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その後...のちょっと前の話③

 フヨフヨ(暫定)を背負って一週間前と同じようにダンジョンに向かった。そして侵入者絶対殺すルームも難なく潜り抜け、いつもの部屋に戻ってきた。


 未だ気を失っているフヨフヨ(暫定)の首にを巻き付け、体を縄で縛った。あとはコイツが目覚めるまで特にすることもないので布団を敷き横になることにした。スマホかパソコンがあればいいんだが正直俺のクラフト能力には期待できないので、結局フヨフヨが帰ってくるかフヨフヨ(暫定)が目を覚ますまで手持無沙汰で過ごすことになる。そして普通の戦士なら戦闘力向上の訓練をすればいいのかもしれないが、そもそも俺は鍛錬とか嫌いだし命が危ないとかそんな状況じゃない限り武器に触っていたいとも思わない。なら魔法開発にいそしめばいいのだが、こいつが目覚めるまで時間があるわけじゃない。なので布団で横になるということはあらゆる側面から見て正しい。




 そんなわけでエロい夢を見て起きたらフヨフヨ(暫定)が意識を取り戻していたわけだが…。すんごい目つきでこちらを睨んでるわけですよ、ええ。仕方ないっちゃ仕方ないことなんだが男に見つめられてもねぇ?しかも俺と同じ顔だから鏡見てるみたいで全然怖くないんだよ。向こうはどうやら俺に話しかける気はないようなのでこちらから話しかけることにした。


「起きた?いやぁごめんね、縛っちゃって?こっちも危ないのとかいやだからさ。ま、しょうがないよね!

 で、話は変わるんだけど、もしかして君って『フヨフヨ』なのかい?」


 問いかけに対してあっさり頷いてきた。


 …フヨフヨってずっとこの穴倉の中に居るわけだから腹芸とか出来なさそうだよな。ということは、半分ぐらいは信憑性あるわけだ。うむうむ。


「そうなんだ。ところでさ、この武器見てくれよ?この武器ちょっと前にこのダンジョンで拾ったんだよね?どう思う?」


 そう言ってダガーを見せつけてみた。


「オマエ、ウソツイタ。ソレ、ボク、ツクッタ。オマエ、ホシイ、イッタ。ダカラ、イヤイヤ、ツクッタ」


 …こいつはフヨフヨではなさそうだ。だってあいつは俺の親友だし嬉々として協力してくれたのだから。途中までこいつのことを本気でフヨフヨだと思っていたのにな。危なかった。あとちょっとで騙されるところだった。


「はっはっは。お前『フヨフヨ』じゃないな!俺を騙したかったらもっと上手い嘘を付くんだったな!!」


「ボク、ウソツイテナイ」


「いいや。『フヨフヨ』の親友の俺には分かる。お前は嫌々俺に協力したと言ったが、あいつは嬉々として俺に協力してくれたんだよ。さぁ、どうする?まだ話を続けるか?」


「ボク、オマエ、キライ。オマエ、カンチガイ、シテル。イツモ、メイワク。オマエ、ナゼカ、シナナイ。ボク、アキラメタ。ダカラ、ボク、アイテム、アゲタ」


「…やっぱりお前は『フヨフヨ』じゃあないっぽいな。

 理由その1、多種多様な知識を吸収し、用いてきた奴がそんなカタコトな訳ないよな?実体化(?)した直後ならともかく、何時間身体の調整に時間をかけるつもりだ?

 理由その2、いつも俺の体術とか訓練とかをここで見ていたのに全く対処出来なかったよな?今日お前に使った技は何回もここで披露していたのにも関わらず、だ。

 そして理由その3にして最大の理由、アイツは親友である俺のことが大・大・大好きに決まってんだろ!」


「………」


「ふっふっふ、俺とアイツの友情を甘く見たな!美少女になってから出直して来な!!」


 ボフンッ!と煙と共に表ボスが消え去り、目の前には糸と縄とドロップ品だけが残った。ドロップは中心角が鋭角の扇形でその中に『4』という数字が書かれた謎の金属で出来たプレートだった。


 それらを回収した後眠気もスッカリ覚めたので再びフヨフヨを探すことにした。今度は範囲も拡大してこの星全域を探知した。単純にスキルだけで探知すると疲労感がハンパなく気絶するかもなので異能を使って《気》張って《耐》え忍んだ。


 大分疲れたが何とか得られた情報によると、さっきの奴と同じ反応が6匹分あり、それぞれが世界中に散らばっているようだ。場所としては『海運都市ナージャ』『森林地区ファーベル』『魔境サガラ』『火山地区ダイツ』『学園都市ラグナマギア』『万年氷雪地帯パルマ』だ。


 近い順から、ラグナマギア>ファーベル>パルマ>ナージャ>ダイツ>サガラ、の順だ。


 今から行ってもいいがスキルを使って疲れたので明日から頑張ることにして今日は寝ることにする。




 目覚めて朝ご飯が用意されていなかったのに気付いたので携帯食料を食べることにした。勿論フヨフヨが作ったやつだ。勇者達からボッシュートしたやつはそんなに美味しくなさそうな雰囲気がしたので今後とも絶対に手を付けることはないだろう。


 そんな訳で軽く朝食をとった後は昨日見つけた気配に向かって近い順に《時空間》魔法で『瞬間移動』した。その各地で「お前は出来損ないの偽物だ!」的なことを言っては手を変え品を変え武器を変え表ボスを倒しドロップを集めていった。どの場所でも周囲には人の気配も動物の気配もしなかったのでつまりはそういうこと(昨日の勇者連中の対処が間に合わなかったパターン)だろう。弱肉強食の世界だから仕方ないよね?俺が直ぐ行けば間に合ったかもしれないけど疲れてたから仕方ないよね?うん、仕方ない。次に行こうか。


 ………

 ……

 …


 というわけで7つのプレートを集め終わった。次にすることといえば集めた7つのプレートを重ね合わせるか神龍を呼び出して願いを叶えてもらうかのどちらかだろう。まずは神龍を呼び出してみようと思う。


「出でよ、神龍。そして願いを叶えたまえ!」


 …まあ違うわな。知ってた。というわけでプレートを重ねたみた。縦に。


 …だろうな。まあこれも違うわな。知ってた。というわけで円状に繋げ合わせてみた。


 すると突然プレートが発光し、出来上がった円の境目が消え、一つの円状のプレートが出来上がった。どうしようかとプレートを拾い上げたところ、それが熱をもち再度発光を始めた。思わずプレートを取り落としたので拾おうかと屈んだところで光が止み、目の前には俺と同じ姿格好をしフヨフヨの気配を漂わせる謎の男が現れた。一体誰なんだっ…!?



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