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輪廻のFate Line  作者: 怪人アホ面男
7……あー特に思いつかないからパス
75/133

紅葉は後でお説教しました。 そんなことより、紅葉は「クレハ」じゃなくて「もみじ」だぞ。 ベルが間違えてるだけ

夏休みバイト生活3日目


そう、今日で3日目である。 一応最終日だ。


昨日までの2日間、塩分濃度5%くらいのこゆーい2日間だったが、今日は紅葉が来るわけでも、ベルが居る訳でもない平和な一日だ。 紅葉は今日も部屋で作業、ベルは女友達とショッピングなう。 俺は嬉しさのあまりジャンピングなう。


「うっ!」


軽くジャンプしたら着地の瞬間に膝から嫌な音がした。 重政はそれを見て呆れ顔。 なんだテメェもふもふするぞ。


「なーん(今日も行くのか?)」


重政が腹を見せてゴロゴロしながら聞いてくる。 夏休みだからってゴロゴロするなお前は。 猫は年中有休だけど。 悠久の有給つって。 寝床と飯に困らない生活はどうだ? 俺も有給が欲しい。


「今日も仕事だ。 一緒に来るか?」


「なー(外暑いからパス)」


「なんだこいつ」


そんなこと言われても重政が可愛いことに変わりは無い。 全力でモフる。 重政の白い夏毛はとても触り心地が良い。 モフみ84点。


「にゃ、にゃふ……(ちょっ、おまやめっ)」


「なんだここがええんか? ほれほれほれ」


行くのが面倒なバイトに行く前の重政チャージをする。 これで今日も頑張れる。 お仕事楽しいなぁ。


「んにゃー!(分かった! 俺もついて行くから一旦離れろ!)」


「まじかよ重政様」


言われた通り一旦離れて様子を伺う。 重政はのっそりと起き上がってトコトコ寄ってくる。


「なー(ほれ、俺を運べ従者よ)」


「偉そうだなこの猫」


しかしお猫様が偉いのは事実なので、仕方なく重政を頭の上に乗せる。 重……


「お前最近太ったか?」


「にゃーん(猫はちょいポヨがモテるんだぜベイベー)」


つまり太ったってことらしい。 もっと自制心を持て愚か者め。


かくいう俺も、今年は少し体重が増えた。 やっぱりあれだな。 紅葉が食べるから、それを合わせて色々試行錯誤する過程で摂取量が増えたんだな。


でも仕方ない。 だってあの娘よく食べるし。 生徒会に毎回お菓子持っていってるからそれも原因だな。 鍛錬の時間増やそ……


それと、紅葉の胸が大きくなった理由は食ったぶんがあそこに集まる皐月さんからしたら理想のシステムだからだろう。 それでいて太らないバグ。 ちょっと運営どうなってんの? 俺もその太らない体質欲しい。


「にー(楽ちんじゃあ)」


「そうかよ。 俺は首がイカれそうだ」


重政も成猫どころか年齢で言えば老猫。 それなのにまだ元気とは無駄に生命力強いなこいつ。 だから普通に重いし、俺の首が悲鳴上げてる。 俺の神がかったバランス感覚と衝撃分散力に感謝しろよにゃんこ。


重政を連れて玄関まで行き、そのまま靴(草履)を履こうとすると泉ちゃんと出会った。 エンカウントである。 泉ちゃんと俺の縁はどのくらい? つまりは縁カウント。 俺もあの能力があったら好感度操作は楽に進むのになぁ。


「あ、奏士さん……」


「おん」


泉ちゃんは家に入れない都合上、今は悠ちゃんの服を着ている。


……中身って大事なんだなぁ。 悠ちゃんの服でも泉ちゃんが着ると違って見える。


現在の泉ちゃんは、ピンクのうさ耳フード付きの半袖セーラーシャツと薄緑のクローバー柄膝丈のスカートと、「あのロリババアこんな服持ってたのか……」と言わずにはいられないくらいキュートでプリティーなガーリーファッションだ。 尊みがやばい。 どのくらいヤバいかって言われるとこのくらいヤバい。 俺の言語力もヤバい。


特に泉ちゃんの肘と膝小僧がやばい。 透き通る様な綺麗な白い肌なのに少し赤い肘とか、スカートでチラチラ見え隠れする膝とか凄く撫でたくなる。 スベスベしてそう。


結論は「泉ちゃんは何着ても可愛い」って事でね。 たとえ白鳥レオタードと鼻眼鏡のセットでも俺は愛でる自信がある。


あ、でも鼻フックはなぁ……あれはどうしても受け入れられない奴の1つ。


「何処かへ行かれるんです…か?」


「ちょっと野暮用があってな。 夕飯時には戻るから」


「は、はい……行ってらっしゃい、奏士さん」


「うい」


「んな〜(あばよ)」


頭上の重政もそう言って、1人と1匹は家を後にする。








…………あれ、今回って泉ちゃん回じゃねぇの? やり取りが呆気なさすぎるしもう別れちゃったけど、次のイベントあるよね? ね!?


─────────────────────────


クソ暑い外を歩き、店に入ると同時にクーラーのスイッチを入れる。 ババアもだいぶ動けるようにはなったから、俺もそろそろお役御免だ。


「にゃふぅ……(極楽じゃあ)」


重政は早速だらけている。 カウンターの上でベチャッと脱力して平になっている。 尻尾も力なく垂れ下がっている。 その貫禄は看板猫のよう。 今更だけど駄菓子屋に猫って入っていいのか? ダメなら奥に居させよう。


「じゃあちょっと外掃いてくるから」


俺がそう言うと、重政は鳴くのも面倒なのか白い尻尾をふりふりして反応する。 我が家での重政と変わらない塩対応に全俺が泣いた。


店の外に出ると、一気に太陽の熱波がこの身を襲う。 俺の美しい白い肌が健康的な肌になっちゃうぜ。 でも小麦肌になったら俺のキャラ属性が崩壊しそう。 ただでさえ財政並に崩壊しかけてるのに。


この熱気にはさすがの俺も堪える。 だから作務衣の裾を捲るぜ! 長袖から7分袖に! 微妙すぎる変化とか言わない。 どうも半袖ってのは苦手なんよ。


箒とちりとりでサッサっサッとゴミを掃いて、ついでに社会のゴミも掃除する。


……おい誰だ「自己紹介ですか?」とか言ったやつ。 よく分かってるじゃん。 ご褒美にお前から掃除するわ。


10分ほどで掃除を終えて店に戻ると、重政はカウンター上でぐっすりお眠。 猫だからね。 猫の睡眠時間は長いから。 俺も睡眠時間欲しいです。毎日6時間半は寝たい。


世の学生は、大抵起きれなくて「学校行く時間よー!」って母親もしくは姉妹に起こされるんだろうが、俺はそんな経験無いしそもそも自動的に目覚めるから、それ系のイベントは体験できそうにない。


俺としてはちょいウザちょいやかましめちゃカワ妹に「お兄朝ー! あさあさあーさー! 朝だー!」って言われて起こされたいんだけど、そこら辺はどうなってんの作者さんよぉ? なんで俺に妹は居ないの?ねぇ。


願望がちょっとだけ顔を覗かせたが、要するに店内は快適ってことだ。 我が家の夏は、基本的に障子全開で風鈴と扇風機というThe.田舎って感じの快適空間だから、クーラーは俺が外出する時くらいしか使わない。 扇風機はめちゃ使う。 主にPCに。 熱がね。


掃除用具を片付けて、ババアの様子を確認して椅子に座る。 やる事は無くなった────


とでも思っていたのか? どうもブ口リーです。


初日は突然だったからスマホと財布だけだった。 2日目は色々あってスマホと財布だけだった。 同じじゃね?


だがしかぁし! 駄菓子だけにだがしかぁし! このネタが使い古されていようと俺はあえて使うぞだがしかぁし!俺は学習する男。 ちゃんと時間を有効活用する術は用意してあるのだよワトソンくん。 ワトソンくん(重政)は目の前で寝てるからただの独り言になっちゃうけど。 いつもと大して変わらんか。


俺が今日持ってきたデカいリュック。 その中には最新の携帯ゲーム機や絵描き用のタブレットPCやらが入っている。 6年くらい前の遊びに行く小学生のカバンの中身かよ。


早速タブを起動させてペンを握る。 何描こうかなー


原稿は家でやる派だからここではやらない。 情報漏洩とかもあるし。 そこら辺紅葉はガバガバである。


紅葉と俺は原作と作画という関係ではあるが、それはあくまで「伊吹童子先生(紅葉)」と「千面童子先生ワイ」というペンネームを使った仕事上の関係。 柳奏士と花伝・V・紅葉は無関係である。


俺と紅葉が恋人同士とかそんな噂が学園で広まったけどそれも無関係である。 俺が保護者で紅葉が飼い犬もしくは飼い猫の関係。


更に追加すると、俺が紅葉とベルの二股クソ野郎って噂もあるけど事実無根である。 だって永遠の独り身独身だもの。 独り身独身って意味被ってね? どうでもいいけど、今言った噂を流した奴は後で八丈島に片道のGoToトラベルしてもらおう。 『もしかして:島流し』


脳内で雑談を挟みつつペンを走らせる。 僕ちゃんは絵も得意。 推しの二次創作くらいは描けないとね。 読みたい同人誌が無いなら自分で描けばいいじゃないの。 コミケは全国に性癖大公開の場だと思ってる。 性癖って本来の意味違うけど。 伝わるならOKです。


余計な事は何も考えず、本能の赴くままに筆を動かす。 気が付けば、画面にはポンコツそうなサキュバス少女のラフが出来上がっていた。 そういやそんなアクマが出てくるゲームをこの前やったな……


だからこのサキュバス少女の胸が大きいのは意識したとか俺が豊乳好きとかそんなんじゃなくて無意識のイメージだから違うから勘違いしないでもらいたい。 なんとなくだけど、胸が大きい女性が好きな男性に対する風当たりって冷たくない? いいじゃないか、DNAだもの。 俺は小さいのも好き。


完全に話ズレるけど、胸が無いキャラの1番の魅力って胸が無いことを気にしてる事だと思う。 あるキャラとの差を実感して落ち込んだり、年下より無いことに作り物疑惑をもったり。


でもやっぱり、1番の魅力は「全力で偽る」ことだと思う。つまり虚乳。


で話を戻すんだけど、サキュバスの髪の色ってイメージ的にピンクが多数だと思うんだけど、他だと何色? 言われるとピンク以外スっとは思い付かないよね。 つまりピンクは淫乱。


この作品で言うと、イメージカラーがピンクなのは……あれ、居ねぇ。 つまりみんな淫乱って事だね!(暴挙) 冗談だ。


まぁ我らが生徒会には脳内ピンクが2人ほど居ますから。 とある銀髪の少女と金髪の少女なんですけど。 よりタチが悪いのは後者。 前者は2次元的な意味が多いから被害は少ない。 時々絵のモデルとして過激な事させようとする以外は。


なんの話ししてたか忘れたけどつまりそういう事だ。 おっぱい好きは陥没乳首も受け入れて初めて次のステージへ行けるって事。 俺は最近行けました。


陥没つっても、本番になれば出てくるからいざ対面するとそこまで気にならないし、魅力に感じる。 案ずるより産むが易しってやつ。 対面(画面越し)だけど。 そのうち部分的空間転移技術が開発されるだろうから、リモートであれこれする時は画面越しのチョメチョメになる訳で、つまりは画面越しの別次元とやってる俺と何ら変わんない訳で。


即ち俺は実質非童貞。 大事に守ってきたものは既に存在しなかったのか……深いね。 実際はしらすも呼吸出来ない程浅いだろうけど。 俺しらすが泳いでる姿見た事ない。 『しらすの生体しらんっす』つって。 は?


そういえば、魚は切り身の状態で泳いでると思ってる子どもが多いって話を聞いた事がある。 純粋と捉えるべきか、無知な馬鹿と捉えるべきか。 『気になったら調べる』って事をしないのかね……そもそも気にもならんのかもしれんが。


人を前に進めるのは好奇心と飽くなき渇望だ。 そして人を殺すのも好奇心と渇望だ。 人の欲は見境が無く、それを悪と捉える者も居るが、無欲になった瞬間、人は生きる意味を失うと思う。 やっぱり楽しく生きるなら強欲でなきゃ。 俺みたいに。


そんな読む価値も聞く価値も無い、チョーク折って粉にしてた方がマシな時間過ごせる様な雑談で文字数稼ゲフンゲフン、描写省ゲフンゲフン、読者を楽しませながら筆を進める。


……え、気が付いたらこのサキュバスちゃん(命名:根津海璃愛ねずみりあ、真名:ミリリア=ヴェンデルト)の種族服がビリビリに破けてるんだけど。 そんなことよりちょっと名前がキラキラ過ぎたか?


さて、俺は一体いつから健全な絵を描いていると錯覚していた? 何時何分何秒地球が何回回った時から錯覚していた? 詳細聞いてくるラスボス嫌すぎる。 しかも自問自答。 絶対関わっちゃダメな人じゃん。 俺みたいに。 つまり俺はラスボス。 ラスプーチンのボストンバッグだ。 それただの旅行中の破戒僧じゃんね。


とか何とか言ってるけど俺は描くのを辞めない。 もうこれでいいや支援者サイトに投稿するイラスト。


そのままサラサラサラりんと絵を仕上げる。 サキュバスの種族服と言えば黒のビキニっぽい奴だと思う。 それにちょちょっと装飾とか謎の紐とか付け足したら種族服の完成。 足はサイハイブーツかニーソか、それともヒールか。


時々思うんだけど、太ももにシュシュみたいなやつ着けてるキャラって居るじゃん? あれって何? あそこになんか暗器とか隠してんの? 俺は身につけるもの全てに何かしら入れてるけど。 暗器は入ってない。 エプロンには対ゴキ用の釘が装着してある。 俺は番外か? 電気能力とかは無い。


でも指で弾いて飛ばすのって誰しも経験あるよね。 俺は小石に術かけて飛ばしてた。 片割れの太陰も貴人の継承者も居ないから威力はそこそこしかだせなかった。 俺の親指はご臨終。


今振り返ってすっごいね。 サキュバスの話から魔弾の話になってやがる。 これが作者の念能力《脳死会話おもいつき》か……ガチャ大爆死してやがる。 たとえヒソカでもこの能力は活用不可。 「活用不可でも私は勝つよう」つって。 このダジャレが既に敗北者。 取り消せよ今の言葉ァ!


じゃあ……そろそろ狩るか♦️ 言葉狩り警察と化したヒソカとか悪夢かな? 取り消すなよ今の言葉ァ!


時刻は昼過ぎ。 ふと、重政の耳がピクリと動いた。 俺のサイドエフェクトもヘビメタ大熱唱。 喧し過ぎるだろ。


重政がガバッと起き上がり、店の入口をじっと見つめる。 そこになんか居んの? この店の断絶性凄いから霊は居ないぞ。 見えないけどなんかそんな感じしない? するわけねぇか。


あ、今ちらっと人影が見えた。 まだお天道様が見てるってのに……ようこそ歓迎しよう! 暇潰しにはちょうどいいから! このままだと大したイベントも無しに話数を消費しそうだったし。


「ごろごろ……」


しかし、重政は人影を見ても喉を鳴らしてリラックス。 こいつ座り込んで臨戦態勢解いてるよ。 ちょっ、尻尾邪魔。


ついに人影がガラスドアの向こうまで近付いた。 ドアにはモザイク処理がしてあるから顔は見えないが、小柄だ。 たぶん女性。 身長は泉ちゃんと同じくらいで、3サイズも体脂肪率も骨密度も泉ちゃんと同じくらい。 つまりこれは泉ちゃん。 なーんだ。


ガバ判定と言われるだろうが、人の指紋もだいたい11〜12箇所一致したら同一人物と認定している。 つまり全てが一致してる訳では無いのだ。 だから俺もこれくらい一致してるなら泉ちゃんと認定する。 あ、あとあれだ、香りが同じ。

この上なくキモイ認定制度だ。


そうと知って俺は椅子の背もたれに寄りかかった。 もし泥棒だったら普通に歓迎したのにと思ったことは内緒。


歓迎方法は基本2通りある。 俺の草履の裏と熱烈なディープキス。 もしくは拳とフレンチキス。 極稀にバレンタインデイキッス。 おニャン子クラブとかこの時代に伝わるのか?


最後歌うだけじゃん。 でも俺の歌はスピーカーを通して人を破壊するから。 どこの絶傑だ俺は。 やっぱり絶傑最強はあの方だ。 コミュ障のイラナイさん。 それ大富豪の革命が起きた世界線? まぁ実際使い道は難しい。


「ご、ごめんくださーい」


扉が「カララッ」と音を立てて開く。 そこに存在するはこの世界が産んだ唯一の癒し。 茶色のくせっ毛とこの世の美女をいくら集めようと到底叶うこと無い可愛いお顔。 小柄ながら、ほんの少しだけ成長の兆しが見え隠れしているボディ。 全てを凌駕するその存在の名は逆無泉。 私の嫁です。 おっとどこからか殺意の波動を感じた。 もしかして近くに豪鬼が居る?


「らっせー」


俺は内心ハイテンションだが表層はクールに。 ここで帰られるといよいよ物語の進行に支障が出る。


『呼んだ?』


呼んでない。


失礼、俺の脳内じじいが出てしまった。 じいちゃんは俺の師匠、つまり物語に師匠が出る。 俺が今までに言ったゴミギャグを消すと何文字残るんだ? 多分だけど3桁残るか残らないか。


と、俺に気が付いた泉ちゃんが固まった。 フリーズ? 回線悪い? ネットは有線でやろう。


「ふぇっ!え、あ、そ、奏士……さん?」


「うい」


「……と、重政」


「んぬぁー」


重政がどこぞの成れ果てみたいな声で鳴いた。 尻尾はピコピコ大喜び。 なんというか……柳家(悠ちゃん含む)は全員泉ちゃんに甘いなぁ。


泉ちゃんは出かける前に見た服装で来た。 可愛い。素材が良いからね。


カウンターから降りてトコトコと泉ちゃんに近付く重政。 そしてしゃがんで重政を撫でる泉ちゃん。 重政そこ代われ。 俺が泉ちゃんを撫でる。 ちゃんとスカートの中は見えません。 見えても見せません。


「で、どしたん今日は」


「あっ、そうでした」


泉ちゃんは重政を撫でる手を止めて立ち上がる。 重政は少ししょんぼり。 俺が撫でよう。


重政を手招きする。 無視された。 泣いた。


「えっと……今日は紅葉さんのお使いで……」


「紅葉の? 何やったんだあいつ」


こんな炎天下を歩かせるなんて……よくやった紅葉。 今日はお前の好物を作ろう。 泉ちゃんと会えたー。


「えっと、メモを貰った時に『糖分補給が必要。 それもできるだけ多く。 好きな物買って良いからあの駄菓子屋でこのお菓子を買ってきて。 それと、奏士が1人寂しくしてるだろうから盛大に嘲笑ってきて』と」


前言撤回。 あいつぶち殺す。


というか、あいつ一昨日25箱入りのシガレットを2箱分、つまり50箱買っていったばかりなのにもう無くなったのか。 食い過ぎ以前にちょっと引く。 速度えぐいな。


「……奏士さん?」


「ん、ああなんでもない。 大丈夫」


急に黙り込んだ俺を心配してか、それともただ無言の空間に耐えきれなくなったのか知らんが、泉ちゃんが俺を見上げてきた。 少しだけ汗をかいている。 外歩いたしな。 フードがあっても暑いだろ。


「で、メモにはなんて?」


「えっと、『カントリーなマァムをバニラ&ココア2袋、チョコパイ2袋、リッツ1つ、柿の種を3袋、それとうまい棒を50本』だそうです」


「仕入れでもする気かあいつ」


幼稚園のおやつタイムでもそんな量は買わないだろうし、そもそもそんな量を泉ちゃんに持たせようとしたのかあいつ。


……いや違うな。 あいつも泉ちゃんはお気に入りだ。 ということは、俺の兄力を宛にしてるな? 泉ちゃんに重い荷物を持たせられない俺の兄心を逆手にとって俺に持たせる気だな? ははーんさては火属性だな? 最後だけちょっと意味わかんないけど、要するにそういうことだろう。


「つーかここじゃなくてスーパー行かせろよそれなら」


ラインナップ的に駄菓子屋に置いてある訳が無い。 普通に家出て直ぐのスーパーで揃う。 つまり泉ちゃんは俺を嘲笑う為だけに炎天下を歩かされた。 よっしゃばっちこい! 俺を罵るんだ泉ちゃん!


「やっぱり……置いてない、ですか?」


「うーんちょっと待っててくんろ」


泉ちゃんにそう言って俺は在庫品を確認する。念の為に棚も直接。 えーっとえーっと……


「うん、無い」


駄菓子屋にチョコ系なんてほとんど置くわけない。 だって冷やし続けないといけないし。 置いてあってもコインチョコとか、個別包装かつ小さいものだ。


つーかあったとしても「無い」って言うけどな! 泉ちゃんに持たせられないし、俺はまだここを離れられないし。


あれだ、調理が面倒だから無いって言うコンビニ店員と同じやつ。 ホットスナック置き場に無かったら作る気無いから注文しないでください(byコンビニバイト時代の作者) 肉まんとかって作り始めてから完成まで意外と時間かかるよね。 食べたかったらスーパーの4っつ入のレンチン肉まんをおすすめする。 俺も好き。


「そうですか……」


泉ちゃんが少ししょんぼりする。 純粋ないい子だから、引き受けたことを完遂できなかった事がどうしても気になるんだろう。 俺としては紅葉のクソみたいな要件は無視していいと思うけど。


「えーあー……」


こんな時に優しい言葉をかけてあげられると思いましたかそんなことはありえないだって俺だもの。 泉ちゃんは俺の周囲の人間で唯一と言っていいほど「遠慮」って言葉を知ってる。 紅葉とかベルとかそこら辺は見習え。


だから、俺の「目には目を」の会話術が通用しない。 もっと無遠慮に言ってきたら俺もそうできるんだけど。 泉ちゃんはベルたちを見習うな。


よーし頑張れ俺。 これでも今は泉ちゃんの保護者だ。 つまり「安全の確保」という大義名分が存在する以上、俺はある程度余裕を持てるはずだ。 ……持てるよな? やっぱり持てないかもしんない。


という訳でメンタルをボロボロにした俺はもう壊れない! 壊れきってるから壊れない! よっしゃボロネーゼベベべべべべ。 ダメだ壊れた。


「…………気をつけて帰るんだぞ」


はい終わったー! これで泉ちゃん√への道消えたー! 後残ってるのは重政が擬人化&女体化エンドか……何そのカオスすぎるエンディング。 重政が女体化するくらいなら俺がなる。


「は、はいっ! では……失礼します」


泉ちゃんがぺこりとお辞儀して入口に行く。 重政はそれを名残惜しそうに見つめる。


そして泉ちゃんが戸に手をかけた瞬間、悪寒がして泉ちゃんを抱えて引く。


「ひゃっ!?」


泉ちゃんが短い悲鳴をあげる。 それと同時に入口のガラス戸が勢いよく開いて、3人の男児が現る。


「おーっすばあちゃん! 金落としに来たぞー!」


生々しい表現だ。 普通に買い物って言え。


「んあ? ばあちゃんいねーのか」


このくそむかつく声、態度、話し方。 忘れもしない。 だってつい最近登場したばっかりだし。


「……あ」


「あ」


「きゅう……」


目が合った。 クソガキは今どき珍しく虫取り網と虫かごを持っている。 俺は顔を真っ赤にして口をパクパクさせてる美少女を抱えて居る。 あ、これアカンやつや。


「「「変態だーっ!」」」


「早まるなガキども」


バイト初日の3ガキがそこに居た。 俺これからどうやって外歩こう。

新年早々ネタ切れ! 作者です。


いやー寒いですね。 温暖化言ってますけど、どっちにしろ夏は暑くて冬は寒い事に変わりはないです。 私のギャグセンスは温暖化の影響で激アツですけど。 氷河期突入間近。


そんなことよりね。私は最近宅配ピザを食べましたってことでね。 1曲歌います。 曲名は「早く終わらせてゲームやりたい」 つまりはそういうことです。


こんな後書きまで見てくれるコアな人が居るかは神のみぞ知るということですが、恐らく9割の読者様が読んでないと思われます。 それを思うと私はなんのために長々と後書きと言うなの駄文を連ねてるのか分からなくなります。 でも筆は進んじゃう不思議。 むしろこの後書きを書かないと本編の筆が乗らない仕様。 これは必然なので許してクレメンス。 めんご!


それはさておき、最近冷えて冷えて天星剣王なのでお身体お気をつけて。 失礼、天聖剣王はシエテでした。 どうやらギャグセンスは氷河期に到達したようです。


ではでは、また次回。 誤字報告から感想、なんでも受け付けておりますのでよろしければ。 Twitterのフォローも。 まぁ大したこと呟いてませんが。

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