表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔女への復讐冒険談  作者: 俺ですけど
王都エルマーナと地下牢獄ゼルム
21/33

第十八話 復讐の最中

「イギギギイイイッッッーーー」


 悲痛な叫び声が地下に響く

 ブチブチと言う肉を引き千切る音と共に


『バゴッ』


 殴る


『バギッ』


 殴る、何度も

 力を込めて殴り地面に血が舞い散る

 既に床は紅く染まり水浸しになっている


 何度も、何度も繰り返し殴られて顔の骨が歪む


 怪我に光が集まり直ぐに血の気が戻って来る、治癒魔法だ

 怪我がある程度治るともう一度呵責は再開される


「気は……晴れた?」


 そう途切れ途切れの声で問うのはステファニー


「まだだ、まだ、まだ、まだまだまだッッッ‼︎‼︎

 まだッ足りんッッッ‼︎‼︎

 まだ是式じゃあの恨みは晴れんぞッ‼︎‼︎」


「……そう」


 そう恨み事を叫ぶのはターロス


 場所は地下牢獄ゼルム地下4階、一番厳重に封じ込まれている牢獄である

 地下なので壁の警戒は無用であると言う利点もある

 天上は他の階層よりも何倍も分厚くその天上を破るにはそれ相応の力がいる

 扉は重厚な鋼鉄であり手では足り無い程に重なっている


 そこは秘匿されたゼルムの中でも一握りの人材しか知ら無い、勿論そこはモーリス帝国の皇帝も知っており皇帝を通してターロスも知っている


 ターロスは皇帝に復讐を手伝う代わりに契約して六大武人となったので当たり前と言えよう


 この呵責はステフが戦いの後ここに連れて来られてから三日三晩続けられている


 それこそ寝る間も惜しんで


「まだやるのぉ?」


 そう問うのは扉を全身で必死に押して入って来た仮面の魔術師である


「貴様はあの日の事を忘れたのか?

 あの日、あの時、あの瞬間!我達が感じた憎悪を!憤怒を!

 我は忘れんぞ!こいつを弄り回して狂乱する程痛め付る、だが、それ程までしてもこの恨みは晴れんのだッ‼

 それが貴様には分からんのかッ!?」


「……分からない、僕は…もう良いんじゃないかって……思ってるよ……」


 仮面は地下室の闇に溶け込み殆ど見えない


 その仮面はもう充分だと答える、それを聞きステフは驚いた顔をするが


「ステフ、そんなに僕は鬼じゃないですよ

 ターロスも、そろそろ寝た方が良いんじゃ無い?」


 それを聞きステフが納得していき、次第に不機嫌になる


『伯父さん、良いよ別にそんな事しなくても』


 念話で会話をする、仮面の魔術師では無い誰かと


『………念話使えるのかよ、何にかあったかと思ったぞ

 何で出て来ない、そんなお粗末な拘束くらい直ぐに解けるだろうが』


『さぁ、何でだろ〜ね

 分かんないよ…』


「何をッ、どうしたのだ?

 フォーレン、リドナ、ユキ、グリード、ハレーシア、サハト、シノ、リーズ

 甘えた事を言って………」


 ターロスが一人一人名前を呼ぶ、次第に眉間に皺がより、目一杯目を見開き言った


「誰だッ、貴様は‼」


『何やってんの〜伯父さん、バレちゃったじゃん』


『あははー可っ笑しいなーあっはっはー』


『笑い事じゃ〜無いよ、

 大丈夫、私はこの子の気が済むまで呵責でも〜歪曲でも……………せっ…性行でもする……から』


『嘘付け、声震えてるぞ?

 難しい言葉ばっか使って見栄はって、大人ぶって

 それに可愛いー姪の始めてをそんな男に』


『はっ…始めてじゃ無いし〜』


『それこそ嘘だな』


『うっ……』


『……本当に何でこんな奴を大切にするんだ?』


『それは……………………………分からない

 ……………連れて行かれてる時、何度も何度も自問自答してどうすれば良かったのかとか、私はどうしたいのか〜ってね〜

 分からない、分かんないよ

 あの日々を過ごして心が壊れたのかな〜?』


『違う』


『じゃ、な〜に?

 元々私の心は壊れてるって事?

 ま〜、人を何人も何人も殺して何も思わないんだったら心はもう壊れてるって事だよね』


『そうだな、ステフはファザコンだったもんなぁー』


『今茶化すのはど〜かと思うよ』


『はは、そうか?

 ま、カッコ良い叔父さんがステフの子供って言って良いのか?

 まあ、ステフの子供をボコして思う所があったら、そう言う事だな』


『はぐらかされた………』


 違うと言ったものの何と答えれば良いか分からなかった仮面を付けた何者かが一歩、近づく

 ただ、本当に違うと思っている


「フンッ」


 また一歩、何者かが、近付こうとするとターロスが腕を大きく回して殴り掛かる


 が、直前で回避してターロスに足を引っ掛けて転ばせる

 盛大な音を立ててターロスの巨体が派手に転ぶ


『ちょと……はぁ〜も〜いっか

  ()()の伯父様にお任せいたしますよ~』


 それを聞き賢者が仮面を取り外す、そしてニヤッと笑みを零した


「そりゃこんなに痛め付けられたらな、ステフはそこでしかと見てろ」


『あんまり関係ある事漏らさないでよ〜』


 それを聞き更には賢者の笑みが更に深まる

 緑の髪に優しそうな顔、少しだけきつい目付きの若い男

 シンの牢獄で現在ふて寝中の筈の看取だ


「貴様らッ!示し合わせたかッ!」


『ほら、勘違いしてるー』


「それよりも、とと……」


 賢者が念話にする事を忘れ慌てて念話に切り替えるが、時既に遅しで


「念話か?」


「バレちまったら仕方が無い!

  そう!この俺こそが最古の賢者!名前はシルヴァリル・〇〇〇!

  ハーッハッハッハー、さあ跪け!」


『何やってんの?

 念話と普通の会話間違えるとか普通ありえないんだけど?わざと?』


『五月蝿い!

 フゥーハッハッハ!刮目せよ!』


「賢者究極奥義!ただのパンチ!」


 そう叫び賢者が目にも止まらぬ速さでターロスを吹き飛ばす

 ターロスが壁にぶつかり凄まじい轟音をたてて壁に大きな穴が開く


「うぐっ」


 ボロボロと壁の瓦礫が崩れる

 更にはピシッと壁にヒビが入り崩れかける


「やっばい!ステフ!」


「あ〜もう、滅茶苦茶じゃんか〜

 借し一つね〜、わかった?」


「助けに来たのに借しを作るのは甚だしいが、良いだろう

 借し1つだ、これで合計30個突破だな

 じゃあ、後は任せた」


 そう言って賢者は霞の様に消えた


 ステフは自身の叔父の生き様に呆れつつ魔術の構築を始める


 魔術とは魔法を論理的に組み立てて魔法を発動させる技法である

 しかし魔術は論理が難解すぎるのと消費魔力量が多くて通常の人では扱えないと言う難点から普及はしていない


 だがその難点を突破すれば適性の無い魔法を行使したり新しい魔術を創り出す事も可能だ

 例えば賢者の家付近で使った時空を読む魔法である千里眼(クレアボイス)等である

 尤もそれを作り出すには年単位の時間が必要だが


 ふと、ターロスの方へと目を向ける

 ターロスは瞼を閉じてぐったりと気絶している

 その姿を見ると胸の辺りが騒つく


 この感じは孤児院を初めて子供達と触れ合った時からのものだ

 この感情は知っている


 昔、父や母

 一応伯父も一緒に暮らしていた時に良く感じていた感情であり長年の生で擦り切れてしまった感情


「は~もうっ

 母なる大地は恵みであり災害でもある

 大地は広大であるが無からは生まれぬ、故に我は所望する顕現せよz20977354x86745624より用いて地の力をここに

 さすれば槍となり、盾となり、柱となりて我に恵みを齎し給う地形操作(アースマネージ)


 瞬間、鼓膜が破れるかと思う程の音と立っていられない程の振動がゼルムに響く


 瞬間、ゼルムの隅々まで枝の様になった岩石が張り巡りゼルムを崩れ無くする為に補強して行く


 ターロスが吹き飛ばされて空いた大穴は不恰好ながらも頑丈に塞がっている


 そしてステフの横には気絶したターロスが添えられている


 ステフは昔の事を思い更けながらターロスの頭を小さな子供にする様に撫でる


 シンがリューと連絡を取り合い轟音の所為で看守が起きて連絡を切るのと同時刻の出来事である

2020,8,03———賢者を叔父さん→伯父さんに

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ