熱出して欠出して皆勤賞サヨナラだ!(現在夏休みです)
七日目
とうとう最後の日です。 あれだけ言っておきながら昨日まで何もしていません。 しかも昨日はとても迷惑をかけてしまいました。 奏士さんは「気にするな」と言ってくれますが、どうしても色々考えてしまいます。
本当に……色々……
「っ〜〜!」
昨日のことを思い出したら急に顔が熱くなりました。 なんだか身体も熱いです。
あの時はちょっとハイテンションだったからって思い切りすぎました。 ほっぺですけど私が……奏士さんに……
ダメです。 また顔が熱いです。 奏士さんに見せられません。
心做しか、少しクラクラしてきました。 恥ずかしすぎて熱が回ってしまったのでしょうか。
しかし、そんなこと言ってる暇はありません。 お母さんが帰ってくるのが今夜。 それまでに何としても奏士さんのお役に立たなくては!
そうと決まればお布団から出て着替えましょう。 お姉ちゃんのお洋服を借りるのも今日で最後です。 どれも着た痕跡が無い謎が残ります。
「おっとと……」
お布団から出た時に躓いてしまいました。 気が緩んでる証拠です。 もっと気を引き締めなくては。
「……よしっ!」
お洋服よし。 前髪も寝癖も大丈夫。 笑顔……
「……うぅ」
鏡の前で練習してみたけど、少し変になっちゃった。 笑うのが苦手って訳じゃないけど、やっぱり意識すると辺になってしまいます。
自分で言うのもあれですが、私はどちらかと言うと感情が分かりやすくて大人しい方です。 思ったことが素直に顔に出ちゃうけど、それを人に向かって伝えるのは苦手な意味で。
お姉ちゃんは学園長というトップの立場故か、仕事中は表面に出しませんが生徒会の皆さん、特に奏士さんと居る時は完全に素です。 とても表に出して、口でも言います。
奏士さんは良くも悪くも表に出しません。 口ではっきりと言うことも、表情の変化としても。
代わりに、奏士さんは時々態度に出ます。 その証拠に、口ではベルさんに容赦ないツッコミや素っ気ない態度を取りつつも、本気100%で嫌っている訳ではありません。
……いえ、割と本気で嫌っていますし結構な頻度でゴミを見るような目で見たりしていますが、それでもちょっとだけ楽しそうにしている時があります。 ベルさんのめげない猛攻が、奏士さんの(2次元的な意味で)穴だらけな鉄壁の城塞を崩しつつあるということでしょうか。 そうだとしたら嬉しい半面、私では力及ばない事に悔しい半面です。
そういえば、以前お姉ちゃんと奏士さんから
「「もうちょっとこう、色々表に出さないと。 ストレスとか感情とか溜めるのは良くないぞ。 溜めるのは力と税金の支払い位で良い」」
と言われました。 最後のは兎も角、そう言った奏士さんとお姉ちゃんはどこか憂鬱そうな顔をしていました。 私はまだ働いていないので、税金の事は学校で習う事くらいしか知りませんが、やはり大変なようです。
そしてお2人は更に
「「表に出す方法が分からないなら、それが得意そうな人を参考にすればいい。 あ、こいつだけは参考にするなよ? あ?」」
と言ってガンの飛ばし合いを始めました。 身長差があり過ぎるのと、お姉ちゃんが童顔で奏士さんが大人びた顔立ちなのでお外でやったら即通報からの奏士さんのみ連行されそうな構図でした。 その後、何故かお姉ちゃんが奏士さんに背中を踏まれていましたが、あれは多分四つん這いで圧マッサージを受けていただけです。 お姉ちゃんのM疑惑とかでは無いはずです。
それを思い出して、鏡の前で笑顔の練習を続けます。 お友達と居る時は普通にできるのに、奏士さんの前だと少し恥ずかしいです。 やっぱり年上の異性だからでしょうか。
それから少し時間は過ぎた頃。
「……あっ」
鏡に写った壁の時計に気が付いて振り返ると、針は既に10時を回っていました。 起きてからかなりの時間が経過しています。
いつもなら、まだ起きてこない人を奏士さんが呼びに行くらしいですが、夏休みということもあってさすがの奏士さんも寝ているのか、それとも私だけ忘れられたのか今日は来ていません。
まさか、私が練習に気付かず見られていた、なんてことは無いと思います。 あったら恥ずかしくて奏士さんのお顔を見れません。
それでも、はっきりとした時間を知ってしまうと体内時計というのは正常に戻るようで、お腹が鳴ってしまいました。 ご飯です。 起きてからお水と秘密の牛乳以外口にしていません。
「……あれっ」
空腹のせいか、妙にクラクラします。 先程から身体が熱いです。 これは以前、テレビでやっていた自食再活という現象でしょうか。 お腹が減りすぎると、身体が自分を食べてエネルギーを作り出すと言う奴です。 どうやら自分でも知らない内に私はお腹ペコペコみたいです。
そうと分かったら早く食卓へと向かいましょう。 奏士さんの美味しいご飯を皆さんで囲んで食べます。
奏士さんが以前、「基本三欲、特に食事は本質が出る」と言っていました。
普段無口でクールな紅葉さんは、食べる時は子供のように目を光らせて美味しそうに食べます。 量も凄いです。
いつでも元気溌剌でムードメーカーなベルさんは、食事中でも皆さんに話題を振って場を盛り上げてくれます。 それで食べ方が汚いとかそういうことはなく、所作は丁寧ですし、ご飯粒1つ残さず、周囲を無駄に汚すことなく綺麗に食べます。
莇さんは基本無言で淡々と食べています。 時々会話に入るとこはありますが、基本無言です。 最初は、楽しくない・口に合わないのかと思いましたがそういう訳ではなく、元来食事は無言派だと仰っていました。 なんでも、「潜入・追跡中は気付かれるといけないから」だそうです。 何を追っていたのかは誰も聞きませんでした。
ただ、それを聞いた奏士さんと紅葉さんは無関心を装いつつも興味津々といった感じでした。
奏士さんは────食べるのがとても早いです。 食べ方は綺麗なのですが、咀嚼も飲み込むのもお箸を動かすのも早いです。 以上です。
いえ、本当に奏士さんはそれくらいしか無いです。 毎回必ず最短距離で最大限の効率で食べ物を口に入れている辺り、凡そ食事を『楽しむもの』とは捉えてないのかもしれません。
でも、食べ終わっても奏士さんは本当に忙しい日以外は皆が食べ終わるまで食卓に残っています。 毎回食事に合わせた食後のお茶を飲んでいます。
奏士さんは無自覚でしょうが、きっと心の中では「まだ楽しい空間に居たい」と思っているんだと思います。
なんて言いましたが、私が見たのはこの1週間のみなのでなんとも言えません。 ただ、皆さん本当に仲がいいのだと思いました。 私はなんだか少し出遅れた気分です。
おっと、こんなことしている場合ではありません。 もう食卓に到着しました。 お部屋からダイニングまでやけに距離があった気がします。
「……あれ?」
テーブルの上を見ても、お料理は1つも置いてありません。 もしかして下げられたのかと思いましたが、そもそも昨日の夕ご飯以降使われた形跡がありません。 奏士さんお寝坊説が立証されかけています。
ですが、少し奇妙です。
私の調べ(聞いた話)によると、奏士さんは毎朝誰よりも早く起きて洗濯・鍛錬を済ませた後は朝ご飯を作る前に愛読(?)している茨城新聞の朝刊を読む習慣があります。 朝刊ですけど習慣があります。
そして読み終わった新聞は必ずリビングの『最新の新聞』ラックにセットする奏士さんが、テーブルの上に朝刊を放置したままにすることなんて有り得ません。 奏士さんは妙な拘りがありますけど決めたことは最後までやる人です。 そんな奏士さんが放置なんて……
いえ、まだ置いたのが奏士さんとは限りません。 例えば、莇さんは奏士さんと同じくらいの時間に起きて早朝ランニングや道場で鍛錬をしているそうですし、莇さんがランニングから帰宅して、ポストに入っていた朝刊を発見してここに置いた可能性もあります。 紅葉さんとベルさんは────失礼ですが、奏士さんに毎朝起こしてもらっているので無いと思います。
置いたのが奏士さんでも莇さんでも、何れにしろ奏士さんの身に何かが起きているのは確かです。
そう思い、ぼーっとする頭を抑えつつ奏士さんのお部屋へと向かいました。
まず軽く2回ノックをします。 返事はありません。
3回ノックをします。 返事はありません。
「……そ、奏士……さん。 泉です。 お、起きてます……か?」
直接声で呼び掛けても返事はありません。 もしかしたら屍かもしれません。
もし中で倒れて応答できない状況だったらと思い、お部屋の襖の引き手に指をかけて開けようとしました。
……が、上手く力が入りません。
「……あ、あれ……」
もしかしたら襖に良く似た別のタイプのドアなのかと思って前に押したり後ろに引いたり、更には横スライドでも左右逆なのではと思って思いっきり柱に向かって押してみました。
「……ビクともしない……」
こうも開かないと、奏士さんが私を拒絶して中に入れてくれないのかもしれないと思い始めてきました。 心ではそんなことは無いと思っていても、今の私の頭は制御不能です。
「……ふ……ふぇ……」
少しだけ目が熱くなってきました。 涙です。 止めようと思っていても、悲しくなくても何故か止まりません。
『……誰だよこんな朝っぱらから……こちとら締切でやべぇってのによ……』
中から少しくぐもった声が聞こえると、今まで開かなかった奏士さんのお部屋の襖がスーッと開いて不機嫌そうな奏士さんが現れました。
奏士さんは濃くなったクマと充血した眼、それともフラフラな身体を携えて現れました。 どうしましょう、多分ですけど私より体調不良ですこの人。
「あ…………」
奏士さんの顔を見た瞬間、一気に安堵感でいっぱいになってより涙が止まらなくなってしまいました。
「奏士さん……」
「ん……えちょっ、なんで泣いてん? なんで泣いとん? なんばしとっと?」
「なんで……奏士さん鹿児島弁なんですか……」
他にも大阪弁や岡山弁が混じっている。 奏士さんは茨城大好きの郷土愛に溢れた(その割に見せてないですが)人ですが、方言は浮気しまくりです。
「えっ、ちょっ、まじで、落ち着け俺。 落ち着いて現在時刻を確認するんだ。 成程10時過ぎかおいマジかよ」
奏士さんは私の両肩を掴みながら大慌て。 行動でわかる慌てっぷりじゃなくて、言語が変わったりセルフツッコミする辺りが奏士さんらしいというかなんというか。
「……よし、とりあえず中入って。 向かいの部屋紅葉だから色々とマズイ」
そう言いながら奏士さんは私をお部屋に入れて襖を占め、遮音用なのか何やら可愛らしい女の子の絵が描かれたカーテンを閉めた。
「えっと……とりあえずな? 落ち着いて、そこに座って」
「……はい」
奏士さんのお部屋は障子を貫通して朝日が差し込んではいるものの、電気は点いておらず、パソコンの周囲だけが明るかった。
奏士さんは私が落ち着くまで待つつもりの様で、何やら作業をしていたであろう手を完全に止め、身体も私の方を向いて無言で私の事を見ていた。 正直、充血&クマありなので眼力がとても凄かった。
「ひっく……ひっく……」
「えーとえーと……」
奏士さんは辺りをキョロキョロ見渡しながらまるで安全確認のように何も無いところを指差すと、私をそっと抱き寄せてポンポンと優しく頭を撫でてきた。
「大丈夫、大丈夫。 泉ちゃんは大丈夫」
それは器用で不器用な奏士さんが、かつて泣いていた私を落ち着かせるためにとった行動と同じだった。 変わらないなぁ……
私が落ち着いてくると、奏士さんは口を開いた。 勿論、離れている。
「えっと……単刀直入に聞くけど、何がどうしてああなったの?」
「えっと……寧ろ私が教えて欲しいくらい、です」
「そうかー」
奏士さんは諦めたように天井を見た。 重政はさっきから私の膝の傍で寄り添ってくれている。
「なんかない? その……そうなる直前の心境とか」
「そうなる直前……」
未だぼんやりする頭を回転させて思い出す。 えっとその前は……
「……奏士さん、のお部屋の襖が開かなくて…………それでまた会えなくなったと思ったら……さみ、しくて……」
自分で思い出そうと口にする度に全身が熱くなっていくのを感じた。 今の私はもはや真っ赤な人型の何かになっているのではないだろうか。
「あのあのっ! けして目が覚めたら最初に見たいとかそういうことではなくてですねっ!」
「うおおおう。 分かってるから一旦落ち着こうか。 はい深呼吸してー」
「はっ、はい! す〜〜っ」
「はいゆっくり吐いて〜〜……貴方は誰ですか〜?」
「えっ!? えっとえっと……私です!」
「えっと……誰?」
「あっ、間違えました……たわしです!」
「成程だいぶ動揺していますね。 お薬出しときますね」
そう言って奏士先生は重政にアイコンタクトで何かを伝えると、重政は私のお膝の上に乗って来て丸まりました。 白大福です。
「当院限定のシゲマサンN-Kです。 撫でると落ち着きます。 だから落ち着こ、ね?」
言われるがままに重政の背中をそっと撫でると、猫の毛並みと体温が凄く伝わってきて、さっきまでの動揺だとか色々な感情が嘘のように流れて消えた。 アニマルセラピー凄いです。 シゲマサンN-Kという新物質は早く臨床試験を通過して正式認定されるべきです。
「まぁ……うん……そうか……」
私が重政を撫でている間、奏士さんは何やら考え事をしています。 腕を組んで天を仰いだり、かと思えば微動だにしなくなったり。
そして覚悟を決めたような顔で私を見たかと思うと、そっと近付いてきました。
「ふぇっ!? あっ、あの!?」
「悪い泉ちゃん。 少しだけ我慢な」
奏士さんの手が私の頬に触れました。 今度は私が微糖だにしません。 正確には動けません。
「ふむ……ふむ……」
そのまま両手で頬に触れてきたかと思うと、首元を触ったり背中に手を回して来たりもう何がなんやら。
「うん……やっぱり…………ちょいと失礼」
そう言うと、奏士さんは顔を近づけてきました。 キスですか? キスですか!?
確かにファーストキスをあげるなら奏士さんみたいな人がいいと思ったことはありますけど、まさか奏士さん本人に貰われるなんて────
でも、本心ちょっと喜んでる自分が居ます。 違います、私は奏士さんと恋人になりたいんじゃなくて、何時までも仲良く暮らしたいだけです。
でも奏士さんから求めているなら……
そう自分に言い訳して覚悟を決めました。 そして────
「……うん、熱あるな」
「……へ?」
奏士さんはおでことおでこを触れさせて確認したら直ぐに離れました。 検温……
そう……検温だったんですか……
「念の為に体温計で熱測っときな。 俺は後ろ向いてるから」
そう言いながら奏士さんは脇に挟むタイプの体温計を渡してくれました。 検温……
「終わったら体温計くれ」
そう言って奏士さんは後ろを向きましたが────
「……あの、もう大丈夫です」
「え、もう測定終わったの? 俺ん家の体温計そんな最新鋭だったか……?」
「いえ、あのそういう事じゃなくて……」
そう言おうとしたら奏士さんに体温計を取られてしまいました。 当然、まだスイッチを入れただけなのでエラーです。
「どれどれ…………成程Hね……なるほどなるほど……」
体温計を確認した奏士さんは即座に体温計を投げ捨てると、即座にスマホで119番に電話をかけようとしました。
「なっ、何してるんですか奏士さん!」
それを見た私は反射的に奏士さんの腕に抱きついてその操作を止めようとしました。
「ダメだ泉ちゃん! Hってことは体温計の上限42℃を超えたって意味だ! さすがの俺もそんな高熱の人を放っては置けない!」
「違います! 大病とかそういうのじゃ無いですから! ただ一瞬限度に達しちゃっただけですから!」
「嘘だ! 普通の風邪なら42℃以上の体温になることはまず無い!」
「違いますから! 風邪でも無いですから! その証拠に私元気じゃないですか!」
「…………」
私がそう言うと奏士さんは信じられないものを見る目で私を見てきました。 えっと……何かおかしなところありましたか?
「泉ちゃん気付いてないのか? あのな……」
そう言いながら奏士さんは机の引き出しからコンパクトな折鏡を取り出して、私に見せてきました。
そこに映っていたのは────
「泉ちゃん、さっきからずっと顔赤いしフラフラしてるし目の焦点があってないぞ」
万全とは思えない私の姿でした。
「……きゅぅ」
それを見た瞬間、私は脳が誤魔化していた身体の限界が来たのか、意識を失った。
「えちょっ、泉ちゃん? 泉ちゃん? ……OKOK。 I don’t like IBARAGI」
薄れゆく意識の中で、奏士さんの意味不明な冷静法が聞こえた。
─────────────────────────
「ええもう本当にすんません。 はい、明日の午前11時までには原稿出しますんで……はい。 え、『10時じゃないと時間と予定の都合で無理?』 いやいやそこはこう、編集者が頑張って────はい生意気言いましたすんません。 絶対に明日の10時までに出します。 はい」
「…………んっ……」
あれからどれくらい経過しただろう。 障子を突き破る光は既に消え、代わりにLEDの明かりが照らしていた。
「はい、絶対に出しますんで。 え、『1秒でも間に合わなかったら非売品の色紙とフィギュアへし折って消し炭に変える?』 またまたご冗談を。 あ、本気……ちょっと待って俺まd────切れた」
目が覚めて真っ先に目に入ったのは、スマホに土下座しながら誰かと電話する奏士さんだった。 何をしているんでしょうか。 見たい見たくないなら圧倒的記憶から消したいです。
「くそっ……あの性悪売れ残りめ……だから未だ独り身なんだよ……」
私がまだ寝ていると思っているの個、奏士さんからガチめの愚痴が出ました。 でも、奏士さんも同じ人間だって思えてなんだか安心しました。
「……ん、あ起きた? 体調はどう?」
「はい、よく寝たからか体調はもう────」
大丈夫、と言いかけて起き上がろうとした時、あるとこに気が付いて動きが止まる私。 私がさっきまであったものが無い。
「あの……この服は一体……」
なんということでしょう。
寝る前はお姉ちゃんお下がりの部屋着だったのに、目覚めたら白いサイズ違いのTシャツとハーフパンツという全くの別物に変わっていました。
「ああ……それは────」
奏士が遠くを見ながら教えてくれました。 もしかして奏士さんが私の────
「途中で乱にゅお見舞い……お見舞い? まぁ多分お見舞いなんだろうなぁ……まぁとにかく、紅葉とベルが来たんだよ」
まさかの匠はコンビでした。
「そんでさ、泉ちゃんの汗が凄いから拭いて着替えさせようとしたら2人が『私たちがやるから奏士は出てけ』言われて、正直任せたくなかったけど異性の俺がやるならマシかなって思ったんだけど……うん、まぁ多分何もされなかったと思う」
匠、稀に見る暴走です。 放送事故ですか?
「Tシャツに『目覚めのキッス募集中』って書いてあるのは気にするな。 ベルのチョイスだ」
匠の粋な計らいです。 白雪姫の原典寄りじゃなくて本当に良かったと思います。
「ちゃんと着替えは紅葉に見張らせた────と言っても2人とも主犯格だから確定はできないけど、多分大丈夫だ」
「あ、はい……」
全く安心できない反応でした。 奏士さんはその間何をしていたんでしょうか。
また汗をかいたのか、布団に入っていると熱くなってきたので少し涼もうと身動ぎした瞬間、白いタオルがポトリと落ちました。 これは……
「……濡れタオル?」
「あ、それね。 冷えピタ系切らしてて、買いに行く暇無かったから濡れタオルで代用させてもらった」
「これは一体……」
「それは俺。 さすがにあの2人にやらせたら雑になりそうだし、どうせ俺の部屋で俺の布団で寝かせてるし」
奏士さんに言われて今やっと気付きました。 私、奏士さんがいつも使ってるお布団で寝ちゃってます。
そう理解したらまた顔が熱くなってきました。 風邪じゃなくて本当になにかの病気だったりして……
「あの……私はなんで倒れて……」
「うーん……多分だけど、昨日色々あったでしょ? 急展開だったし、それで疲れが出て熱出ちゃったのかもしんね」
「これって病院とかは……」
「一応連れていこうと思ったんだけど、泉ちゃん意識失ったままだし、連れては行ってない。 救急車呼ぼうと思ったんだけど、その前に泉ちゃんの処置してる間にあの2人が来たから……」
「な、なるほどです」
「ちなみに、枕元にある大量のお守りとフルーツバスケットは取り乱した莇から」
「あ、そうなんですね……うわっ」
言われて枕元を見ると、百近くのお守りと大きなカゴに入った山盛りのフルーツが。 このお守り、一体何処で……
「なんか……知らんけど……泉ちゃんが倒れたと聞いた瞬間に消えたと思ったら30分後に戻ってきてそれら置いてった」
「そ、そうですか」
あまりにも凄すぎて、「このお守りの量、喧嘩しないかなぁ……」とかどうでもいいことを考えてしまった。 それにしても色んな種類のお守りがあるな〜
「えっと……安産祈願に安全運転、絶対合格と金運縁結び……あの、これ無病息災だけ無いのはどんな意味が……」
「なんか知らんけど、『無病息災嘘くさい!』とか意味わかんないこと叫んでた。 多分気が動転してたんだろ」
「は、はぁ……」
苦笑いしかできません。 可愛い見た目のお守りから高そうなお守り、なんだか凄そうなお守りまであるのに肝心の病気関係が無いのは逆に何かの呪詛を感じます。
「うん、意識も応答もはっきりしてる。 熱計ってみて、大丈夫そうなら今夜は安静にして、明日家まで送っていくから」
「は、はい! どうもご迷惑をおかけしました」
「いやいや、これくらいの迷惑なら寧ろあいつらの方が何倍もやらかしてるから大丈夫……」
発言の途中から徐々にフェードアウトしていく奏士さん。 きっと辛い過去があったのでしょう。 ツッコミ過多という。
「……測れました」
「何度?」
「えっと……37.2℃です」
「微熱、か……じゃあこのまま布団に入って安静に。 汗拭くとか着替えたかったらあの2人────いや、ベルを呼べば手伝ってくれるから」
「何から何まで……ごめんなさい」
「謝る必要なんてねぇよ。 保護者として当たり前だし、何より俺が謝ることだ」
「でもっ!」
「はいはい、じゃあお互いに悪かったでファイナルアンサーね。 これ以上は無し。 OK?」
「お、OK、です」
「お粥作ってくる」と言って奏士さんは部屋を出ていった。 また奏士さんに押し切られちゃった……これくらいで熱を出す私の弱い身体が悪いのに、奏士さんに責任取らせちゃった。
奏士さんは良くも悪くも他人に甘い。 それは寛容などではなく、最初から期待せず、いくつもの失敗パターンを予測して対策しているから。
さっき私が倒れた時も、「慌て」の中に絶対的「冷静さ」を感じた。 それは、「落ち着いて見ているから」じゃなくて、「予想の範囲内」だからこその落ち着きだった。
本当の意味で予想外だったのは私が涙を流したことだと思う。 あればかりは、あの時の対応だけは奏士さんの予想外故の対応だったと思う。
私は、あの時奏士さんにどうして欲しかったのか分からない。 迷惑をかけたことをしっかりと責めて欲しかったのか、奏士さんがいつもみたいに有耶無耶にしてくれるのを待っていたのか。
もしかしたら、両方かもしれない。 本気で怒ると怖いから、軽く怒られて、それでもう終わり。 そんな展開を望んだのかもしれない。 今思えば、私が何をしても奏士さんは決して怒らない。 いつも「いいよいいよ」と有耶無耶になって消えちゃう。
暫く考えて唸ってみたけど、これといった答えは出てこない。 散々唸って出てきた
「…………はぁ。 奏士さんにとって、私ってどういう立ち位置なのかなぁ……」
この呟きだけだった。
「俺がどうしたって?」
「ピャッ!?」
声のした方を振り向くと、土鍋をお盆に乗せた奏士さんが立っていた。 もしかして聞かれて────
「なっ、なっ、なっ、……あん、え奏士さんがこごにっ……」
「いや俺の部屋だし」
「そうでしたっ!」
奏士さんは怪訝そうな顔をしながらもお盆を私の傍に置いた。
「はい、卵粥と、生姜入りはちみつレモン」
奏士さんが蓋を開けると、湯気が晴れた先には美味しそうな卵粥と暖かいはちみつレモンが。
「あ、ありがとうございます」
奏士さんからお盆と木製スプーンを受け取ろうとした直前、奏士さんの動きがピタリと止まりました。
「あー 一応聞くけど、スプーン持って自分で食べれそう?」
「あ、はいそれくらいなら────」
そう言おうとした瞬間、私の脳内に再び天使と悪魔が降臨しました。
「これはチャンスだよ! 今なら合法でアーンをしてもらえるから行くしかないよ!」
そ、そうだよね悪魔さん。
「待ちなさい!」
「そ、その声は!」
天使さんが現れました。 この前は悪魔寄りになってごめんね。
「これに乗じて色々お願いするのよ!」
天使さんは堕天使さんになっていました。 ごめんね天使さん前回のせいで。
「い、色々……」
「そうだよ! アーンに留まらず汗を拭いてもらったりお着替えを手伝ってもらったり……添い寝だって」
「「!!!」」
「……悪くないでしょ?」
「……悪くない」
ごめんなさい奏士さん。 どうやら私の天使はもう存在しないみたいです。
「えっと……やっぱり少し疲れが出てきたので、その〜〜た、食べさせ目貰っても……」
「やっぱり?」
「いえなんでもないです! やっぱり自分で食べますから!」
「いやそこは別にいいんだけどさ」
「へ?」
そう言うと、奏士さんはお粥を掬って息を吹きかけて少し冷ましてから
「はい、アーン」
「あ、あああ」
私が口を半開きで固まっている。 奏士さんはお粥を差し出して停止している。 時が止まった世界のように。
「? アーン」
「……はっ! あ、ああ……あーん……」
恐る恐る1口。 懐かしくて優しい味。
「どう? 熱くない?」
「だ、大丈夫……です」
少し熱いけど、これは暖かい熱さ。 どこかで食べたような……
「これ、もしかして昔お爺ちゃんが作ってくれた……」
「半分正解。 あれが残したレシピをそっくりそのまま使っております。 まぁ腕は多少落ちるが気にするな。 どうせプロ級な事に変わりは無いからから」
「す、凄い自身ですね……」
「こんくらいの自身でやんなきゃあのジジイの腕超は無理」
「まぁくたばってるからどっちにしろ無理だけど」と奏士さんは付け足した。 私のごく一般的な舌では違いなんて分からないくらい美味しい。
「ん……もうちょっと水の量と卵を……」
奏士さんはさっき私が口付けたスプーンで1口食べて確認している。 私が! 口付けた! スプーンで!
「あ、あっあっ……あのっ」
「あ、もう1口? はい、アーン」
「い、いえあのっ」
奏士さんがスプーンを差し出してくれるけど私の視線は奏士さんがさっき口を付けた場所にだけいっている。 これかっ……間接キッ……
「はい、冷めるで」
「あ、あうう……」
奏士さんが全く気にしてない事について間接キスが嫌にならない事を喜ぶべきか異性として見られてない事を落ち込むべきか。 奏士さんは身内でも絶対に回し飲みNGだから気にされてないのは嬉しいこと……なのかな?
「い、いただき……ます」
「お、おおう? なんで覚悟決めてんの?」
「お気にならさずっ!」
「あむっ!」と1口で。 間接部分に何処が触れたか分からないように根元まで加える。
「あっ、熱っ……あちゅっ」
「おおう大丈夫か? ほれ、水」
「あ、あひがほうほざいはふ」
奏士さんから受け取った水を飲む。 うう……舌が少し火傷した。
「……大丈夫?」
「だ、大丈夫です……」
奏士さんはお粥を再び掬うとじっと見たり匂いを嗅ぐ。
「……なんか変なの入ってたか?……」
「い、いえ! 本当にただ熱かっただけなので!」
「……あっそう……じゃあはい」
「い、いただきます」
また奏士さんから頂く。 そうして卵粥を食べ終わった後ホットはちみつレモンを飲む。 生姜効果でポカポカします。 美味しい……
「……ご馳走様でした」
「お粗末さまでした」
奏士さんはそう言うと食器を持って部屋を出る。 ふぅ、食べたから少し汗かいちゃった。 少し暑いかな。
ショートパンツはともかく、上に着てるTシャツはサイズが合わないので普通に着ると片方の肩が出てしまう。 元々大きいサイズなのだろうけど、これだけでワンピースとして使えるサイズです。
「たっでー」
暑くてパタパタと仰いで風を送っていると、奏士さんが戻ってきて見られてしまいました。 大丈夫、何故か下着はパンツしか着けてないけど見られてないはずです。 私のキャミソールは洗濯機でしょうか。
「…………み、見ました?」
「何を?」
「そ、それは……」
顔真っ赤になっていることを悟られないようにちらっと奏士さんの方を見てみると、奏士さんは全てを察したような顔をしていた。 ということは見られてないけど知られました。
「い……今のはどうかご内密に……」
「う、うん……うん?」
奏士さんは頭の上に疑問符を浮かべていた。 ごめんなさいぃぃぃぃ!
「どした? 汗拭きたいならベル読んでくるけど」
「汗拭き……えっと……」
大丈夫。 力を貸して堕天使さん。
「あの……奏士さん、にお願いしても良い、ですか?」
奏士さんは「は?」と言いたげな顔を見せた。 そうですよねそうなりますよね調子に乗りました。
「……え通報しない?」
「しないですよ!」
「嘘の告発とか……」
「誰にですか!?」
「油断させてから刈り取る」
「つもりは無いです!」
ああ少し大きな声を出しちゃったからクラクラする……奏士さんは警察をかなり恐れてるけど逮捕歴とかあるのかな?
「え、じゃあ別にいいけど」
奏士さんは私の汗を拭うことについて特に何も思わない様子。 もしかして本当に異性として見られてないですか?
「じゃあちょっと脱いで、背中見せて」
「は、はい……」
奏士さんがタオルを絞る音、私が脱ぐ際の衣擦れ。 そして息遣いだけが響く。 これ、私の心臓の音聞こえてないよね……?
「お、お願いします」
「はい片腕上げてー」
私がドキドキしながら言った言葉も奏士さんにとってはなんのその。 平常運転で汗を拭われる。
「じゃあ次もう片方」
「は、はい……」
奏士さんが私にそっと触れて汗を拭く。 夏なのに奏士さんの手が冷たく感じる。
冷たく感じるのに、奏士さんの手が触れた部分がとても熱い気がする。 また熱上がったかなぁ。
「はい、これで後ろは拭き終わったけど、前は自分でやる?」
「まっまままっ……」
前ってことは、お腹とか……わ、私のむ、むむむ胸、も……
急いで思考を加速させる。 胸を見られるなんて恥ずかしいけど、奏士さんはどうせ私の貧相な胸に興味なんて無いだろうしもっと大きい胸を見慣れてるし……
「はい、冗談冗談。 前と下はベルにやってもらってくれ。 俺の前科のためにも」
「で、ですよね!」
そう言って奏士さんはベルさんを呼びに言った。 少ししてからベルさんの断末魔のような声が聞こえたけど、多分気のせいです。 ベルさんが来た時何故かボロボロだったけど、たまたま転んでしまっただけです。
……気のせいです。
─────────────────────────
時間は進んで日を跨いでから少しした頃。 奏士さんはアニメを見ることなく付きっきりで看病してくれました。
「……ふわ……」
欠伸が漏れてしまいました。 いつもなら寝ている時間なので体内時計は正常です。
「お、そろそろ寝る?」
「あ、はい。 そろそろ客間に戻ろうと思います」
そう言って立ち上がろうとしたその時、奏士さんに肩を掴まれて布団に寝かせられた。
「はいダメ。 まだ治ってないから明日までこの布団で安静です」
「え!? いえでもここで寝てしまったら奏士さんの寝る場所が……」
「俺なら買ってから使う機会なかった寝袋があるから大丈夫」
そう言って奏士さんは棚から青い寝袋を取り出しました。 これなんのために買ったんでしょう……
「悪いな。 俺はこの部屋じゃないと眠れないんだ」
「そうなんですか?」
「意外と繊細なのよ」
奏士さんの意外な一面発見です。 だとしたら修学旅行とか宿泊学習とかはどうしてたんでしょうか。 まさか全徹……
「なんだなんだ泉ちゃん。 熱出して心細くなったか? 添い寝は無理でも隣で寝るくらいはしてやるぞ。 今なら重政付き」
「なー」
私が寝袋を見ていたのを勘違いしたのか、奏士さんがからかうようなことを言ってきた。 別にそういう意味ではなく、寝袋を取り出して少しだけウキウキな奏士さんを見ていたなんて言えません。
「重政はなんて言ったんですか?」
「『今回の俺の出番これだけ』だってさ。 気でも狂ったかこいつ」
そう言った奏士さんは重政にしっかりと殴られていました。 猫パンチって本気だと痛そう……
「じゃあ俺はやること残ってるから寝ててくれ……と言いたいが……どうする? 寝付くまで見ててやろうか?」
「っ! いえっ、奏士さんはどうぞやるべき事を遂行してください!」
「やけに壮大な言い回しだな……じゃ、ちょっと言ってくる」
「はい、おやすみなさい」
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夜、ふと目が覚めました。 身体は起こさず辺りを見回すと、奏士さんが机で何やらブツブツ言いながら作業をしていました。
「あとこれで終わりあとこれで終わりあとこれで終わり……」
充血させた目を見開いて言うそのセリフは呪詛にしか聞こえません。
「っしゃァ終わったァァァ!!! 」
奏士さんが突然立ち上がって何か民族的な舞を踊り始めました。 疲れて脳がやられてるのでしょうか。
「……ふぅ」
急に正気に戻りました。 本当に脳がやられている可能性があります。
「重政は……寝るよなぁ……猫吸って寝ようと思ったのに……」
ちなみに、重政は気がついたら猫ベッドから消えていました。 今頃どこにいるのでしょうか。
「ふぁぁ……〆切厳守の3徹はキッついなぁ……とりあえず色紙とフィギュアは隠しておかないとなぁ……」
そう言いながら奏士さんが首を鳴らして背伸びをすると、全身から気泡が割れる音が。 首の音なんてすごいことになっています。 表現するなら、全てのオノマトペに゛が入っている感じです。
そして奏士さんは布団の側までやってくると
「もう……無理……」
と言って布団に倒れ込みました。 ボフッと音がして、私の隣15cmの距離に奏士さんの顔があります。
そのまま10秒もしない内に奏士さんから寝息が聞こえてきました。 これは寝ていると言うより気絶です。 相当危険な状況だったようです。
そっと時計を見てみると現在時刻04:03、奏士さんが目覚めるまであと1時間ほどしかありません。
「もしかして奏士さん、毎日こんな生活を……」
それはクマが濃くなります。 というか死んでもおかしくないです。 言ってしまえば奏士さんの労働時間は実質23時間/日ということです。
もっと他人を、例えば生徒会の皆さんを、そして私を頼ればもっと楽に進められるのにと思っていても、奏士さんにはその選択肢がないことを知っている私はそれを進められません。 選ばないのではなく、ハナから存在しないので。
「でも、せめてこれくらいは……」
寝て楽になった身体を動かして、奏士さんの頭を抱きしめるように腕を回してそっと頭を撫でる。
「よし……よし……」
奏士さんの頭をポンポンと撫でる事に、何やら知らない感覚が湧き上がってくる。 そういえば、友達が以前「泉ちゃんはバブみがヤバいですね。 今は抑えられてますけど、真価を発揮したらそれはもうヤバいです」って言っていたのを思い出しました。 奏士さんにこの話をしたら「即座にその新聞部とは縁を切れ」と言われました。 新聞部って言ってないのになんでわかったんだろう……
「お疲れ様です、奏士さん」
奏士さんの無防備な寝顔(?)を見ていると、なんだかいつものかっこいい奏士さんとは別人に思えてきた。 可愛いです。
「疲れた時は、いつでもこうしてあげますからね」
奏士さんの頭を撫でながら、夜は更けた。
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「あらあら奏士くん久しぶりね〜」
「どうも」
「1週間ごめんね〜。 どうしても今しかないって思っちゃって」
「いえいえ、私も泉さんにはお世話になりっぱなしで」
「あら、お世話って何処の? もしかして下半身がお世話になっちゃったかしら」
「うーんされてないですねぇ」
「何よ〜 折角奥手な娘が貫通済みになったと思ったのに〜」
「ねぇほんとにこれ泉ちゃんママ? なんか昔と別人じゃない?」
「すみません……お母さん柚希が中々帰ってこないから息子に飢えているみたいで……」
「つまりあいつが元凶か……」
「あらあら、私ったらごめんなさいね〜 これ、お土産。 みんなで食べて。 こっちは悠ちゃんの」
「ああ態々姉の分もどうも」
「良いのよ〜 奏士くんと悠ちゃんには泉がお世話になってるから、そのお礼も兼ねてるんだから」
「いえいえ、こちらも泉さんにはお世話になりっぱなしですよ」
「やっぱりシモのお世話を?」
「おいループすんな」
「泉はこの一週間で何かアクション起こしたりしてないの〜?」
「お、お母さん! 玄関でする話題じゃないよ!」
「その反応は何かやったのね〜! さぁさぁ早く詳しい事を聞かせて頂戴!」
「もう分かったから……それでは奏士さんまた生徒会で!」
「お、おお……」
「…………おっとりした人だと思ったけど……人って変わるもんだなぁ」
バレンタインに忙しいわけあるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!
はいどうも漸く狂気解放作者です。
バレンタインは毎年チョコを作っていますが、誰かに渡すことはありません自分で作って自分で食べてます。 今年はチョコ菓子と捉えるかは別としてエクレア作りました。
さて今年もチョコを貰えなかった男諸君、若い新人女性店員のレジで一つだけチョコを買って袋無しお釣りゼロレシート要らずを選択すればチョコを手渡ししてくれるので貰ったチョコ稼ぎになるぞ! もしくは「うわwあの男チョコ貰えないからって自分で買ってるよw」って内心言われます。
さぁて来週というか月末の奏士君は?
夏休み入口編が終わったので本格編始動ですね。 3年書いててまだ夏休みとか進行速度ダウンロード99%ですかね。 あいつ絶対あそこで小休憩と称してガチ寝してますよね。
それでは28日にまた。 来週から狂気が再開するぜぃ!




