「0とマイナス比べられてもなぁ」
それ絶対興味(3次元の胸の方が)有るって言わせようとしたでしょ。
確かに、絵の参考だとか人間種っていう生物的な興味はあるけど性的な興味はなぁ……分からん。 少なくとも今は無い。
「……つまんない」
「お前さては食休み関係無く暇だから来ただろ」
「……ちょっと何言ってるか分からない」
「おいこっち向け。 俺の目を見て言え」
「……(ピュ〜)」
「ここは普通口笛吹けない流れじゃねぇの?」
「……そう言われても吹けるものは吹ける」
「なんだこいつ」
なんで紅葉が呆れ顔してんのか知らねぇけど全力で殴りたい。 心の底から純粋に。
でも奏士くんは殴らない。 フェミニストとかじゃなくて紅葉相手に殴りかかっても避けるか軽く受け止められてカウンター食らいそうだから。 奏士くんは危機管理できる男。 チキンとか言うな。 そんな周知の事実ならぬ羞恥の事実を今更言うな。
「お待たせ〜 ごめんねー待たせちゃって」
こんな話をしてる間に漸く、漸く飯が来た。 待ってたぜェ!! この瞬間をよォ!! ぶっこみの拓懐かしい。
※ 彼は当時連載で読んでいた訳では無いです。
「はい、これがEXANDセットと、こっちがノンアルコールビールね。 ジョッキもビールもキンキンに冷やしといたから」
あ、どうも。
って咄嗟に声に出せなかったから念を送ることにした。 なんか声出そうとしたらヒュって空気が通った。 これ本来なら紅葉の口笛パートでなるべき現象だよね。
「それと、これは待たせちゃったお詫び。 彼女さんと仲良く食べてね」
そう言って店員さんは伝票と一緒にホクホクのフライドポテイトゥを置いていった。 彼女って誰? もしかして俺の《見えざる恋人》に気付いて────無いか。 普通に紅葉を彼女と間違えただけだよな。 はーっはっはっはレビュー星1っと。
「……私が彼女?」
「だってさ。 訴状の準備は出来てるぞ」
「……それはそれでなんかムカつく」
「いや知らんし」
紅葉は放置して餃子に醤油をかける。 俺は直かけ派。
「……ストップ」
「何?」
紅葉が俺の手を掴む。 もしかしてなにか付着してた?
「……私お酢は入れない方が好き」
「何お前も食おうとしてんの? さっき21杯食っただろうが」
それ抜きにしてもこれ俺の飯。 お前にやる義理は無い。
「腹減ったならお前もなんか頼めよ。 俺より金持ってんだろ」
「…………お財布忘れた」
「何しに来たんだお前」
紅葉は「てへっ☆」って顔でタカろうとしてやがる。 顔殴んぞ。
もしかして。 もしかしてなんだが…………こいつさては財布忘れたから大食い大会に託つけてタダ飯食ってやがったな?
普段から我が家のエンゲル係数爆上げしてるこいつなら、量だけのチャレンジなら確実。 連戦式でも3~4人くらいは普通に抜けるだろうし、参加費必須とかなら諦めるか俺を呼び出して払わせる。 イカれてんのかこいつ。 親の顔が見てみたいわ。
でもウチみたいに特殊な家系とかだったらどうしよう。 親の顔は仕切り越しでねっ☆ きっち〜
「仕方ない……ポテトやるからこれ食って黙ってろ」
「…………♪」
紅葉はご機嫌でポテトを1本ずつカリカリカリカリ。 こいつの燃費の悪さはどうにかならんのかね。 絶対食べ放題には連れてかないようにしよう。 行くのも止めよう。 店潰れる。
俺も自分の飯を食う。 やっぱり環境もあるのか、味は今一つでも美味いな。
「…………」
「……あ?」
突然、紅葉がポテトをじっと見たかと思ったら腕を伸ばして差し出してきた。 食えってこと?
「いや、これはお前のだ(し食ったら何要求されるか分からん)から食べていいぞ」
「……今、奏士の心の声が聞こえた気がする」
「気の所為とちゃうん?」
それでも紅葉は引きません。 なんか注目されてるから早く戻れ。
「…………」
「……はぁ。 分かった降参だ」
諦めて(渋々)ポテトを1本受け取────
「…………(ヒョイッ)」
「なぜ避ける」
1本受け取────
「だからなぜ避ける」
「…………」
しかし紅葉は戻りません。 作者もしかしてこの昔話風のモノローグ便利とか思ってない?
「…………」
「…………」
俺が手を伸ばせば紅葉は避ける。 移動先を予測して逆の手を伸ばしてもそれを見切られて避ける。 それを繰り返していくうちに手の軌道は残像となって視認不可能となる。 ちょっ……疲れる。
「おい避けんな。 食わせたいのか食われたくないのかどっちだお前」
こちとら既に炎天下で体力持ってかれてんだよ。 これ以上体力使わせんな。 俺は元々別荘で扇風機の風と波の音を聞いて涼む予定だったんだよ。 夏は嫌いだ。
「……あーん」
「勘弁しろ」
こんな注目されてる中そんな小っ恥ずかしいことできるか! 俺は先に帰る! 死亡フラグ建築士の名は伊達じゃない。
「…………あーん」
更に身を乗り出す紅葉。 近いっす。
「…………あーん」
「あーもう分かった。 食うから一旦離れろ。 近ぇ」
紅葉の両肩を押して引かせる。 ポテトが眼球15cmまで迫ってきたぜ。 アッツアツのヤツが。
「…………あーん」
「…………」
問答無用でポテトゥプレゼントをしてくる紅葉。 俺の黒歴史を増やすとは策士め。
ゆっくり食うのもあれだからと残像を出して即食って即戻る。 ポテトの半分くらい食った。 食ったって言えるのか?
「…………」
紅葉は俺の行動にジト目で返事して、手に持ったポテトの残りをじっと見る。 あ、食った。 それはくれないんだ……
「…………あー」
とか思ってたら目を閉じて口を開けた。 何? 唐突なサービス? 編集で白い修正入れればいいの?
「…………あー」
このままこいつ放置したらどうなるんだろうか。 なんかヤバい輩に絡まれそう。
「…………あーん」
あ、自分も食べさせて欲しかったのね。 絶対ヤダ。
でも俺の飯で紅葉にあげられるものってなんかあるか? 炒飯はダメ。 というか餃子と一緒に食うから絶対あげない。 あ、たこ焼きがあった。
「お前もしかしてたこ焼き(6個入り)1つとポテト1本(の半分)が等価交換だと思ってる?」
「…………? 美少女のあーんは、それだけで国家予算」
「国家舐めんな」
お前のあーんなんてせいぜい学年予算程度だ。 あれそれ結構あるよね。 実際は1部残るから最後の方は謎の豪華仕様になる。
「…………早く」
そう言って再び口を開ける紅葉。 こいつの口に焼き石ぶち込みてぇ。
「…………はいよ」
なんだかんだ言って甘いのは俺の弱さなのかねぇ……これ毎回言ってるな。 つまり改善の余地無し。 諦めよう。 何より作画担当は気分屋です。
「…………♪」
ハフハフと熱々のたこ焼きを食べる紅葉。 美味いか? 等価交換不成立の強奪たこ焼きは美味いか? お?
「…………♪」
上機嫌な紅葉は再びポテットゥスをもぐもぐ。 なんか春日感あるポテトだこと。
そんな紅葉を余所に、俺はキンキンに冷えたビールをジョッキに注ぐ。 なんかとてつもなく罪を犯してる気分。 これが平日なら重罪だ。
「……ビール?」
「ノンアルだけどな」
ビールが満々と入ったジョッキを紅葉の鼻に近づける。
「…………お酒の匂いがしない」
「さすがに酒は飲まん」
酒は基本的に飲まんしな。 料理に使うか、ちょいと味を確かめる程度。 バーテンダーの資格とかバリスタの資格とかとってみようかしら。 幸か不幸か、酒も珈琲も入れ慣れてる。 主に3人のダメ大人のお陰で。
「…………苦い?」
「そりゃノンアルでも味はビールだからな」
珈琲でもなんでも、苦味ってのはどれだけ摂取しても慣れない。 だからこそ珈琲は味の違いが分かるしビールは美味い。 海で泳いだと後ならもっと美味いんだろうな。 俺は今日入ってないが。
「気になるなら飲んでみるか?」
「…………良いの?」
「まだ瓶に残ってるからな。 紙コップ貰ってくるから待ってろ」
そう言って俺が立った瞬間、紅葉は俺の飲みかけジョッキを手に取ってチロっと舌を入れた。
「…………苦い゛」
「人の飲みかけに口つけんな」
紅葉の手からジョッキを取り返す。 俺回し飲みとかアウトなんだけど。 口つけたのはここら辺か?
一応指布巾でジョッキを1周して拭く。 んもー
「……これならワインの方がいい」
「ワインはビールとは別物だけどな」
さすがにアルコール入り炭酸抜きフ○ンタと麦ジュースを比べられてはどうしようもない。 アルコール入り炭酸抜きフ○ンタって長いな。 略してアルコール抜きフ○ンタにしよう。 それフ○ンタじゃんね。
どうでもいいけど、ファンタに限らずメロンソーダ系の売ってなさは異常。 俺はチ○リオ大好き。
紅葉は苦味が引いたのか、再びポテトを食べる。 俺はそれを見ながらビールを煽る。 アルコール入っていようが無かろうが、酔うことは無いが少し物足りなく感じる。 やっぱり酒は酔わないより酔う方がいいね。 俺の年齢? 野暮なことは言うもんじゃないぜ。 年齢不詳だからセーフだ。
「…………♪」
上機嫌の紅葉を見ながらもう一杯のビールを注ぐ。 傍から見れば良くてビール飲んでる不審者と餌付けされてる銀髪の美少女。 悪くてP活か誘拐だよなぁ……紅葉弁護してくれなさそうだし、今のうちにポリスメンには即刻土下座の方針で行こう。
…………あれ、そういやなんで俺は紅葉と飯食ってんだ?
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「あっしたー!」
店を出る。 レビューも忘れない。
「じゃあな」
「…………」
「離せ」
紅葉ちゃん凄い力よ。 ご飯食べてチャージ完了したのは分かるけど離して下さいまし。 じゃないと警備員呼ぶよ! その場合俺がドナドナされちゃう。 万事休すか……こここ紅茶でも飲んで落ち着こうか。 落ち着き方が優雅すぎる。 急須で淹れるやつにしろや。 私緑茶よりも紅茶派ですわ! 俺は麦茶派。 急須ですらないパックと水! 薬缶じゃないんかい。
「…………どこ行くの?」
「俺は用事がある。 離せ」
「……質問に答えて」
「答える義務は無い。 構って欲しいなら同じ構ってちゃんのベルがパラソルの下に居るはずだから遊んでもらえ」
「…………」
「おいなんだその目は」
「…………愚か者」
「なんで今罵られたのか分かんねぇけど離せ」
紅葉は「こいつ仕方ない奴だな」みたいな目をしている。 ムカつく。
「……私1人だけだとナンパされるから、ちょっと一緒に来て」
「いや俺忙しいんで。 勘弁してくださいほんとマジで」
たとえ紅葉が気分屋の作画担当だろうと原画担当の俺が原稿を上げなきゃ作画は仕事が無いのだよ! つまり俺の心と身体の癒しが最優先。 僕今日は非番なのー! 作者も非番の日は絶対に電話出ない。 かけてくる相手はだいたい企業からだけど。
「…………往生際の悪い」
「ぐふっ!」
鎖骨下を突かれた。 くっそ痛いんだけどもしかして殺る気か? いいさそっちがその気ならとことん相手してやる! 弁護士を挟んで勝負だ!
「…………これで良し」
「おい引っ張んな」
紅葉は俺のパーカーの首根っこを掴んで引っ張る。 そこら辺伸びると面倒だから離せ。 せめて手とか掴んで引っ張れ。 手は関節外れてもはめ直せるから。
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「…………ただいま」
「んお? なんだ花伝────と奏士。 腕なんか組んでデートか?」
「肘決められてるんだけど?」
「んなっ!? ソージ! 私の誘いは断っておいてクレハとデートデスカ! モテ男になったつもりデスカ!」
「おっと話を理解してないバカがいるようだな」
「…………ちょっと苦しい」
「どうした、腹をさすって。 少しポコっとしてるが」
「…………(ラーメン)いっぱい(食べすぎた)。 (奏士にたこ焼きを)口に入れられた」
「おい端折るな。 悪意を感じるぞ」
「なーっ!!? ソージ!! ワタシに手を出さないくせにクレハにはもう出したデスカ! そんなにロリ巨乳が好みデスカ!」
「理解できないバカは黙れ。 二度と相手してやらねぇぞ」
「……ベル。 さっきのはちょっとした冗談。 矛を収めて」
「仕方ないデス……ここはソージからのディープキス3回で手を打つデス」
「理解できないだけじゃなく言語機能もヤバいのか?」
「……奏士も煽らない」
「おっと元凶。 そう言うならお前がどうにかしろ」
「…………面倒」
「さぁソージ! ワタシの準備は出来てるデス! 今ここで上の口に舌を入れるなり下の口に舌を入れるなりしてくれて構わないデsふべっ!?」
「よし黙った。 じゃ、紅葉も送り届けたから俺は戻るぞ」
「そうだ奏士。 後2~3時間で別荘に行くから、泉と莇を見つけたらこの事を伝えておいてくれ」
「見つかったらなー」
悠ちゃんにはそう返事をして踵を返す。 ベルが復活しないうちに去るが正解。
なんかこう、一人一人散らばった場所から元の場所に届けるって運搬クエストみたい。 そろそろ謎の障害が出てきそう。
…………なんかどっと疲れた。 今日はアニメ見たら即寝よう。
後書きじゃいっ!
という訳で復活の再臨・作者です。
季節外れの海回から季節が追いついて海回という圧倒的遅さで時期を合わせる高等テクニックを披露したところで、皆さん海で何をしてましたか? 私はカニとじゃんけんをしたり近海の主に片腕食いちぎられたりしてました。 ジャンケン成績は379戦379敗です。 なんでかって? 片腕食いちぎられたからです。
「俺はパーを出したぞ」なんつってw
バルタン星人にも負けそうな勢いですが、バルタン星人は実質グーパンなので勝ちです。
「頭はパーになったぞ」なんつってw
失礼。 はしゃぎすぎました。
この前までGWでしたけど、皆さん満喫しましたか?
そうですか満喫出来ましたか許さん。
私はGW初めから最後まで、頭のてっぺんから足の先まで体調不良でほぼ寝たきりでした。 なんか気温変化やばかったですよね。 暑かったのに寒くなって暑くなって……金属疲労でも狙ってるんですかね。
体調を崩して寝たきりといっても、身体のリズムは健在のようで夕方以降は割と元気だったので、そのタイミングで小説を書いていたのですが気がつけば投稿日前日……なので文章がおかしくてもそれは体調不良のせいです。 というか今も寒気ヤバいです。 天才の私は風邪なんて引かないはずなのに…………あ、この前引いたばっかでした。
なにか書きたいことありましたが忘れたのでこれまでにします。 次回でようやく一日目が終わる────かもしれません。多分。 きっと。 恐らく。




