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輪廻のFate Line  作者: 怪人アホ面男
第一章 全ての始まりというのは得てしてろくでもないものだったりする
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予感は大抵的中する

ーーお前に存在価値など無いーー


あぁ、やはりまただ。


ーーお前は存在そのものが間違いなんだーー


またーー聞こえる。


ーーお前が生きている意味など1つも無いーー


何処からか声が聞こえる。目を開けても辺りは何処までも漆黒の空間。自分以外に誰の存在も感じない。それなのに空間に響く声。耳を塞ごうとも、声を出してかき消そうとしても聞こえる声。


ーーお前は何故この世に産まれてしまったんだーー


声はボイスチェンジャーを通している様に正しくは聞こえない。それなのに何を言っているかははっきりと分かる。誰が言っているのかは簡単に分かる。これは俺の記憶の声だ。


既に克服して忘れたもんだと思っているがやはり未だに残り続けているらしい。まるで呪いみたいだな。こんなんじゃ、俺もまだあまちゃんだな。死んだじいさんに顔向けができそうにない。


ーーお前のような人間を″無駄″と言うんだーー


なぁ、いい加減に出てけよ。俺はもう、とっくの昔にあんたと・・・・・・"あんたら"と縁を切ったんだ。これ以上夢に出てくるのは辞めてくれ。


ーー・・・・・・フッーー


今までの声とは違い、嘲笑うかのように息を吐く音が響く。ーー瞬間、身体中の血が凍りつき、ありとあらゆる動きが止まるかのような感覚。夢の中の筈なのに喉がカラカラに乾き、手足が震え、鼓動が聞こえるくらいに激しくなっていく。


辞めろ、それ以上何も言うんじゃねぇ。俺の中から出て行きやがれ!


ーーお前なんて″死んでしまえばいい″ーー





「ーーーー・・・・・・っ!」


目が覚めた瞬間、ガバァっと効果音がつきそうなくらいの勢いで起き上がる。


「はぁーっ、はぁーっ、・・・・・・ぐっ、はぁ・・・・・・はぁ」


息が荒い、心臓の鼓動がかなり速い。どうにかして意識を聴覚に集中させるとまるで釣鐘の如く響いているのがわかる。普段かかないはずの寝汗も今日は凄い。寝間着の浴衣が全身びっしょりだ。額に髪の毛が寝汗で張り付いて気持ちが悪い。


と、そこであるものに気付く。


「これは・・・・・・涙?俺はーー泣いているのか?」


俺は滅多に泣かない。アニメや本、ゲーム等で泣くことはあってもそれはノーカン。それ以外で、日常での痛みや悲しみでは泣いた覚えが無い。じいさんが死んだ時も涙には一つ出なかった。俺が″死″というものに対して割り切っているというのもあるが、やはりそれでも異常だと言う。そんなんで、俺は泣いたことが無い。


いやーー1度だけあった。正確にはあったような気がする。殆どーーいや、全くと言っていいほど記憶が無いが、あったということだけは覚えている。あれは何故泣いたんだろうか。


どうやっても思い出せないものは考えても仕方が無いので、学園へ行く準備をする。ほら、「考えの答えを出したいなら考えるな」って言うだろ?言わないか?言わねぇな。だってこれ俺が今考えたことだし。まぁ、あれだ。ふとした瞬間に浮かぶもんだ。そういうのは。決して「考えるな、感じろ」という訳では無い。しっかし考え考えうるせぇな俺は。まぁ、俺以外に聞こえないんだけどさ。


なんていつものように超どうでもいいことを考えながら(また言いやがった)顔を洗って歯を磨く!・・・・・・そうだよな。こんなこと言いながら洗面所の扉を開けたって嫁さん(違う)がパンツを下ろしていたりしないよな。そんで、カゴには兎の着ぐるみパジャマが入ってる訳でもない。でも、うちの扉は木製の和風なんだからそんなこと考えたっていいよな。(だからうるせぇって)暇だし。


ただ、決定的な難点は俺が一人暮らしってところだ。こんなだだっ広い和風建築の御屋敷と呼んでも過言ではないような家に住んでいるのに1人だぜ?全て自由な楽園だと思った?残念!違いまーす。実際はめちゃくちゃ手入れとか掃除が大変です。余裕で休日を潰せるレベル。お手伝いさんとかは雇ってない。それは俺が嫌だから!じいさんも雇ってなかったし別にいい。あと俺がヤダ。俺がヤダ。これ超大事だからな。ここ、テストに出ないぞー。出ないのかよ。


そんなこと考えつ(だからもういいつってんだろうが!)うるせぇ逆ギレすんじゃねぇ。


言ってなかったが、俺は時間の無駄を極力無くしたいという考えからなんと、なんと、ななななんと!(ゴクリ……)ち○ちん(殺んぞ?)すいません。しかし、俺は何処の饅頭だ(お前が勝手にやったんだ)


気を取り直してなんと、なんと、ななななんと!(ゴクリ……)並列思考をするための仮想人格を作ることに成功したのであった。(マジかよ)さっきからうるせぇお前の事だよ(そうだったな)


・・・・・・いや厨二病じゃないぞ!?もう卒業済み・・・・・・のはず。『男なら誰しも心に厨二病』と言う言葉がある通り厨二病が治ることは無い。ついでに卒業しても時折ぶり返す。なんか癌みたい。


・・・・・・え、そんな言葉無いの?


とまぁ、一人なのに1人で居る気がしないというなんとも奇妙ではあるが、割と役に立っているこの人格。割と便利。・・・・・・俺はさっきから1人で何してんだ?まぁいい。ちょっと黙ってろ。(はーい)


仮想人格を黙らせた後、洗濯物を干し、飯を食って、着替えて家を出る。時刻は八時半を回った頃だ。


愛用のチャリ(相棒)に跨り、イヤホンを挿したらいつもの音楽。そう!ラブラブ甘々なエロゲソングだ。これが俺の登校Style。イヤホンからエロゲソングを流しながらチャリを漕ぐ・・・・・・俺の愛する茨城では周囲の音が聞こえて運転出来るならOKだ・・・・・・だよね?俺、間違ってないよね?まぁ、最悪の場合を想定して、同化して見えづらくなるようなカモフラをしているから多分大丈夫だろう。


それにしても、最近ここらで見かけないな。前はよく見えたんだけどな。サノバの痛車。


学生の朝と帰りは自転車の性能からオーバーランする速度を出すと言うが・・・・・・俺のチャリ(相棒)は長年使っているため改造を施しまくっているからどこまで出せるのか気になる。最後に測ったのは・・・・・・確か39km/hだった筈。割と遅いな・・・・・・まぁ、一般道路だし。これ以上はアカン。捕まってまう。俺は何キャラだ?


そもそも、俺のママチャリじゃあケイデンス的に限界が近いのでよくやった方だと思う。主に俺の体が。


・・・・・・あ、学園着いた。


駐輪場へ行き、チャリを停め、教室へ向かう。確か一限は世界史だったはず。・・・・・・課題とか出てないよね?


ーーーーーー


キーンコーンカーンコーン・・・・・・

本日の授業が終わった。手抜きじゃないかって?だってめんどいし。ダラダラやってもつまらないだろ。


帰りのSHRも終わり、真っ先に扉へと向かう。じゃないとアイツが・・・・・・彼奴(きゃつ)が来る!


ガララッ


はいわかってました。えーえー、わかってましたよ。それはもうわかってましたとも。こいつがここにいることくらい。それはもう、『1+1』の答えくらい簡単にわかってましたよ。


ちなみに『1+1』の答えは2じゃなくて3な。1つと1つが出会って新たな命が産まれるのです。わぁロマンチック。凄く馬鹿みたい。


「・・・・・・どこ行く気」


「愛する我が家へと。俺には帰る家があるんだ」


ふっ、我ながらよくもまぁスマートに拒否ができたもんだ。まぁ、拒否・拒絶は俺の109の特技の一つだからな。原作超えちゃったよ。別モンだけど。


「そんなバカ言ってないで生徒会室に行く」


「ヤダ」


「・・・・・・(イラッ)」


少々ドヤ顔で即・拒否!をすると癇に障ったのか紅葉は苛立ちを見せる。それにしても、こいつの表情ってそんなに変わんねぇな。誤解されやすいんじゃないの?


「いいから行く。もし抵抗するのであれば・・・・・・」


「どうする気だ?」


「理事長から『蹴り上げるとか踏み潰すとか不能にしてでも連れて行け』と許可を貰ったので実力行使・・・・・・」


「怖いよ。俺が何十年も、それも産まれる前から連れ添ってきた大切なムスコを潰そうとするなや。な?だからその足を床に付けろ?力を入れるな?蹴り上げの体制止めよ?」


ホント怖い。命令する悠ちゃんもそれを迷わず実行するこいつの思考回路も。


「まぁ、後ろ扉の前ここで話すのもなんだ。とりあえず廊下で話そうぜ。和解しようぜ。」


「・・・・・・ん。早くして」


良かった。それくらいの理性的判断力はあるみたいだ。これで首の皮一枚繋がったな。俺そんなに生死の狭間に居るの?


とりあえず廊下の端にある開けた場所に行く振りをして全力で逃げる。


「・・・・・・!?」


なんか紅葉表情が驚きに変わったように見えたが、それくらい予測出来ないもんかね。この手口は二度目だぞ?三度目だったか?まぁいいや。


兎に角走る、走る、全力で走る。50m走6秒台の脚力舐めんな。


無事に家に帰る・・・・・・なんて死亡フラグ的な思いで昇降口へ向かう。自転車に乗って校門を出てしまえばこっちのもんだ。


だがしかしーー昇降口には奴がいた。つーか嘘だろ?俺よりは後から走ったのに俺より先に居るとか・・・・・・そんな近道あったか?これでも最短距離を走ったはずなんだが・・・・・・そう出なかったらどんな脚力してんだ。あんな足で一撃加えられでもしたら確実に不能になっちゃうよ。


幸い、やつは俺には気づいていない。昇降口の手前に隠れられる物陰があって助かったぜ。さて、どうするか・・・・・・


と、そこで背後からの気配を察知する。これはーー


「ん?奏士、ここで何をしている」


やばいやばいやばい。ここで悠ちゃんはやばい。確実に今見つかっては行けない人に見つかった。こんなもんあれだぞ?MISSIONクリアあと一歩なのに背後からハンターに捕獲された気分だ。


「い、いやぁ・・・・・・へへっ、悠ちゃんこそここで何を・・・・・・」


「ああ、私か?私はな・・・・・・逃げ出した愚か者を捕獲しに来たのさ」


「あ、ちょっ、まっ、その構えはNoー!」


「奏士・・・・・・歯を食いしばれ。」


その構えはアレでしょ!同時に数回殴るというシンプルかつ強力な技でしょ!・・・・・・アレ最後にインフレ起こしちゃったんだよなぁ。


「6連・・・・・・釘パンチィ!」


「あふっ・・・・・・ふっ、はっ、がっ、げっ・・・・・・ぐはっ!」


悠ちゃんが渾身のパンチを放った直後、腹部に六回の衝撃をくらった俺は意識を手放すこととなったーー

かきたいものを合わせたら長くなっちゃった(๑>؂•̀๑)テヘペロシャーないから2回に分ける予定。

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