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輪廻のFate Line  作者: 怪人アホ面男
5って割と区切りやすいから便利だよね
51/133

トモダチ……え、誰と誰が?

前回だか前々回だか前前前世だかに紅葉と約束した土曜日がやってきた。 いつもの時間に目覚めて顔を洗って歯を磨く。 仕上げはお義母さんってね。 だいぶ複雑な家庭らしい。


しっかし、こう鏡で自分の顔を見ていると自分の名前が分からなくなってくる。 君の名は? これがやりたかっただけってのは俺とこの世界の観測者だけの秘密。 ところで観測者って誰? 神か? 傍観主義の神か?


でも実際、エロゲとかギャルゲーだとかそれ系のゲームやってると自分の本名って曖昧になってくるよね。 俺みたいに普段から名前呼ばれない奴だと尚更。


凄いぞ。 紅葉達と出会う前は悠ちゃんとも助と瑠姫さん位しか話す人が居ない上に、誰とも話さない日が当たり前だったからな。 自分の名前が『奏士』なのか『雄二』なのか『星司』なのか分からなくなったからな。 それ即ち幾つもの名を持つ男って事だ。 持ち過ぎて本名忘れてんのバカ丸出しだけど。


「……む」


そんな過去を振り返りながら鏡の前でお義母さんの代わりに自分でシャコシャコシャチホコっと仕上げをやっていると、ガラッと扉が開いて寝癖で髪がボサボサの紅葉が現れた。 君扉閉まってるならノックしようぜ。 俺が全裸だったらどうする気だ。 いや、全裸で歯磨きとか一人暮らしじゃなくなってからしなくなったけど。 風呂上がりって髪乾かしたら服着る前に歯を磨きたくなるよね。 髪乾かす時も全裸という事をこっそりとバラす痛恨のスミス。 誰だスミス。


「……おはよ」


「はーさん」


一瞬紅葉のえげつない寝癖に気を取られたが、挨拶をしてきたから返す。 挨拶とかってとりあえず伝わればいいから発音が変わってくる。「お願いします」が「ねいしまー」になるように。 分からん? そういう事だと理解しろ。


とりあえず女の身支度は時間がかかる事を理解している俺は、このままここで会話を続けるよりも即刻退避する方を選択した。 うがいうがいガラガラペっ!


はい今「風車」を連想した人手を上げ下げしなさい。 上げ続けろよ上げ下げするとかブートキャンプか。 隊長にドロップキック食らわせてやれ。


「……今日の朝ご飯は?」


紅葉が寝癖で絡まった髪を櫛で梳かしながら鏡反射の視線で聞いてきた。 ここは「トンカツトンカツ」とかボケた方がいいのかしら。 朝からトンカツはキチィけど。 朝は茶漬け一杯もキツイのに。 朝はトマトとフルーツ系ジュース飲んどきゃなんとかなる。


なお、あれは「トンカツトンカツ」じゃなくて「ドンカッドンカッ」らしい。


「米と卵と肉と豆腐と味噌と何かしら」


結局普通に答えた。すげぇ曖昧なのは伝わっただろう。 いや、俺何も考えて無かったし。 とりあえず米は炊けてるから冷蔵庫の中身で決める方向で。 最近米ばっかだから夕飯は麺類にしようか。 最近手打ち麺作って無かったから明日辺りでも作ろうかねぇ……


手打ち=美味いとは限らないが、俺は変な所に凝るタイプだ。 だから『ラーメン食いてぇな』ってなったら麺から秘伝スープまで勉強研究試作改良最後に試験屋台までやった。 去年の学園祭はこれで稼がせて貰った。


家庭菜園はともかく、田畑は場所的に無理だから諦めた。 後虫的にも無理。 でも田んぼは作りたいな……米から作ってみたい。 畑は一応作ったけど、庭のスペースで出来るような小規模だからなー


それはそうと、紅葉のワンピースパジャマの肩掛け紐がズレてて今にもずり落ちてマシュマロポロリしそうな事は言った方がいいのかしら。 どう言っても無理そうだから無視しよう。 とりあえず見なければセーフ。 退散しよ。


「朝飯の時間になったら呼ぶから待ってろ」


「……ん」


そう言って俺は『センタクキ オン』とボタンを押して稼働させ、戸を後ろ手で閉めて厨房へと向かう。 俺のエプロンエプロンロン……プロンロン論論より証拠。


しかし、厨房入口のロッカーの中をいくら探してもエプロンは見当たりません。 あれ? My エプロンは? ロッカーにかかってないんだけど。 婆さんちょっと来てくれんかのぅ……蕪を引き抜くのを手伝っておくれ。 蕪何処だよ。


……あ、そういや昨日、洗濯機ぶち込んだっけ。 うっかりうっかりうっかりしちゃったどうしようあばば。 大きな蕪同様、戦犯はお爺さんもとい俺でした。あの爺さん引き抜くとき蕪を足で踏んづけてんだから抜けるわけねぇだろ。


……そういやあのジジイ、『大きな蕪引っこ抜きたいから品種改良(改造)でクソでかい蕪作ろうぜ』ってガチめに依頼しようとしてたなぁ……その後は決まって婆ちゃんの説教がお待ちかねだけど。 お待チカネフクキタルだけど。


とりあえずエプロンの代わりに割烹着──はそもそも俺持ってないから、ジジイのお古のコック服を着ることにした。 なんであのジジイこんなの持ってんだ? コスプレか? あの人の本職不明だけど、、コスプレだとしたらこの服で何をしてたんだ……


それはそうとあのジジイひょっとして無職か? 定年退職とかじゃなくて、初っ端から。 つまりこの家は、この空間はあのニートの楽園『ニートピア』だったってことか……俺もつい数年前まではそのニートピアで生活してたけど。 無職がムシャクシャしてやった……むしょくしょしてやったってな。くだんね。 この思い付き100%久しぶりな気がする。


コック服に着替え、いつも通り頭がとち狂ってる事を確認して、ついでにまな板持って厨房の扉を開ける。 ロッカーにまな板入れた覚え無いんだけどな。 まさか小百合さんか悠ちゃん辺りが自分のまな板と料理用のまな板を区別出来なくなったか? 悠ちゃんはともかく小百合さんはまだ成長の余地があると思うから気にしなくていいのに……恋人も居るんだし。 おっと電話だ。


「俺だ」


『なんか言わないといけない衝動に駆られてな。死ね』


「は?」


そこで切れた。 相手は悠ちゃんだった。 一体どういう状況? 悠ちゃんが早起きしてるなんてどういう状況? 悠ちゃん休みの日は半日寝てるのに。


『よいしょぉ〜! よいしょぉ〜!』


そこで再びスマホが鳴った。 力士の四股踏みの着信音は生徒会関係じゃなくて禍塚辺りか……


「我だ」


『くたばりあそばせ』


「なんと?」


またそこで切れた。 あの二人監視か盗聴でもしてるんじゃなかろうな……朝から殺害予告なんてドキドキしちゃうね。 このドキドキを鎮めるために昔作った土器割ってこよ。 めっちゃ土器土器してる。


そこで三度目の着信が。 またか。俺の着信履歴が凄いことに。 一日に三件も来ちゃったよ。 履歴消すの大変だからしないでくんないかな……


そこまで大変じゃないって事はここだけのき・み・つ@♾アットインフィニティだから。 @♾を使うのは去年作ったオリキャラ『のりたま@♾今村』以来だな。 こいつの決め台詞は「のりたまはねぇ……インフィニティなんだよぉ」 改めて考えてもマジで意味が分からん。


「麿でおじゃる」


『あんた死になさい』


「あんた関係無いだろ」


そこでまた切れた。 皐月さんは今回はマジで無関係なのに……つーか小百合さんと皐月さんに連絡先教えてないのに何処で漏れた。 だいったい予想できるけど。


とりあえずベルは尻叩き──はスパンキングプレイとして扱われそうだから刑は何か考えておくとして……後で航海させてやる。 ひとつなぎの大秘宝でも探してこいよ二度と帰ってこなくていいから。


なんでまな板からこの流れになったのか自分でも分からないが、これだけ狂った思考ができるなら今日の俺は絶好調最高潮アゲアゲハって事だ。 おっしゃ今日も一日頑張りたくないなぁ……


「なー(飯寄越せ)」


重政にはとりあえずキャットフードを与えて、俺は朝飯を作り始める。


という訳で見所無いから大幅カーット!


─────────────────────────


という訳で朝飯の記憶が無いが、それはそれとして俺は部屋をお片付け。


お方付けつっても、俺は普段から綺麗にしてるから布団畳んでるだけだが。 紅葉の。


いやー驚いたなぁ。昨日(寝る前だから正確には今日)ネグリジェ姿の紅葉が枕だけ持参して急にやってきたもんね。 そしてまた布団盗られて俺はダラクッションで寝るってね。 何故かと聞けば「起きたら直ぐに遊べるように」って一言だけ言って寝やがった。 紅葉ネグリジェとか持ってたんだね。


という訳で、俺の愛する布団は俺の匂いじゃなくて紅葉の匂いがする。 布団から他人の匂いがするってすげぇ気になる。


とりあえず、紅葉でも一応人だから礼儀として掃除機くらいはかける。 重政ちょいとお退きよ。


ちょいちょいっと重政をつんつんしても動きません。 尻尾でペシペシするな。


どうやっても重政が動く気配が無い。 しゃーないから重政を片手で抱えて掃除をする。 夏だから重政の毛が冬よりモフみが無い。 が、これも悪くない。


そして掃除も終わって重政との触れ合いを楽しんでいると部屋の扉が開いた。 もうノックすらされなくなった事は諦めたから無視する。


「紅葉ちゃんノックしようね」


しかしそんなことは置いといて、NOノックだとプライバシー的に危険だから言う。 俺が慰め中だったらどうする気だ。


「ノック……必要?」


ほらこんな事言う。 不要だったらお前が着替え中でも入るぞ俺は。不要……あ、不YO!


「……遊ぼ」


「だろうね。 準備は出来てるからとりあえずそこ座れ」


俺がそう言うと、紅葉は扉を閉めて机挟んで向かい──じゃなくて俺の隣に座った。 狭いんだけど。


「重政……もふもふ」


「にゃー(うっほやべぇ! 美少女到来だやっべぇ!)」


紅葉にもふもふされる重政。 お前猫だろ。 猫が「うっほ」とか言ってんじゃねぇよ。 こいつやっぱり猫じゃないだろ。


つーか重政白猫で体毛白いのに、紅葉のワンピースも白いから重政どこにいるか分かんねぇな。 とりあえず一部分だけワンピースの生地と違うからそこだろうけど。


「で、遊ぶのはいいけど何すんだ?」


現在時刻、朝の09:35です。 普通に朝ですねぇ。ゲーセン行こうにも店は大抵10時からだし、そもそも行くの面倒臭いし。


「……ゲーム」


現代っ子な返事だ。 俺も大差無いが。


という訳でここも大幅カーット!!!


というか訳にも行かないから一部公開しちゃうゾ。 全部見たければ有料プラン入ってね。 なんの有料プランなのか知らんけど。


─────────────────────────

「っ! おい亀投げんな」


「……当たる方が悪い」


---------------------------

「……負けた」


「格ゲーでお前に正面から勝てるとは思わなかったわ」


---------------------------

「『デカい胸』ってなんなんだろうな」


「……唐突な話題」


「いやほら、デカい胸って言っても、巨乳爆乳怪乳色々あるだろ。 そんでもってその差と基準が知りたい訳よ」


「……言いたいことは分かる」


「そもそもの定義が曖昧だから、基準そのものが無い。 カップで決めるって言っても、今は摂取栄養や下着が昔と違うからGHIとか居るが、昔はBCあれば巨乳って言われてた。そもそもカップはトップとアンダーの差だから、そこも人によって違う。 胸は普通でも細身の人は自然とカップ数が大きくなる。 じゃあバストサイズなのかってなると、太ってたり筋肉質だったりで90、100超えたりもするし、逆に大きくても細身・小柄だったりで80、70だったりもする。 流石に70は痩せすぎだが」


「……ちょっと引くけど、続けて」


「カップ数でもバストサイズでも無い。 じゃあ何が巨乳を巨乳たらしめるのか。 俺は二つの結論を出した」


「……二つ?」


「一つ目は比較。 視覚的基準だな」


「……視覚的基準」


「例えるなら肩幅とか腰だな。 がっちりしてる人と細身の人じゃ、同じバストサイズでも全然違うだろ。 例として85センチを想像すると分かるか?」


「……何となく」


「じゃあ次行くぞ。 二つ目はイメージだな」


「イメージ……感覚?」


「そう、感覚的とも言えるし、こっちも視覚的とも言える。 要するに、人は見た感じで認識するって事だ。 着てる服の大きさ・模様・その人の立ち方次第で見え方は変わる。 ゆったりしてる服着てる人と、ぴっちりしてる服着てる人とじゃ胸の見え方は全然違う。 隠れ巨乳がいい例だな」


「……なるほど」


「後は胸の形。 垂れてる人と、半球型の人とじゃ違うだろ? 服の上からじゃ正確には分からんから、服の押し上げ具合で大きい小さいを感覚的に見分けてるって訳だ」


「……奏士の実体験?」


「俺がそんなことするか。 話を戻すが、『大きな胸』ってのは要するに個人の感覚で定義が変わる、あやふやなもんなんだなって事だ」


「……言いたいことは分かった。 奏士が女の子にこの話をした事はちょっとドン引きだけど 」


「お前がいつも俺にやってる事だけどな」


「それで……その話をしながら貧乳キャラを攻略してる事について詳しく」


「今日はロリの気分だったで終わりだろ」


─────────────────────────


てな感じだった。 最後二人でギャルゲーやりながらあんな話してたのどうかしてる。 結局言いたいことは分からない。


で、今は紅葉の提案で散歩中。 紅葉の大好きなお散歩。 俺はあんましやらん。 外出ると家帰るの面倒だから。


「……蟻さん」


「行列だな」


紅葉と二人屈んでせっせと餌を運ぶ蟻をじっと見る。 おいそこの坊主こっち見んな。


「蟻の行列を見てるとサラリーマンを思い浮かべる」


「奏士は残りの二割」


うるせぇ。 俺は働きアリの法則通り、残りの2割となって備えてんだよ。 備えても働かないが。


「公園は、子どもがいっぱい」


「ガキは嫌いだ。 すぐ泣きやがる」


同じ理由で赤子も嫌い。 と言うより、なんでも直ぐ泣くやつが嫌い。 例え泣いても、震えてもちゃんと向き合って対応するのは好きだけど、泣いてばかりで何もしないやつが嫌い。 そういう意味では泉ちゃんは前者だから嫌いじゃない。 後者なら多分今とは違う。


「……何やってんだ?」


紅葉が邪魔にならないその辺にしゃがみ、木の枝で地面になにか描いてる。 ここは公園だから18禁はダメだぞ。


「……地面にお絵描き」


「今更地面に描いて楽しいのか?」


「……楽しい」


紅葉は微笑み楽しそうだ。 本当に絵を描くのが好きなのか、それとも演技なのかはわからん。 ダメだやっぱり他人を信じられん。 何でもかんでも疑う俺が嫌いじゃない。 好きじゃない。 はてさて本音はどれだ。


とりあえず紅葉が熱中症にならないように麦わら帽子を被せる。 ニート寸前の俺の白さじゃなくて、生まれ持った白い肌なんだから紫外線対策しとかないと。


「……できた」


紅葉が完成した絵をドヤっと見せてくる。 移動して確認してみると、よく分からんグラサンの男。


「……誰?」


「のりたま@♾今村」


「お前まさか俺のノート見たんじゃないだろうな」


「……ノート? これは千面童子先生のツイッターにあった」


おっとやべ。 紅葉に秘密にしてるんだった。


「……もしかして、奏士は──千面童子先生のファン?」


良かったアホで。 紅葉がアホで良かった。


「そんな所だ。 俺も自分で描いてみたんだよ」


それにしても紅葉ちゃん俺の作者ツイッター見てるのね。 意外。


「……飽きた」


その後、紅葉の周囲が絵で埋まる位描いた。 飽きるの唐突だね。本当に子どもみたい。


紅葉が立ち上がると同時に紅葉の腹が鳴った。 ついさっき俺の部屋でピザ2枚とポテトとチキン食べたでしょ。


「腹減ったなら何か食いに行くか?」


「……奏士が行きたいなら」


紅葉は自分の腹が鳴ったことを隠す方針の様だ。 無理だから。


さてどこに行くか……紅葉が食べたそうなものはなんだ? 俺は特に無いしそもそも腹減ってないから別にいいとして、焼肉──は臭いが服に着くから却下。 でも紅葉の摂取量的に最適。 食べ放題はこの辺だとしゃぶ屋位しかないが、紅葉には物足りないから却下。


「……! いい所がある」


そう言うと紅葉はふらっと先に行った。 どこ行くんだお前さん。


「……ここ」


「ここは……」


公園からちょっと歩いた場所のある、この辺に住んでるなら誰でも知ってる駄菓子屋だ。 なんというか、懐かしい感じがする。 何度か俺も来てるけど。


「安くていっぱい。 お気に入り」


「駄菓子屋とか最近行ってなかったな」


というか、この駄菓子屋まだやってたんだ……最近シャッター閉まってるから閉店したのかと思ってた。


「……こんにちは」


「ちわー」


自動ドアを開けて入ると、所狭しと大量の駄菓子が。 店主は不在もしくは奥か……


「居ないけど入って大丈夫か?」


「買う時に呼び出せば大丈夫」


そう言うと、紅葉は入口の籠を二つ腕にかけて駄菓子を入れ続ける。 俺はとりあえず物色。


「お、舌の色変わるガムとか懐かしいな」


昔全部纏めて噛んで舌でカオスアート作ってたな。 こっちはスクラッチ付きの奴だ。 当たると値段分貰えるやつ。


「……さつまいものじ○がりこが無い」


「あれは期間限定だから売ってないだろ」


紅葉がこの世の終わりみたいな顔をした。 そんなの食べたかったの?


「……じゃあメルテ○ーキッスは?」


「あれも確か冬季限定だ。 そもそもこんな場所には置いてねぇ」


紅葉が再びしょんぼりモード。 だからそんなに食べたかったのかって。


「……仕方ないからスクラッチ駄菓子を有るだけ買う」


「いいカモじゃねぇか」


しかしそれだけ買っても痛まない財力がこいつにあるから気にしない。 でも財布とスマホ邪魔だからって俺に持たせるな。 こちとら作務衣だから収納場所限られてんだよ。 何故女物財布ってこんなにゴツゴツして分厚いんだ……


紅葉がレジの前に山盛りになった籠を置いて呼び出しボタンを押す。 しかし現れない。 2度3度押してみても、結果は同じ。


「……来ない」


紅葉は諦めたのか、それともいつもの事なのか、すぐ側にあった椅子に座ってぼーっとしている。 早いよ諦めが。


しかしこのまま待ってても仕方が無い。 だから俺はおーきく息を吸って吐いて〜


「おいババアー! 客が呼んでんぞー! はよ来いや死に損ない!」


奥に向かって大声で呼ぶ。 紅葉はびっくり目を丸くしてる。


「煩いねぇクソガキィ! 今競馬見てんだよちょっと待っとれェ!」


奥から店主ババアの返事が返ってきた。 まだ生きてやがんのか。


「……奏士、大丈夫?」


「まぁ大丈夫だろ。 このまま待ってな」


びっくりしている紅葉を宥め、待つこと5分後。 奥から足音が近付いてきた。


「ちっ! 最近のガキは待つことすら出来ないのかい……」


いかにも『駄菓子屋のおばあちゃんです』みたいなファッションの老婆が出てきた。 この口と態度と顔と性格と頭が悪いババアがこの店の店主だ。


「あんた待ってたらその間に人生3週できるわ」


このババアはとにかく時間にルーズだ。 その昔、デートに待っていた男(被害者)を4時間待たせた挙句、謝りもしなかったそうな。 遅れた理由は「確変が止まらなかったから」 パチンコ行ってたんだデート前に。


しかし、このババア駄菓子屋は趣味で本職はギャンブラーなのだから末恐ろしい。 それで生活出来てるって凄い。 やりたくはないけど。 確勝以外はヤダ。


「あー? 誰かと思ったらあんたかいクソガキ。 珍しく顔見せたと思ったらババア呼びとはなってないねぇ」


「あんたもクソガキ呼びしてるからおあいこだ死に損ない」


開口一番罵りあいから始まる会話に紅葉は心配そうに見てるが、別に不仲な訳じゃない。 いつもの事だ。


「奏士……知り合い?」


「このババアは昔からの、俺の爺さんが生きてた頃からの付き合いでな。 俺の爺さんとは、所謂幼馴染って奴だ」


紅葉が耳元でコソッと聞いてきたから、俺も耳元で返す。 このババア爺さんの幼馴染で、婆ちゃんのライバル。 要するに、考えたくないがこのババア爺さんの事が好きだったのだ。 結局爺さんは婆ちゃんを選んだが、その後も仲は悪くなってないそうで、こうして爺さんの孫の俺とも付き合いがある。 あのジジイモテたのか……


「なんだい。 奏士如きが女を連れてると思ったら、小娘かい。 また棚を空にしに来たのかい?」


ババアの紅葉に対する呼び方がジ○リに出てくる口悪いけど面倒見のいいオバサンキャラなんよ。


「お前そんなことやってんの?」


「……量を埋めるため」


まぁ、店側としては売れないよりはマシか。 むしろ紅葉はお得意様だな。 一人で大人数分の売上だから。


「じゃ、さっさと会計済ませるから金出しな」


ババアの発言が裏社会なんだけど。


「……カードは」


「ウチはいつだって現金払いだよ」


ババアに言われた紅葉はクレカを閉まって財布から札を数枚出す。


「ひのふのみの……お釣りは560円だよ」


慣れた手つきで札を数えると、下の小銭箱から硬貨を取り出して紅葉に手渡し。 意外とここら辺ちゃんとしてんだよな。


「袋要るかい? 1枚5円、2枚で8円だよ」


「……奏士が全部持つから大丈夫」


「持たねぇよ買えバカタレ」


結局袋買っても俺が持つことに変わりはないけどな。 俺は学習する男、持たされるのは目に見えてる。


「食いたきゃ外の机と椅子を使いな。 これはオマケだよ」


そう言ってババアはガラス張りのジュース用冷蔵庫から二本の缶ジュースを投げてきた。 炭酸投げんなババア。


「……おばあちゃんありがと」


「フン、さっさと失せなガキども」


「あんな事言ってっけど本当は嬉しがってるから気にしなくていいぞ。 あのババアツンデレだから」


「聞こえてるよクソガキ!」


やべ、早く退散しないと。


ババアが乗り出して襲いかかって来ないうちにと紅葉の背中を押して外に出る。 あのババア近所の小学生に『山姥』って渾名つけられてんの知ってんのか? でも女には優しい。


『男に当たり強くて、女には優しい。 ツンデレが見た目的に苦しい相続者も居ないババア』……やっぱりくそババアじゃねぇか。


とりあえずババアからは逃げ切ったから、袋を机の真ん中に置いて席に座る。 紅葉は向かい側。


「……外れた」


俺は貰った缶ジュースを右手でカシュっと開けて出口付近の縁を噛んで顎の力でだけでジュースを飲む。 めっちゃ疲れるで。


で、当の紅葉は駄菓子を開けて食べてスクラッチ開けて食べてスクラッチ開けて食べてスクラッチを繰り返している。 入れすぎてほっぺ膨らんできたよ。


「……当たった」


だるまの絵柄が揃ったってことは……50円分か。 まあまあの当たりだな。 駄菓子の当たり1つで喜べるとか平和だな。


「……また当たった」


今度の当たりは100円分。 当たったスクラッチを見て紅葉が目を輝かせている。 子守りしてる気分。


「……交換してくる」


紅葉が両手いっぱいに当たりくじを大事そうに抱えて店に入る。交換量的に今回の売上と相殺されそうだけど俺には関係無いから手を振って見送る。 ここは日陰になってるから涼しくて過ごしやすい。


数分後、交換してきた紅葉が駄菓子を大量に抱えて戻ってきた。 袋買え。


「……あげる」


その両手いっぱいの駄菓子を俺に渡してきた。 なにこれ在庫処分? 飽きたから後は頼むってか?


「……今日遊んでくれたお礼」


あ、そういう事ね。 とりあえずそういうことにしとく。


そうして受け取ったはいいが、これどうしよう……とりあえず持って帰るか。


その後一時間ほどその場でダベったり駄菓子パーティをしてたが、さすがに日も暮れて来た。 ゆーやけこやけでひがくれてーってね。


「そろそろ帰るか」


紅葉はこくりと頷いた。 じゃあゴミ集めて袋に入れて、ゴミ箱へあ゛ーい゛! とぶん投げる。 無論、入る。


「ゴミを投げんじゃないよクソガキ!」


そう言いながら自分もゴミを投げつけてくるババア。 てめぇくそババアこれよく見たらアルミじゃなくてスチール缶じゃねぇか!


「あーはいはいそんなにキレっと血管切れるぞババア」


とりあえずこの缶も缶箱にぶち込む。 早くくたばんねぇかなこのババア。


「全く……いつまで経っても生意気なガキだねぇ」


「何時までもくたばらねぇババアに言われたかねぇよ」


「口だけは達者なガキだよ、ホント」


しかし、ババアの口調はどこか嬉しそうに感じた。 ま、ババアも暇なんだろ。


「ちゃんと飯食ってんのかい? 彼女居るんだから、女を置いて死ぬ男程みっともないもんはないよ」


「……ちょっと待てババア。 誰が誰の彼女だって?」


「……なんだい。 あの娘と付き合ってるんじゃないのかい?」


「なんだババアとうとうボケたか? あいつは彼女なんかじゃねぇよ。 ただの居候だ」


「居候って……ああ、なるほどね。 部屋が余ってるから下宿始めたってのか」


「違ぇ違ぇ、全部悠ちゃんが原因だ」


「なんだいせっかくあんたに恋人が出来たからお祝いでもしてやろうと思ったのに」


「……おいババア正気か!? あんた本当にボケたんじゃないだろうな! まさか偽物っ!?」


「本当に失礼なガキだねアンタは!」


ババアのツンデレとか必要ないから。 頬を赤くすんなババア。 心臓動かしすぎて死ぬぞ。


「まぁいい……とにかく、元気でやんな」


「はいはい。 ババアも身体に気をつけろよ。 たまには禁煙しろ」


「安心しな。 禁煙2時間成功だよ」


「2時間は禁煙とは言わねぇよ」


このヘビースモーカーか。 いや、スモークジャンキーが。 なんでこのババアまだ死んでねぇの?


「じゃ、近いうちにまた顔出してやるから」


「そんときはアンタは来なくていいから小娘だけ寄越しな。 売上には貢献してくれるし店番してくれるだけで客が来るから万々歳さ」


「悪いが紅葉は他にやる事あるんでな。 俺のイケメンで我慢してくれ」


「アンタがイケメンなら、アタシは絶世の美女と呼ばれるさね」


絶望の魔女の間違いだろとは言わない。 言ったあとが怖いから。


そうして駄菓子屋を後にして、紅葉と二人、帰路に着く。 今日は色々あったなー。 そんな事より今夜何作ろうか。


「……お魚食べたい」


「魚か……じゃあ帰りにスーパー寄るか」


「……お菓子」


「お菓子は買いません」


「むっ……」


君スーパー行く事にお菓子買ってと強請るの辞めなさいよ。 年齢的にも財力的にも自分で買え。


「お菓子……」


「買いません」


スーパーに着いても諦めの悪い紅葉は一旦流してカートにカゴ装着! カートって便利だね。 御年寄がこれみたいなやつ推してる理由がわかる気がする。


「魚……鮭……ムニエルか。 生鮭売ってるかな……」


俺が食材コーナーをうろうろしてると紅葉の姿が忽然と消えていた。 まぁどうせ菓子コーナーに居るだろ。


「生鮭と……バターも少ないな。 味醂と料理酒と……ビールは今日持って帰るの面倒臭いから後ででいいや」


カゴに商品を入れ終わって紅葉を迎えに行くと、やっぱり菓子コーナーでしゃがんで唸っていた。 凄い、さっきから紅葉付近を通る人全員がチラ見してる。 見た目は美少女だからか。


「……はぁ」


このまま動かなそうだから俺は諦めました。 まぁ買っても紅葉の家賃から払われるし別にいいか。


「ひ……一つだけなら良いぞ」


「じゃあこれ」


「早いな選ぶの」


もしかして作戦? 俺折れ待ち? やだもうこの子ったら策士なんだから。 要らん知恵を回すな。


とりあえず紅葉も拾ったから会計を済ませ、持参のエコバッグに詰める。 外出るなら財布とスマホとエコバッグは必須。


そして家に帰って食材冷蔵庫にブチ込んで洗濯物畳んで小休憩。 まだ飯の時間じゃなーい。 だから結局紅葉と遊ぶんですけどね。


「にゃー」


「にゃー(何言ってんのかわからん)」


紅葉は重政に向かってにゃーにゃー鳴いて対話を試みてるが、当の重政には伝わってない様子。


「……伝わらない」


「何を伝えようとしたんだ?」


「発情期はいつ?」


「重政に近付くな」


紅葉から重政を取り返して避難させる。 何するか分からん。


「……にゃー」


「俺に言っても意味無いぞ」


なんて事があったり。


「……何処にも無い」


「本人の目の前で家探しする度胸は認めてやる」


「奏士の愛読するエロ本が見当たらない」


「そもそもエロ本を読まねぇ」


何この子平然とエロ本探してんの? 読むの? 貸さねぇよ。


というか、俺はエロ本だろうがエロゲのパッケだろうがエロ同人だろうが普通に本棚INだぞ。 隠さず、堂々と。


「……生徒会長として、役員の性事情と思考は知っておく必要がある」


「控えめに言って頭イカれてる」


お前興味だけで動いてるだろ。 やっぱりベルと大差ないわ。


「……でも、純粋に奏士の好みは気になる」


「不純物混ざってるぞ」


なんて事があったりした。 頭痛薬と胃薬効果無いのかなぁ……


そして飯食って風呂入った後。


「今夜は寝かさない」


「オールするのは良いけど髪乾かしてから来いや」


風呂上がり直後の紅葉の両肩を掴んで洗面所へ押し戻す。 あーもう床が濡れてるじゃん。


「床拭いといてやるから、ドライヤーで髪乾かしてきなさい」


「……面倒臭い」


「あーもうじゃあこっち来い」


紅葉の手を引いて洗面所に連れ込んで俺が・・ドライヤーをかけてやる。 せっかくの銀髪が台無しになるでしょうが。


タオルでざっと表面水分を取って、ドライヤーの強風で大部分をガっと乾かす。 手櫛で風の通り道も忘れない。 その後は弱風で毛の先端を乾かして、最後に冷風でキュッと髪の形状を整える。 俺の髪も長いから、こういうところはちゃんとしないと。 ただでさえ紅葉の銀髪は珍しい&綺麗なサラサラなのに。


「ほれ、でけたぞ」


ドライヤーを止めると、紅葉がプルプルと首を振って目を開ける。 髪の先端当たって地味に痛いんだけど。


「おー……」


「これからはちゃんと風呂上がり30分以内に乾かすように」


「……面倒臭い」


「大事な事だからしっかりと。 次はちと遅いけど化粧水だ。 流石にこれは俺も私物でやる訳にはいかんから、お前の化粧水だな」


化粧水って物によって合う合わないあるから個別にしないと。


しかし当の紅葉は首を傾げている。


「化粧水……持ってない」


「……ワンモア」


「化粧水は持ってない」


「……今化粧水切らしてるとかじゃなくて、最初からって意味?」


俺が恐る恐るしたその問に、紅葉は頷く。


「じゃあ乳液は? クリームならあるだろ?」


しかし紅葉はこれにも首を振る。


マジか……一度もケアしなくてこの肌か……生まれ持ったものってデカいんだな。


というか紅葉って『太らないけどしっかりとつくところにはつく・ケア要らずの肌・美貌』って世の乙女が全力で欲しがるもの全てを持ってるんだな。 逆にお手上げ。


仕方が無いから、今回は俺の私物で代用するとして、後で買いに行かせないと……今は平気でも後々どうなるか分からんし。


部屋で紅葉の肌をケアした後はやる事が無い。 で、これから何すんの? 俺この後深夜アニメ見るから遊べるのは約1時間くらいだぞ。


「……何する?」


「やることないなら部屋に戻って終わりにするか」


「……駄目」


ダメみたいですね。 じゃあ何すんのさ。 ゲームは午前中やってたし、外出ようにも夜中で真っ暗だし、なんかやる気出ないし。


「じゃあ何すんだよ」


「…………」


「おっと黙りですか」


「……あ」


紅葉が何か思いついた様だ。 何すんの? 寝るの? まだ寝ないぞ。


「やっぱりゲームしよ」


「序盤に戻った」


しかしこの状況では無難だろう。 とりあえずゲームしとけばなんとかなる。


そんなこんなで紅葉と再びゲームして、アニメ見て、感想言い合って午前2時。


「……くー」


さっきからうつらうつらと船を漕いでいたもがとうとう落ちた。 今日はだいぶはしゃいだから疲れたんだな。 でも俺の背中は敷布団じゃないから寄りかかっても寝心地悪いぞ。


すやすやと安らかな寝顔だ。 さすがの俺もこれを起こして布団まで歩かせるのは気が引ける。 しょうがない運ぶか。


紅葉を起こさないようにそっと、ゆっくりと姫様抱っこで持ち上げるぅぅぅぅ脱力した人間重い! 年頃の少女相手に言うけど重い! ヤダ腕痛い! 腰も痛い降ろしいていい!?


悲鳴を上げる腰に従って紅葉を布団に寝かせる。 ベッドまで運ぼうと思ったけど無理。 だから今回も俺の布団。 またクッションで寝るのか……しかも今回は枕無し。


とりあえず紅葉には毛布をかけて、俺は髪を緩く結んで前に垂らして部屋の明かりを消す。 薬薬……なんで俺は薬飲む前に電気消してんの? どこにあるか分からないじゃんバカタレ。


記憶と慣れてきた視覚を頼りに薬瓶を開けて薬を飲む。 ふぃーっキマるぜ。


そして薬が聞き始めるのを待つ。 あー頭がぼーっとしてきた。 睡眠薬に抗おうとしてみてもあんまし効果ないんだよな。 ほら、授業中激しい睡魔に抗っても気がついたら寝てるみたいな。 そういう感じなんですか? ここまで言って他人事っていうね。 だって俺そういうの無いし。


夏とはいえ夜は冷える。 クッションの上で丸まって寝ようとしてると、重政がトコトコやってきて隣で丸まった。 重政お前優しいな。 起きたらご褒美をプレゼントしちゃう。 覚えてたら。


その思考を最後に、意識は深い闇へと沈んだ。


─────────────────────────


『早朝ゥ! 早朝ゥ! 朝ァァァァァ!!』


目覚ましの音で目が覚める。 今思うけどこの目覚ましの音何? すげぇ主張してくるんだけど。


一つ伸びをして両手を身体の左右にボフっと脱力して降ろすと、左手に畳とは違う柔らかい感触が。 あーそういや重政が隣で寝てたっけ……


重政を起こしてないかそっと触って確認する。 プニプニスベスベ……あれ、重政ってこんな感触だっけ?


そう認識した瞬間、過去の記憶が寄りがえって一気に覚醒する。 まさかまた俺は寝ぼけて紅葉の寝ている布団に──いや、寝る前と同じクッションの上だ。じゃあ一体──


「むむぅ……すぅ……」


モミジガ、イタ。


あれー? 紅葉ちゃん人の隣で何してんの? 君(俺のだけど)の布団あっちなんだけど。


揺すっても紅葉は目覚めない。 少し唸るだけで起きる気配が無い。 とりあえず、さっき触ってたのは紅葉のほっぺで本当に良かった。 ラッキースケベの定番「寝起きパイタッチ」じゃなくて本当に良かった。 危うく紅葉と入籍する所だった。 どうしてそうなるって話になるけどさ。


仕方が無い、俺は処女厨だ。 初体験の相手はもちろん、初めて付き合う相手も完全未使用であることを望む。 要するに「男の人と付き合ったこと無いです」的なやつ。 だから万が一裸を見てしまったら死ぬまで付き合うというクソ面倒なことをする。 だからこそパイタッチでも胸揉みでもしたら俺はその女と結婚する。 相手が完全未使用ならだけど。クソゲスいこと言ってる自覚はある。


とにかく、ほっぺで本当に良かったって話だ。 とりあえずこの小娘どうしよう。 あ、ババアの呼び方移った。


「むにゅ……すぴー」


本当に寝てんのかコイツ。 重政、ちょっとペチペチしてみろ。 紅葉の鼻提灯割るなよ。


「なー(寝てますぜ旦那)」


重政が紅葉の頬を前足でペシペシしても両前足でフニフニしても寝ている。 じゃあいいか。


「さて、と。 じゃあ準備始めますか」


日曜とはいえ休みは無い。 家事をやらなきゃいけないからな! 胸張って言うことじゃないけど。


「……ん?」


左手が何故か動かない。 重政後で構ってあげるから今は離して。


「なーう(俺はここだぜジョニー)」


ジョニー誰だよ。 でも重政が右手側に居るってことは……


「むむ……むにゃ」


紅葉が俺の左裾を掴んでいた。 寝てる? それにしてもビクともしないんだけど。 力強過ぎない? 掴んでいるのは指2本だけなのに何故両手でやっても動かないの? 力強すぎでしょ。


うんとこしょ、どっこいしょ、独鈷杵。 それでも紅葉は動きません。 えー……どうしようこれ。 誰が三鈷杵持って来て。


独鈷杵と三鈷杵で三叉戟を作ろうとしたけど無理だから、紅葉が起きるまで待つことにした。 幸い動かないのは左腕だけで、その他は動くからスマホは届くから時間潰しはできる。 でも洗濯物が干せない……


「むにゃ……すぅ……」


あーでも紅葉の幸せそうな寝顔見てたらなんかそれくらいどうでも良く感じてきた。 でもトイレどうしよう。 漏れないようにお祈り100回打ち込み100回だな。

うわぁぁぁぁぁぁぁ嫌だァァァァァァァァァァ!!!!!!

嫌だ嫌だ嫌だヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダ狂気が足りない狂気が足りない狂気が足りない狂気が足りないぃぃぃぃ!!!




はい、狂気注入から入りました後書きです。 今回はキリよく終わろうということでね。 9日も放置してたら当日になってて焦り散らしました。 実際はWiiを買ったのでWiisportsで遊んでたら筋肉痛になったって話なんですけどね。


それはさておき


最近主人公の狂気度が足りないんとちゃう?


という話題が出てこなかったので自分から出したのですが、最近の話を見返してみると確かに静まり返ってました。 なので今回はちょっと復活させました。 でもまだ足りない気がします。


今回は序盤以来の奏士と紅葉の回という訳でですね。 この二人の絡みを一話まるまる長文書くのは久しぶりもしくは初めての気がします。 最初の頃はどこかで別キャラ入れましたから。 今回のババアは別として。


この二人を書く時は『男女を意識した仲』ではなく、『お友達』といった感じで書いているのですが、なかなか難しいですね。 作者友達居ないので。 なのでだいぶ観察と想像とゲームの経験から書いてます。 『こんな友情があるか!』って人は『そもそもこんな奴ら居ねぇ!』って返します。 現実寄りですが、フィクションですので。


そんな事よりも


作者は極稀にドエロイ夢を見るのですが、何故か毎回登場するのが『幼女』(小学生くらい)で、シチュエーションが毎回『本番へ行こうとすると邪魔が入ったり夢が切り替わったり目覚めたりで絶対に行かない』ってもどかしい夢なんですよね。 全部見せるか最初から見せないで欲しいです。


というか何故幼女なんですかね。 夢で百合をしろと? ちょっと興味があります。


ではでは

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