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輪廻のFate Line  作者: 怪人アホ面男
8章ってことは、これが8番目ってことなんですよ。 つまり前に7つあるという意味
83/133

斬撃飛ばして空を割ろう。 スカイ割りだ。

写真を撮った(強制)らスイカ割りだー


「という訳でここは柳流を」


「いや如月流一択だ」


「だからどちらもやりませんって」


現在ルール決めで揉めております。 モミモミしております。


「危険云々なら安心しろ。 柳流はスイカを割らん」


「じゃあ何を割る気ですか貴方」


「脳天」


「1回その柳流とやらで頭かち割って診てもらった方がいいんじゃないですか?」


莇、全否定。 柳流は飛散するスイカを無駄にしない精神の元、スイカではなく相手を倒すスイカ割り。 詳しいルールはまた後で。


「だから言っただろう。 如月流なら安心安全だと」


「……ルールの詳細」


「棒でもなんでもいいから獲物持って、目隠しする」


「別に至って普通のルールデス」


「ここまではな。 で、目隠しした後は地形・環境・音を頼りにサポート無しで向かい────海でイチャつくリア充の頭に全力で振り下ろす」


「理事長も先輩同様頭かち割って診てもらった方がいいんじゃないですかね」


おおっと頼金選手辛辣の一言。 俺と悠ちゃんを一緒にするな。


「さすが従姉弟というかなんというか……」


「……奏士の祖先は頭がおかしい」


「別ルールなのに両方とも結果同じなのどういう原理デス……」


「あの……スイカ割りは平和に……」


皆さんご満足いただけたない様子。 解せぬ。


「どうするよ。 代々伝わる伝統ルールって言ったら問答無用の苧環おだまきルール、殺戮のかつらルールくらいしか無いぞ」


「それと比較的安全なさかきルールもな」


「なんでこんな負の遺産を代々伝えてるデス……」


「……先祖が先祖なら子孫も子孫」


「頭おかしいんじゃ無いですかね先輩の家」


「普通のルールでやりましょうよ……」


皆様ご不満の様子。 そんなにワガママばっか言うならもうお母さん知らないからねっ! 誰がママだよ。 私です。 我が手足を見よ!


「仕方ない。 今回は安全第一で通常ルールでやってやるとするか」


「『私は大人だから譲歩した』感出してますけど、何も譲ってませんからね正規ルートに戻っただけですからね」


莇、悠ちゃんにえげつない正論による大ダメージ。 大人属性を持つ悠ちゃんに正論属性を持つ言葉は属性相性により1.5倍のダメージだ。 逆なら0.8倍のダメージ。 ダメージ補正がモンスター列伝。


「じゃあスイカ設置するデース!」


ベルがスイカとミニブルーシートを持って離れる。 これからあのスイカが爆・殺☆されるのか……


「先輩先輩」


と、ベルが何か不正をしないか見張っていたら頼金が話しかけてきた。 何? 俺今忙しいんだけど。


目標スイカまでの正確な距離と太陽の角度波の音砂浜の地形を目測で把握してルート計算してるところだから。 俺の忙しい史上初のマジな忙しさかもしれない。


「私にはスイカが3つあるように見えるんですけど、なんで2つは黒い布纏ってるんですかね」


「その話を俺にされても」


異性からされる猥談はどう対応すれば訴えられないのか分からないからやめて欲しい。 身内を除いて。 あれは猥談以前に深刻な相談だから……


「しっかし、見事に揺れてますね……やっぱりあれですかね、血の違いですかね」


「俺は何も言わん」


「先輩的にどうですか? やっぱり胸は大きい方が好みですかね」


「もう一度言う。 俺はなんも言わん」


「あーはいはいわっかりました。 先輩は怪乳好きですね」


「何をどう読み取ったらそういう結果になるんだ」


「ピタゴラスの定理によって導き出されました」


「さすがの俺も解説を頼む」


「ではしっかりと説明するので鼻の穴掻っ穿ってよぉーく見てください」


「同じ言語とは言わないからせめて地球の言葉で話せ」


「では最初にスイカをみじん切りにします」


「3分クッキング始まってるけど」


「掻っ穿ってよく見てるので『3分ルッキング』ですねw」


「は?」


「は?」


「準備OKデース!」


そうこうしている内にスイカ割りの準備が整ったらしい。 さーてどのダーリンの頭をかち割ってやろうか。


「先方は誰だ?」


「私は後で構いません」


「わ、私も3番くらいで……」


「……様子見」


すっごいだーれもやろうとしない。 まぁスイカ割りに完全乗り気なのベル1人だったし。


「ここはやはりベルにやらせよう」


そしてスイカを見事割ってもらって俺はサボる。 よく考えなくても炎天下つらたん。 影が恋しい。


ベルを呼んで木刀を握らせ、タオルを結んでで目隠しして準備完了。


「あぁ……ソージの目隠し拘束プレイデス」


「黙れ」


1人興奮してるベルをこのまま海に沈めたい。スイカ割りの誘導に託けて海へとGOGO。


「頼金、開催の宣言を頼む」


「任されました!」


悠ちゃんから託された頼金はエアマイクを持って息を吸う。 もしかして鼓膜破るレベルの声出さないよね。


「いざ、スタートッ!!」


あよかった普通だ。


「では先輩、ベル先輩をぐるぐるっと回してきてください」


「俺ェ?」


嫌そうな顔しながら反応すると、頼金はどうでもいいといった感じでため息をつく。


「そういうのいいですから」


「……はいよ」


渋々ベルの元に向かう。 嫌だなぁ……絶対めんどくせぇよ。


「じゃあ回すぞー」


「輪姦す!? ソージはハジメテなのにワタシを取り囲んでやる気デスカ!」


「ねぇもうこいつ沈めていいよな?」


「いいから回せ」


悠ちゃんが辛辣すぎて泣いた。 俺ちゃんマジギレ5秒前どころか既にブチギレ5秒後よ? 抑えてる俺の理性と精神を賛美するべし。


「せーの……はっ!」


「あばばばばばばっ!」


じっくりやるのも嫌だしもう帰りたいし泣きたいから一気に回す。 サイクロンだ。


「世界は巡るデス……」


ベルがフラフラと目を回しながら呟いた。 お前ってもしかしてアルカナで言う世界だったりする?


「ではお嬢様ー 最初はまっすぐです」


「ま、まっす、ぐ……ライド……」


「マッス違いだ」


「そうだー バレンタイン、そのまままっすぐ止まるんじゃねぇぞ」


「団長いつの間に」


「……あんよが上手」


「煽るな」


「あ、ベルさんちょっと左です」


「ベルせんぱーい。 こっちですよー」


「え? え? えっと……右行って左向いて……」


目隠しのベルは木刀を持ったままあっちこっちフラフラ。 それを見てベルの正面に出て声を出す頼金と紅葉。


「ソージー! スイカはどっちデース!?」


「お前の正面にあるからそのまま走っていけー」


「正面デスカー? わかったデース!」


ベルは木刀を構えて砂の上を走り出す。 その先が海だと知らずに。


「ソージー? なんか足元が冷たいデース!」


「気にすんなー 悠ちゃんが水鉄砲で濡らしてるだけだからー」


「いや私は何も「気にすんなー」おい」


ベルはまだまだ止まりません。


「ソージー! これ水鉄砲の水量じゃ無いデース!」


「気にすんなー 紅葉がバケツで濡らしてるだけだからー」


「……私、何もやってな「気にすんなー」…………」


ベルはまだまだ止まりません。 なんか昔話みたいになってきたな。


「ソージー!? 口にしょっぱい水が入ったデース!」


「気にすんなー 頼金がお前に尿飲プレイしてるだけだからー」


「いやそれはさすがに気にするデス!」


「セクハラで訴えますよ先輩」


頼金からの有難い(?)ボディーブローを頂いたところでベルがタオルを取る。


「うわなにこれ!? なんでワタシ海に入ってるデス!?」


「……首まで浸かってるのに気付かないのはさすがにどうかと思う」


ベルちゃんおバカキャラなのは知ってるけどそこまで知能が低いとは思わなかった。 さすがのダチョウでも水に浸かってたら気付くだろ。


ザブザブと水をかけ分けてベルが戻ってくる。 今のベルは傍から見れば「木刀片手に海を渡る少女」だから怪しさ半端ない。


「全く……ワタシと海に入って遊びたいならそう言うデスよソージ」


「お前将来絶対に翻訳系の仕事に就くな」


誤訳曲解甚だしい。 こんなのが翻訳した本とか低評価不可避だろ。


「それは『俺の元に永久就職しろ』って解釈で良いデスか?」


「良くないですよ?」


こいつほんまマジで墓の下に永久就職してくんねぇかな。 そして二度と目覚めるな。


「はいはいイチャイチャはそこまでにして次行きますよ先輩」


「お前記者辞めろ」


頼金こいつも状況判断能力は無いみたいだ。 こんなのが書く記事とか民衆扇動の罪で焼き土下座in真夏の砂浜の刑に処すレベル。 焼き土下座の時点で夏の暑さとか誤差の範囲だって指摘は見ざる聞かざる許されざる。 猿1匹逃げたな。


「理事長、これは判定的にどうなのですか?」


「うーむ……場外! よって次!」


「そんなぁ!?」


審判役の悠ちゃんから失格の判定が出たことで、ベルは一振もすることなく終わった。 騙されて濡れただけで終わるってどうなんだそれは。 騙したの俺だけど。


「次鋒、花伝!」


「……参る」


ベルから獲物とタオルを受け取った紅葉は、腰を落として木刀を背中の鞘に納刀する様に右手で斜めに構え、左手は木刀の切先を掴んで鞘走りの代わりにしている。


「ルール忘れて技の挙動とってるとこ悪いが、回るのが先だぞ」


「…………忘れてない」


「忘れてた奴の間じゃん」


俺は紅葉もぐーるぐーると回し、紅葉は今から繰り出すであろう技のポーズをとって準備完了。 どうしよう、凄く嫌な予感がする。


「OKだぞ頼金」


「了解しました…………それでは、スターットっ!」


頼金が合図した瞬間、踏み込んだ紅葉が一気にスイカまでの距離を詰める。 もうこれ絶対あれだよね。


「早っ!?」


その声は誰の声だったか。 その時、既に紅葉は振り下ろしのモーションに入っていた。 ほらもうこれヤバいやつじゃん。


「……迅雷」


「えちょ待っ」


紅葉の呟きが聞こえた瞬間、俺の予想は的中して止めようとしたが1歩間に合わなかった。木刀の切先が解き放たれ、押さえつけられた反動によりさらに威力が増した木刀が紅葉の馬鹿力と合わさって凄まじい衝撃となった。 要するに、砂浜の砂が舞い上がる威力で叩きつけられたってこと。


「「「「「…………」」」」」


全員が唖然としている。 俺は頭痛がしてきた。最近しなくなったのに。


紅葉の振るう木刀の風圧で砂埃が払われる。 そこに見えたのは、スイカの直ぐ傍、距離にして凡そ50センチ隣の砂浜を穿っていた。


「……外した」


「『……外した』じゃねーよ」


タオルを取った紅葉は「無念」とばかりにこちらへ歩いてくる。 俺は胃も痛くなってきた。


「やりすぎだバカタレ」


紅葉の顔を掴んで力を込める。 ほらもう紅葉が急にこんなことするから野次馬が集まってきた。


「ほえー……これ、実際に食らったらどのくらいのダメージなんですかね」


「間違いなく骨は逝くな」


「というか、あの威力でよくスイカが無事でしたね」


「本当に爆殺するかと思ったデス」


「そんなことよりひ、人が……」


顔の描かれないモブがわらわらと集まってくる。 見せもんじゃねーぞ。


「すいませーん。 これなんの騒ぎですかー?」


人垣をかき分けて監視員が現れちゃった。 すんません連れがご迷惑を。 紅葉が腹切ってお詫びするんで許してくだちい。


「えっと、実はかくかくしかじか鯨偶蹄目シカ科……」


「なるほど、スイカ割りをしていただけ、と」


クソふざけた説明で理解してくれた監視員に感謝。 まさに感謝in。


「今回は見逃しますけど、周囲の人に迷惑をかけないようにしてくださいね。 幸い、怪我人は出ていませんので」


「ごめんなさい」


「……ごめんなさい」


保護者の俺と原因の紅葉が頭を下げると、監視員の兄ちゃんは集まった野次馬を片付けて去っていった。 有能かよ。


ところでこれ本来頭を下げるべきは俺じゃなくて正規責任者のも助なんだけどなぁ? あのボケナスどこ行った。


しかし誰かのために頭を下げるのは大人の仕事なのだ。 賢い俺は黙って受け入れよう後で覚えてろクソが。 声には出さないけど内心罵詈雑言の嵐こそ大人だと思うんだよね俺。 たぶん接客業経験者は同じだと思う。 みんな毎日クソ客と雇用主に対する不満から生まれる満面の笑みで接客だぜ。


「おう奏士、どうだった」


皆の所に戻ると悠ちゃんが聞いてきた。 もっと言えばも助亡き今責任者お前だからなロリガキ。


「問題無い」


「……そうか」


これ以上何も言わない俺の意図を察したのか、悠ちゃんはそれ以上聞いてこなかった。 それが正解だ。


「じゃ、整地して次行くぞー」


「「「おー!」」」


「……おー」


「お、おー」


ノリがいい人達だ。


そうと決まれば、ササッとクレーターを直して泉ちゃんに木刀を握らせて目隠しをする。


「な、何も見えません……」


タオルを結ぶと、泉ちゃんはビクッと肩を震わせる。 なんかとんでもなくいけないことしてる気分。


「えっと……スイカはどこですか?」


「イズミー! まずは前に歩くデース!」


「その後11時の方にスイカがあるぞー」


「具体的には11時45分の時の単身の方向です」


「……そのまま3.8m先」


「皆さん指示が鬼畜すぎませんか?」


「えっと……だとしたらこのまま左に寄って5歩……」


「あ、それで分かっちゃうんだ……」


頼金が少し引いている。 個性メガマックスな登場キャラの中では平凡というか個性が無いとも言える泉ちゃんだが、伊達に多才なアホに付き合えた訳じゃない。


…………あれ、今ルビ変じゃなかった? なんか「アホ」って見えたんだけど。


話を戻すが、泉ちゃんは突出した才能も特技も無い。


が、その分「才能の無駄遣い」と呼ばれる柳一族の前当主ジジイ現当主ワイが甘やかした。 ベッタベタに甘やかした。


その結果、俺やおじいたまが身につけてる無駄技能を幾つか習得した。 本当に無駄で、いつ使うのか分からない技術を。


良く言えば魔改造。 悪く言えば回帰不可能な改悪を施された泉ちゃんは、言わば俺の下位互換ではあるが似たような事ができるようになった。 もう泉ちゃんの才能は吸収速度でいいんじゃないかな。


てな訳で、泉ちゃんにとって視覚の有無は差程問題無かったりする。 まぁ、強いて弱点を言うなら────


「あ、イズミー! 行き過ぎデース!」


「足元に貝殻ありますから左に避けてくださーい!」


「おーいそっちじゃないぞー」


「泉ちゃんこっちー」


「……木刀構えて徘徊は危険」


「えっ? …………えっ!? あ、あれっ?」


弱点を言うなら、精度がまだ甘い事と、本人のメンタル硬度が滑石タルク未満であること。 冷静もしくは危機回避状態ならその技術を遺憾無く発揮するのに、少しでも乱れると全てが瓦解するのだ。


「えっと……たぶんここ、かな…………えいっ!」


泉ちゃんが振り下ろした木刀は、スイカを避ける様な軌道でブルーシートへと吸い込まれた。 惜しい。


「あ〜泉ちゃんおっし〜!」


「後1歩と言ったところでしたね」


「……頑張った」


全員が泉ちゃんをべた褒めってほとでもないが、もうめっちゃ褒める。 まぁ実際惜しかったし、俺も炎天下じゃないなら褒めてるかもね。あっつい。


「おっし次は誰だ?」


「俺と莇は男だし、当たれば最低でも何かしらの変化があるし、最後にするとして……悠ちゃんか頼金のどっちかだな」


「え、私もやって良いんですか?」


「もうこの際だ。 亡きも助の代わりにお前に託す」


「あれ、あいつ死んだのか?」


「後で殺すから一緒だろ」


「なんかこの2人すっごい物騒な会話してるんですけど!?」


「まぁそれはいつもの事デス」


「私の周囲では高確率で発生する会話ですし、今更気にすることも無いでしょう」


「……殺害計画が身近……」


「えっと……はは」


おっと泉ちゃんですらカバーしきれなくなっているみたいだ。 まぁあの顧問は後で埋めるとして、次は頼金か。


「ほらよ。 カメラとか持つか?」


「あ、じゃあお願いします。 写真は見ちゃ駄目ですよ?」


「こんなパンドラの箱開けたくねぇ」


頼金から立派なカメラを受け取って代わりに道具を渡す。 俺も前にノリと勢いと賢者の石でカメラ一式を買ったから分かる高い奴やん。


なんか俺の周囲だけ重力ヤバない? もしかして100○マウンテンに踏み入れた? このまま猿王ハードラックダンスってタマキン持って帰りたい。 帰りたい割に強欲過ぎる。行く道帰り道に困難が多すぎる。


まぁ困難なんぼあってもいいですからね。 上昇志向強いタイプの少年だ。 俺とは大違いだな。


まぁ俺は上昇志向もそれ以外も全てをそこに置いてきたし。 海賊王じゃなくて下位族ohつって。 俺のクラスカーストが最下位だとか言った奴ここに連れて来い。 「よく分かってるじゃないか」と褒めてやる。 俺の拳とフレンチキスの義務もプレゼントしてやる。 チークキスでも可。 威力は据え置きだが。


「よっしゃぁ準備完了です!」


頼金の準備が完了したらしい。 どーでもいーけどスク水が2人も居るのって状況的にヤバいな。 特に悠ちゃんの違和感の無さがヤバい。


「奏士、サイクロンのマキシマムドライブだ。 回せ」


「俺別に探偵でもデータでもなんでもないんだけど」


後サイクロンのマキシマムドライブは回るのは使用者の俺だ。


「頼金、今から回すために肩に触れるぞ。 セクハラで訴えるなよ?」


「そこは触り方次第です」


この後輩怖いんだけど。 つーかもうめんどくさいから自分で回ってくんね?


「はいいーち、にーい、さーンダルフォン」


「なんで天使入れたんだお前」


「しー、ごー、ろー……賽」


「なんで3の倍数毎に変なの入れてんだ? 世界のナベアツでも目指してんのか?」


「世界のナベアツとか今の奴に通じないぞ」


悠ちゃんのツッコミをいなしつつ頼金をぐーるぐるぐるグルコサミン。 俺は世田谷じゃなくて千代田育ちだが。 やっぱりオタクを育成するならアキバだよね。


いいなー アキバ行きたい。 生徒会だのなんだので纏まった休みが取れなかったから最近行ってないなぁ……行きたいなぁ……生徒会も原稿もあいつらの世話も何も無い一日が欲しい。


「おっとと……先輩もう回すのはいいんじゃないですか?」


考え事しながら手だけ動かしていたから、頼金を思ったより回してたみたいだ。 めっちゃフラフラしてる。 フラ、フラフラフラメンコ。 俺! それだと俺=フラメンコとかいう頭悪い式が出来上がってますがな。 なんかフラメンコに人生かけてる人みたい。 人生かけられるほど夢中になれるものがあるのは良い事だ。


「それでは……開始ィ!」


頼金の代わりに悠ちゃんが開始の宣言をした。 腕組み仁王立ちとかいう威圧感あるポーズなのにスク水&見た目ロリがやってるからそんなのは皆無。 逆に微笑ましくなる。 頭とかなでなでしたくなる。 さすがに従姉弟相手にそんなことはしないが。


「お? おお? おおお?」


頼金は1歩、また1歩と踏み出すが、まだフラフラと千鳥足だからあっちこっちそっちどっちとスイカとの距離が縮まらない。


「皆さんナビお願いしますー スイカはどこですかー?」


「チサトー! 後ろ、後ろデース!」


「具体的には人が首を回せる角度の限界の辺りです」


「……そしてそのままムーンウォークで3.4メートル」


「ち、千聖さん……もう少し左、です」


「あのすいません。 私そんな人外のぶっ壊れスキル持ってないんで普通に案内してもらっていいですか? 後本来のムーンウォークってその場から殆ど動きませんよね?」


「……そうなの?」


紅葉が横の俺に聞いてきた。


「あー、つまりはかくかくしかじか生え変わりって事だ」


「は?」


紅葉はアホを見る目で見てくる。 ダークサイド紅葉ちゃん。


「要するに、マイケルがやってる様な後ろに滑る動きは『バックスライド』と言って、『ムーンウォーク』は月面を歩くが如くゆっくりとした動きで移動する技法の事だ。 又は、バックスライドの動きで回転する動きのことを言う」


※ 諸説あるかもしんない。 まぁ数多くの意見があるしね。 バックスライド含めてあれもムーンウォークだって言う人もいるし。 つまり全てはちゃんと定めなかった製作者が悪い。


ということを説明したらちゃんと理解してくれたらしい。 この情報が間違っていようと全てはちゃんと調べなかった作者が悪いのでクレーム対応はできかねます。 これで完璧。


俺の祖父は生前こう言った。『罪と責任は擦り付けるもの。 なんのために仲間が居るんじゃ』と。 その後婆ちゃんにフルボッコにされていたからたぶん冗談。 でもあの爺さん普通にドクズだからなぁ……こうして孫の俺もドクズになったとさ。遺伝子遺伝子。


「やーっ!」


頼金が木刀を振るった。 が、やはりスカ。 スイカに当たりはしたが、先端が掠っただけで傷は浅いぞしっかりしろ! なんでスイカの心配してんだ俺。



「はぁーっ!」


悠ちゃんミス。 ミス悠ちゃんだ。


「なんか私の番だけ短すぎないか?」


「気のせいじゃね?」


決して、作者が書くのダルがったとかじゃない。


そして次。 男二人の番だ。


「どっち先やる?」


「私は後で結構です」


「俺も最後で満足。 お前先割ってこいよ」


「貴方サボる気でしょう」


「ちょっとギクッとしますよ」


「なぜ注射みたいなこと言ってるのかは分かりませんが」


さてどうするか。 やはり男の力なら当たればスイカ程度砕ける。 そして基本ハイスペックな俺は位置感知なんて朝飯前だし、莇も無駄な能力を持っているかもしれない。 というか、外す事は無いだろう。


つまり、この順番次第で俺のサボりは決定する。 まぁ万一に備えて逃げる準備はしておこう。 目隠ししてる時に何されるかわからんし知りたくもない。


「なら、いっそ二人同時にやるか?」


「……そうですね。 いっそそうしますか」


「なんですと」


なるほどね。 運搬クエストみたいに道が謎の力で封鎖されるのは何もゲームに限った話じゃないんだ。 クソが。


「だが、木刀もタオルもこれしかない。 奏士の分をどうするか」


「俺は木刀使えないの確定してんの?」


この木刀俺の私物なのに。 買った場所は秘密。 洞爺湖って書いてあるけど秘密。


「……奏士なら、手刀でもあるいは」


「紅葉、お前の俺に対する謎の信頼は今必要無い」


あと俺も手刀は無理。 痛いじゃん。


「じゃあ……手刀が無理なら股間の刀でやるデス?」


「手以上に無理だろ」


絵面的にも倫理的にもアウトだろ。 主人公失格の俺でも人間失格になる気は無い。


「じゃあもうそこら辺の棒でいいだろ」


「最初からそうしろ」


悠ちゃんが棒を拾いに行きましたとさ。 めでたしめでたし?


「じゃあソージ、目隠しするデス」


「お前にやられるのは危険だから自分でやる」


「何言ってるデス! ソージがやったらどんなイカサマするか分からないデス!」


「信用ねー」


当たり前だけど。


「……キツくないデース?」


「あーキツくない」


「じゃあ回すデース」


そう言ってベルは背中にぴっとりくっついて来た。 色々当たってるけど一先ず言えることは暑い。


「はいいーち、にート、さーンタクロース」


「2の倍数対応世界のナベアツかよ」


クルクル回るよ奏士くん。 こんなおもちゃ誰も買わねぇ。


次回、スイカ割り最終回『血の汗と涙と後悔と懺悔と転がる死体とアズカバンの囚人』お楽しみに。 言い訳すると時間なかったのよ。

醤油ちゅるちゅる


追記


話の更新確認してみたらなんか電波悪くて反応遅れています。 もしかしたら反映まで時間かかるかもしれません。

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