表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
輪廻のFate Line  作者: 怪人アホ面男
6……6……6……3回言ったから悪魔の数字だね
63/133

なんか……あったねぇ……そんなことより床がミシミシいってる

「あんた達ー そろそろ────何この状況」


「見ての通りだ」


皐月さんらが戻ってきて初めて目にするのは、壁にもたれかかって白くなった俺たちの姿。 いや……まじで疲れた。


「何があったのよ……」


「それは俺が説明する」


向こうで不知火の声が。 あいつ生きてたのか。


「ある日、俺は「長くなりそうだから端的に言いなさい」めっちゃはしゃいだら疲れた」


もっとわかりやすく言おう。 ホッケー終了後、ガールズが居ないことに気付いた俺らはとりあえず隣のパネルサッカーとかパネルピッチングとかそれ系で戦った。 はい、ただの馬鹿ですね。 疲れたから帰ろうぜ。 ……なぁ、もう帰ろうぜ。


「……恭平が見当たらないんだけど」


「あいつなら……あそこに」


俺が指さした先には、拳を高く掲げる禍塚の姿が。 ちなみにあいつが勝者。


「あんたらなにやってんのよ……」


やめて! 呆れ顔で見ないでさっちゃん! なんか2人足りないけど見ないで! 見るなら蔑みの眼差しで見て!


まぁ冗談はさておきだ。


……いや冗談だから。 俺は蔑まれても喜ばないから。 いやほんとマジだって。 幼女に蔑まれて喜ぶだけだって。


閑話休題


「で、どしたん?」


とりあえず歩けるだけ回復したから脱いだ上着を着て汗をハンカチで拭う。 あっつ……


「いや、それは……」


何故か口篭る皐月さん。 もしかしてこんな場所で禍塚を連れ出しておっぱじめようって話? ならヴァルキュリアは預かるぞ。 その後禍塚は貸してくれ。 真綿で首絞めの後拷問して消すから。


「……とりあえず来て」


「さあさあ来るデス!」


「おい引っ張んな」


説明を聞く前に紅葉とベルに本日2度目のドナドナ。 馬力はどれくらいですか?


─────────────────────────


「あっ……行っちゃった〜」


「2人とも気が早いんだから……」


「そんなこと言って、皐月ちゃんも2人が羨ましいって思ってるんでしょ〜?」


「うっ……確かにあの押しは私には無理だけど……ん? も?」


「なんでもな〜い。 不知火君も行こ〜」


「おう、じゃあ行こうぜ」


遥と若葉が自然と2人並んで行った。 これが友達以上恋人未満と言うやつである。羨ましいので無間地獄へ追放。


「……遥も遥で押しが強いわよね……じゃ、じゃあ恭平、私達も……」


「うん、行こうか」


皐月と禍塚は……まぁ、この通りだ。 好意はあるが踏み出せない皐月と、皐月を友達としか見ていない禍塚。 このすれ違いが解決するのはいつになることやら……


判決、死刑。


─────────────────────────


紅葉とベルに引っ張られてダウンタウンへ連れてこられました。 ダウンタウンということは商工街、そこへドナドナということはタダもしくは薄給でこき使われるのかも。 最低賃金を守れー! 給料上げろー!


「おい小娘、とりあえず要件を言え」


「……あれ」


紅葉が指さした先には景品が。 なるほどなるほど……


ところで「小娘」にはツッコミ無し? スルーされたらガチしょんぼり沈殿丸なんだけど。


「……獲って」


「ヤダよメンドイ」


「…………」


「ぐぉぉぉぉぉぉ!」


ムカ着火ファイヤーな紅葉が無言でアイアンクローを仕掛けてきた。 俺のイケイケフェイスが逝け逝けフェイスになっちゃう。


「どっちでもいいから、とりあえず経緯を説明しろ」


紅葉を振りほどいて問う。 顔歪んだ気がする。 空気入れれば治るかな……


「実はカクカクシカジカコンパクトデス」


「なるほどなるほどちょっと何言ってるか分からない」


「何がわかんないデスカ!」


「今の説明で得られる情報は『あ〜そんなCMあったな』程度だバカタレ」


ダメだ、ベルに聞いてもろくな情報が入ってこない。 ここは常識人枠のあの人に……


「……経緯は置いておく。 奏士のやる事は、アレを獲る事だけ」


皐月さんの方へ行こうとしたら紅葉に肩を掴まれた。 君もうその力で世界狙っちゃいなよ。 誠コロして。 世界違い。


で、紅葉の目的はあの頭上の景品。 あれやんの面倒くさそう……


つーか経緯を教えろよ。 何この「余計な詮索はするな」状態。


「……ガンバ」


「うわぁこいつなんか親指立ててるへし折ってやろうか」


絵に影響が出るからそんなことしないけど今夜の晩飯のおかずの総重量を少し減らすくらいのことはしてもいいと思う。


「はぁ……しゃーねぇな……何人分だ?」


「……私と」


「ワタシデス!」


「2人分な。 スタッフさん願いしゃー」


2人分の金を払って玉を両手に1つずつ握る。 にぎにぎ……


「ほら、あんたもやりなさい」


「はいはい、皐月のお望みならいくらでも」


禍塚もやるようだ。 ついでに不知火も。


「じゃ、サクッとカッチョイイ俺を見せちゃいますか!」


「頑張れ〜」


遥さんに応援されてやる気が漲ってるのか、不知火の周囲に謎のオーラが見えた気がする。 青、いや空色か……多分幻覚。


「ちゃんとやりなさいよねー」


「手厳しいなぁ……頑張ってみるよ」


皐月さんの禍塚に対する対応が雑だ。 まぁ素直になれない乙女ってことで多分セフセフ。 あとは謎の威圧感というか逆らえない恐怖というか。 俺はチキンだから多分香草焼きにすると美味い。


さて、俺も準備に取り掛かるか……


チラッと紅葉とベルの方を見る。


「ファイトデース!」


「……フレー」


普通に応援するベルはまだしも、紅葉は手に持った小さな旗をどこから出したんだろう……しかも白旗じゃん。 あいつあれで応援してると思ってんのかね。


とりあえずアレだね。 いくら俺でも、美少女2人に応援されたらせめて何かしらの結果は残そうと思うと思ったかそんなことはない。 でも目的達成するくらいのことはする。


久々の仕事だ。 使うぞ・・・


『あいよー』


瞬間、視界が変わる。 玉は3つ、大きさと重さはそこそこ。 形状が固定されてるボールじゃなくてお手玉に近いもの。 風向きは西向き1m。 ターゲットまでの距離目測。 禍塚らの投球から速度と弾道予測。 ターゲットの重心捕捉。 確実に仕留めるには──この角度か。


「……奏士?」


「さっきからほとんど動かないデス……どしたデスかね」


肉体調整開始。 初期重心固定。 伝達速度調整。 筋力制限。 握り位置調整。 投球フォームイメージ完了。 ……計算完了。


これで後はイメージと計算通りに俺が動けば任務達成。 これぞ厨二病の極意──とかじゃない。 いやほんとマジで。 俺厨二病発症したことないから。 いやだからマジだって。


これは一種のイメトレ、切り替えスイッチだ。 動きを正確に計算して、想像して、それを身体に染み込ませる。 『そうすればできる』と思い込ませる、催眠のようなもの。


それでもできちゃうのが俺。 ほら、無駄な才能に恵まれた天才だから。 中根に住んでたらテンサイ中根って言えたんだから。 大根じゃなくて中根。 クッソつまんな。 フリがなーげよAVか。


「よっと」


的に向かって飛んでいく球。 そして立ちはだかる物を全て倒す。


「おめでとうございま〜す!」


女性スタッフがベルをりんごんしながら景品を渡してくれた。 そのままもう1つの的もフルバースト。


「またまた、おめでとうございま〜す!」


再び景品を渡してくれた。 言っちゃあれだけど、こういう景品系ってなんかしらのイチャモンつけられて渡さないってよく聞くから渡されないと思ったけど、ここはちゃんとしてる。 いやこれが普通なんだけどね。


「ほらよ」


景品のぬいぐるみを2人に渡す。 双方での交換はご自由に。 転売禁止。 もしメルってたら泣いちゃうゾ☆ だからってヤフっていい訳でもない。


景品を受け取った2人は特に礼を言う訳でもなく、ポカーンと目を丸くしてる。 別にお礼言われたいわけじゃないけどなんか反応しろ。


「……本当に獲れるとは思わなかった」


「おい」


紅葉にはそこまで信頼されてなかったらしい。 泣きます。


「……カッコつけるだけで醜態を晒すのがソージじゃないんデスカ!?」


「返せお前はもう」


ベルからは逆に信頼されてたらしい。 怒ります。 激おこプンプン丸。


2人から景品を取り返そうと思って掴んだけどめちゃくちゃ強い力で抱きしめてて無理でした。 最近の女性は力が強いね。 握力とか平均60あるんでしょ? 握力60トン。


いや、ね。 紅葉の馬鹿力見てたら、それも間違いじゃない気がしてきたんだよね。 マッスルマッスル。


でも紅葉細腕だし、腹回りも顎も別に変じゃない。 あの力どっから出してるんだ? 貯蔵庫があるのか? それともああ見えて体脂肪率1桁で、9割筋肉のガチムチボディなんじゃ……いやでもそれだと脂肪が表面に集中してることになる。 胸は脂肪だし、そうなるとどこに……(以下無限ループの為ry)


「……♪」


「……ふへ」


景品のぬいぐるみをぎゅっと抱きしめる2人。 うん、とりあえずこれで万事解決。 たとえどんな状況でも解決できちゃう僕って凄いでしょ?最高でしょ?天才でしょ? オゥラァァァイ! キャー!


まぁね、うん。 とりあえずこれが誕プレ代わりってことで勘弁して貰えたら幸い差祝い犀ワイや。 俺は犀だった……? まぁ俺も立派なツノが1本あるし、夜行性だし、雄で単独行動だし、ツノを密猟者ベルに狙われてるし似たようなもんか。 じゃあこれからは奏士改めて犀士と名乗ります。 なわけねぇだろ。


それにしても誕生日か……自分の誕生日がいつだったか忘れたし今何歳かも忘れたりもしたけど私は元気です。


「おめでとうございまーす!」


スタッフの人の声が聞こえてその方を見ると、禍塚も不知火も無事獲得したみたいだ。 あとついでに神鳴も。 小百合さん景品を両手に抱えてるけど大丈夫か?


「はい皐月」


「……あ、ありがと」


「ほい、愛しの遥ちゃんにプレゼントしちゃうぜ」


「わぁ〜 不知火くんありがと〜」


「お嬢様、やっぱり僕が──」


「気にしないでくださいまし。 これは神鳴が私にくれた物。 自分で持つのは受け取った側の義務ですわ」


なんか……あれだな。 死にたい。


何このリア充ラブコメ空間。 空気にグラニュー糖かなんか混ざってんじゃなかろうな。 つまり今カップルのアレコレに火がついたら粉塵爆発起きるな。 リア充爆発するな。 皆殺しだ死ね。 その場合俺も死んでるけど。 おえ。


さあーおーきく息を吸って口を閉じて溜めて溜めて溜めて一気に解放のポーズ〜


ウォロロロロロロロロロロッ! オボロロロロロロロ!!! オロrゲホッゲホッ!


やべ、内蔵出た。


─────────────────────────


その後も皆(笑)で遊び倒し、そろそろ閉園の時間に。 俺を除く全員が当初の目的を忘れてる。 まぁ目的の時点で飾りだけど。


「流石にそろそろ帰るか?」


紅葉とベルに聞いてみた。 しかし紅葉はフルフルと首を振る。


「……まだ遊び足りない」


ベルはググッと背を伸ばして言う。


「あっという間だったデース」


「……まぁ、な」


楽しい時間というのは早くすぎるものだ。 ドーパミンの影響で。


とは言ってみたが俺自身、今日は思ったよりはマシな日だったと思う。 羽を伸ばせたか……って聞かれるとアレだけど。


「最後にどこ行く?」


「あ、じゃあアタシお土産見に行きたい」


「じゃあ俺もなんか買って帰るか〜」


「じゃあ私も家族にお土産買おっかな〜」


「お土産……神鳴! 私達も行きますわよ!」


「お嬢様……買っても持つ手がないですよ。 僕は持ちませんからね」


どうやらあいつらは土産屋に行くらしい。 じゃあ俺もぬいぐるみを買いに行こう。 また置き場がなくなっちまうぜ。


「おっと、ソージは待つデス!」


行こうとしたらベルに腕を掴まれた。 なんか今日こればっかだな。


「何、便所ならあそこにあるから一人で行ってこい」


「No! さすがのワタシも連れションは……ギリアウフデス!」


「どっちだそれは」


つーかギリなのかよ。 バリバリアウトにしとけや。


「あ、用があるのはソージだけナノデ、クレハは皆と行って構わないデス」


「? じゃあそうする」


紅葉が去ってしまった。 あぁ、この状況を面倒な奴が減った吉と読むか、万が一の壁兼ストッパーが居ない凶と読むか。 どっちにしろ2人っきりは俺の危機なので嫌です。


「ほーら、ソージはこっちデス!」


「いやー」


─────────────────────────


「……で、なんで観覧車?」


「それはもう、恋人と遊園地と言ったらここデスカラ!」


ベルに連行されてゴンドラに押し込まれて、今は地上何メートルでしょうか。 知りませんよそんなん。


閉園まで残り約1時間。 海浜公園の観覧車「ブルーアイズ」に乗れるギリギリの時間に何故こいつと乗るのかはさておき、観覧車なんてひっさびさに乗った。 流石にこれを1人で乗るのは暇。 流石に暇。 もう見知った街を態々上空から見るのは暇。


ちなみに、ベルは向かいに座っている。 1歩でもこっち来たら殺る。


「おー! ソージソージ! 人がゴミデス!」


「比喩にしろや」


ベルは外を見てはしゃいでいる。 イギリスにもロンドン・アイとかいうレベチの奴があるだろうに。 景色が新鮮なのかね。


「で、なんで乗せた?」


「さっき言ったじゃないデスカ。 愛する人との思い出作り、デス」


「さっきと違うぞ」


「ノンノン! 細かいことを気にする男の子は禿げるデスよ」


「なんだこいつ死ねばいいのに」


「チッチ」と舌を鳴らして指を振るベルの顔面の面積を5倍にしたい。 今この瞬間ほどそう思ったことは無い。


「まぁまぁまぁ乗ったが最後降りるまではこのままデス。 それまでは楽しむデスよ」


「……はぁ」


確かにそうなんだけど納得できないのが君の日頃の行いだってことをわからせてやろうか。 そう思ったけど大人だから我慢した。


そうだ、せっかくの2人きりの密室だし、前から聞こうと思ってたこと聞いとくか。


「……なぁ、お前はなんで俺にそんなに好き好き言ってくるんだ?」


「それはもう、世界一ソージを愛してるから。 それだけデスよ」


「チッ……」


今ここでサイホーン食らわしてやろうか。 サイのツノは毛の塊みたいなものだから強度はそんなにだけど。


「あぁ本気の舌打ちはやめて欲しいデス。 ゴメンデス」


慌てふためいてペコリンするベル。 こいつはふざけ混じりで漸く会話が成立する星に産まれた生物なのか?


「そもそも、お前はいつ俺の事を知った。 好きだのなんだの言われる覚えはねぇぞ」


まず無条件で好き好き言ってくるヒロインは今どき不人気だし、そこら辺気になってたのよ。


俺の記憶力が残念でも、こんだけ強烈なら少なからず覚えてるか、もしくは出会った時思い出すはずだ。 なのに全く知らない。 俺が忘れてるか、それともこいつが今まで嘘ついてるだけか。


だとすると後者の場合は悠ちゃんの関わりが妙だ。 裏で糸引いてるのか?


「うーんそれを聞かれると少しややこしいんデスけど……ざっと纏めて話す形でもOKデス?」


「……とりあえずは聞いてから」


はいちょっとした回想入りまーすぽわんぽわんぽわぁ〜ん。 魔界の守護者ポワn……


─────────────────────────


ソージと初めて出会ったのはかなり昔、まだソージのおじいちゃん……ソージジイが生きてた頃の話デス。


人の祖父をジジイ呼ばわりとはいい度胸だな。


ワタシは、ダッドの誕生パーティーに参加していたデス。 それは、ダッドの知り合いを呼んだ盛大なパーティで、ダッドは主役として翻弄してたデス。


お前の母ちゃんは?


マムはその日も仕事でシカゴに行ってたデス!


母ちゃん凄。


で、暇を持て余したワタシは1人で隅に居たデス。


莇らは?


その時はまだ出会ってなかったデス。


で、そこで1人ポツンとしてるワタシとソージはなんやかんや出会ったデス! はい回想終了ぽわんぽわんぽわ〜ん


─────────────────────────


「お前めっちゃ大事なところはしょんなよ!」


「流石に今ここを言うのは恥ずかしいデス!」


「何があった俺!」


もしかしてめっちゃ恥ずかしいことしたのか!? 黒歴史製造機の俺だから有り得る!


「まぁ、今はまだ言えないデス。 でも、ワタシがソージを好きになったのはあの日から……つまりは正妻デス!」


「解釈エグ」


「一緒にいた時間が長いほど正妻デス! つまりは私が1番!」


「解釈がストーカーのそれ」


後その理論なら俺の正妻は悠ちゃんか重政になっちゃうよ。 重政女体化&擬人化希望者いますかー?


ともあれ、だいたい分かった。 なんかあったことが分かった。 そして俺にはその記憶が無いことも分かった。 つまり何も分かってないことが分かった。


「そして愛する人と個室で2人っきり……しかも後10分近くは地上に降りられない。 これはもう1発ヤっちゃえってことデスよね!」


「話の飛躍レオネル・マーシャルかよ」


腕を伸ばしてきたベルを掴んで押しのける。 あっぶなこいつ徐々に初動が早くなってやがる。 そのうち0フレームが来そう。


「ああん、い・け・ず♡」


「死ねば?」


身体をくねらせるベルを殺していいかな? 俺もう力を抑えらんねぇよ。


「まぁ今日はこれくらいにしておくデス」


「……やけにあっさりだな。 何を企んでやがる」


「ワタシが企んでる前提なのどうかと思うデス!」


でもアレだし。 君前科あるし。 俺の中で信頼しきってるから。


「そうじゃなくて! 今日は思いがけないプレゼントも貰ったから良しとするってことデス!」


「あぁ、なるほど……で、本音は?」


「どうせ寝る前に襲っちゃえば抵抗できまい」


「正体あらわしたなくたばれ」


今度から部屋の入口にセンサー設置しようかな……後催涙スプレーとスタンガンも。


「計画がバレちゃったから今襲うデス! むっチュ〜」


「オラァ!」


「フギャァァァッ!? 」


向かってきたベルの目に指を入れる。 こいつの叫び声も聞き飽きたな。


ゴンドラのうち、一つが激しく揺れていたのを見た人は多分気の所為。 決して情事とかじゃなくて、生々しい殺害現場かもしれない。 霊柩車1台ヨロシ。


─────────────────────────


帰宅後


「今日は疲れた……」


肩を叩きながら自室へと向かう。 あの後土産屋に寄って2人に1つずつ奢って、その後帰るまで休まる時間が無かった。


だがその耐え難い苦痛も終わる。 これからは、私が天に立つ。 うーん持ってく流れがいまいちだな。 あー肩痛。


布団も敷いたし、今日のこともメモったからあとは漫画に組み込むだけ。 アニメも見たし、洗い物もした。 包丁も研いだ。 薬も飲んだぞよし、寝よう。


そう思って部屋の襖を開けると、敷いた布団の上にはいつものネグリジェ姿の紅葉といつものTシャツ姿のベルが。 重政は既にお休み。


「あ、遅いデスよソージ」


「……眠い」


紅葉が半分寝かけているのが不安だ。 寝ぼける紅葉は何するかわからんから。


「部屋に戻るか今すぐ天に立て」


「??? なんで急に隊長の話をしたデス?」


「む、いやすまん。 ちょっとな」


「……そんなことより、寝よ?」


「ん、あぁうん」


布団に入って電気を消す。 ん? いや待て。


「ナチュラルに誘われたからつい頷いたけど、何してんだお前」


「……今日1日、付き合わせた……お礼?」


何故疑問形なのか。 そもそも今日のは罰だからお礼はなんか違うじゃん。


「ソージ、とりあえずワタシも入るのでもうちょっとそっち詰めてクダサイ」


「おお悪いじゃねぇよ帰れ」


「いやっ、いや!」


「爆発して死ねばいいのに」


ベルが左腕にしがみついて一向に離れる気配が無い。 右は紅葉に塞がれてる。


「じゃあ……おやすみ…………スピー」


「あ、おい」


止める間もなく紅葉は寝てしまった。 離そうにも俺の服を掴んでる離さないからここでキャストオフする羽目になる。 そんなことしたらベルに何されるか分からないからできないし、どっちにしろベルも俺の腕を抱いてるから脱げませんねそうですかクソが。


「ワタシもそろそろ寝るデス……ふぁぁぁぁぁ」


欠伸をした後、ベルからも寝息が聞こえてきた。 寝付き良いですね羨ましいですよ本当に! 毎日薬で寝てる俺にその寝付きを別けろ。


「スピー」


「スピー」


両サイドから寝息が聞こえてくる。 後ミルクの香り。


腕を動かして抜け出そうにも、掴む力は緩まないし、少しでも動かすと柔らかいのに当たるから動かせない。 これぞ蟻地獄! もがけばもがく程嵌っていくぞ! なんだよ死ねよ神。


「ムニャ……ソージィ…………大好きー……スピー」


ベルの寝言には反応しない。 俺は聞いてnothing。 ついでにぶかぶかTシャツの隙間から見える谷間も見てnothing。 いや見ました。 見えました。 けどバレてないから黙ってればセーフ。


「……(すやぁ)」


紅葉の方を見る。 なんて安らかな寝顔!(泣) これぞ搾取か……俺の睡眠時間と安らぎが搾り取られていく……


そうこうしてるうちに薬が回ってきて、俺も眠気が襲ってきた。 覚悟を決めるか……


意識が落ちる感覚と共にスカーっ!


─────────────────────────


「…………はっ!」


朝、いつも通りの時間に目が覚める。 真っ先に思い浮かぶ2人の事。


「スピー」


「すぅ……すぅ……」


よし、まだ目覚めてない。 俺の寝顔は見られてない。 よしセーフ! 色々アウトだけどセーフ!


「むにゃ……」


「……(すやぁ)」


2人を起こさないようにそーっと、そーっと布団から抜け出る。 流石に服は握ってなかった。


洗面所で顔を洗って、洗濯機を回して服を着替えて道場で莇と朝練。 その後飯作って洗濯物干して2人を起こして……


「おはようございマース!」


「……おはよう」


朝飯を作ってる途中で2人が目覚めて、厨房までやってきた。


「はい、おはよーさん。 なんか飲むか?」


「……コーラ」


「デブか」


紅葉は朝一番でコーラを所望です。 ねぇよんなもん。


「……失礼な。 ゼロカロリーだから太らない」


「コーラだけはカロリーオフなのがデブじゃねぇか。 牛乳飲め牛乳」


「ワタシはコーヒーを所望デス!」


「はいよ。 ブラックか?」


「ふっ……カフェモカフラペチーノ、トールサイズで」


「スタバ行ってこいデブ共」


2人とも朝から高カロリーなもの入れたがるのどんな思考してんの? 年頃の乙女ってカロリー云々には気を使いまくるもんなんじゃないの? 紅葉は例外として。


「んもう! ソージは女の子に対する言葉遣いを改めるデス!」


「少なくともお前には無理」


「無理!?」


その時、紅葉の腹が鳴る。 ついでにベルの腹も。


「……朝ごはんは何?」


「今卵焼き作ってるからちょっと待ってろ」


2人に牛乳とコーヒー(モカ豆切れでキリマンジャロ)の入ったマグカップを渡す。 ちゃんと厨房の中に入らないあたり、変なところでルールは守るなこいつら。


「それ飲む前に顔洗って髪とかしてきなさい。 ほら、調理の邪魔だ行った行った」


「「はーい」」


朝飯作りと並行して弁当も作る。 えーっと次は……


「……あ」


そういや莇がシャワー浴びてるの忘れてた。 まいっか。


「おわっ!? アオバ! 寝起きにチンブラリンを見せつけないでクダサイ!」


「入ってきたのそっちでしょう!?」


風呂場の方からベルと莇の会話が聞こえてきた。


……まいっか。 これも日常だ。


4人で朝飯を食って、4人で学園へ向かう。 そういや、それが日常だと感じ始めたのはいつからだったか。 まだ1、2ヶ月しか経ってないのに、人の認識が変わるのはあっという間だ。


いつからこれが日常だと錯覚していたのか分からない。錯覚したのか発覚したのか。


うん、まぁあれだね。 人には言えないけど、割と気に入ってる。 言えないけど。


さて、どうやって次の話へ持っていこうか。 とりあえず教室入った辺りで終わらせるか。


なんか久しぶりに学園に来た気がする。 教室に入るのも久しぶり。 あれ、なんか頭がぼーっとしてきた。


階段で紅葉と別れる。 生徒会役員の8割が2年で、そのうち75%が同じクラスって偏り凄くないか? 役員5人しかいないけど。


教室の扉を開ける。すると──


「柳助けて!」


女子制服姿の人が抱きついてきた。

後書きのコーナー! ドンパフドンパフ〜!


えー、はい。 特にありません。 「台風凄かったな〜」とかそれくらいしかありません。


いや、いつの間にか更新日来てたんで、特にエピソードがないんですよね。 強いて言うなら最近ゴッデスソフトさんの狐少女との日常って感じのアレを買ったくらいですね。 私はあれ好きです。


いや〜ハッハッハ。 2D版買い忘れてました。 通常版やってました。


というわけで積みゲーが増えてちょっと涙出てきた作者です。 玉ねぎ切ってるからですかね。


私は最近料理にハマりました。 といっても、料理自体は普段からしていることなので、『1品凝ったものを作るのにハマった』って意味ですけど。


そんなわけでなんかいいレシピあったら教えてくれたら愛しちゃうゼッ♡ あぁ下にスクロールしないでください。 まだ残ってますから。 ブラウザバックはまだ早い!




今回でひとまずラブコメ? パートは終わりです多分。 次回からはいつも通りくっだらないギャグor日常パートに戻ります。 正直遊園地デートが書きたかっただけなので、共通ルートにラブコメ要素はあまり入れたくないんですよね……まぁ入れますが。


というわけで次回もお楽しみに。

by台風来てる中買い出しに出たらパンツまで濡れて全裸でこれを書いてる作者



P.S.

私は紐パンが好きですが、皆さんはどんなボクサーが好きですか? やっぱり私は雪崩式ブレーンバスターが好きですね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ