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プロローグ
―伝承に曰く。
ギリシャ神話の神、プロメテウスは人類に「火」を与えた。
火とは、とある一説によれば、類人猿と人類を画す、異能である。
そう、火とは人類が持つ、異能。
では、これがもし本物の異能であれば?
プロメテウスが、「火」として、文字通り異能を人類に与えれば、この世界はどうなったか。
これは、人類が火ではなく、異能を観測し、与えられ、現代までこの世界と似たような形式で発展をした。そんな話である。
人類が「火」の如く異能を扱い、道具を作り。
文明を発展させ、集団で生活をおくり。はたまた戦が勃発し、その都度戦のたびに技術を成長させる。
この世界の人類と本質的に何も変わらず。自分たちが知っているこの世界や歴史に、少しだけ、肉体の1部として異能を付け加えた、そんな話。