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その後...のちょっと前の話②

 朝目覚めるとフヨフヨが居なかった。一言でいえばそれだけだが俺からすると重大な出来事だった。

 というのも、このダンジョンでフヨフヨと出会ってから早3年が経過しそれなりの頻度でこのダンジョンンに泊まりに来ていたわけだが、朝目覚めると近くにフヨフヨが居るのが常だった。それが無かった時点で何か重大なことが起こっているのを感じたが、フヨフヨが居ないのに何故か準備しててあった朝食を悠々と食べることにした。


 不味い…


 あのフヨフヨからは考えられない不味さだ。まるで初めて調理器具を触った味音痴のド素人が作ったような味だ。せっかく誰かが用意してくれたんだから残さず食べるけども。


 朝食を食べ終え布団のすぐそばに置いてある時計を見た。時間があれば二度寝しようと思ったのだ。


 11:30A.M.


 時計はそう示していた。


 ………

 ……

 …


 ヤバい。今日イベント開催日だ。しかも朝から。…寝坊した?…してるな、確実に。


 俺は不貞寝をすることにした。



 目が覚めた。すぐさま時計を確認した。


 03:55p.m.


 …なんかもう今日はいいかな。どうせ今行っても表ボスは片付いてるだろうし。ドロップが貰えないのは辛いが後で勇者パーティーから(永久に)拝借しよう。名目は今までの給料だな。


 取り敢えずフヨフヨが帰ってきたら起きようかな。


 三度寝の始まりだ。



 06:45p.m.


 目が覚めて時計を確認した時の時間だ。もう目が冴えた。


 周囲を確認したがフヨフヨは見つからない。仕方ないのでスキルを使うことにした。スキルを使うと何だか疲れるから嫌いなんだよね。しかも体力的な疲労ではなく精神的な疲労なのでいやらしい。


 《ターゲット》&《察知》&《精密操作》


 まずフヨフヨを《ターゲット》にし、《察知》で居場所を何となく把握。そして《精密操作》でより範囲を絞る。


 どうやらダンジョンの外にいるようで、しかも俺が一週間前まで居た王国の街に反応がある。周囲には勇者パーティーの反応や教会のドカス連中の反応もあるがどちらも弱弱しくすぐにでも死んでしまいそうな様子だ。


 何となく気が向いたのでフヨフヨを迎えに行くついでに勇者連中を嘲笑い行こう。


 そうと決まれば早速時空間魔法で『アイテムボックス』的な何かを使い装備を取り出し寝間着と着替え、部屋を出た。そしていつぞやの絶対侵入者殺すルームに到着すると遥か上空の出口に向かい跳び上がった。


 そこから1時間程かけてフヨフヨのいる場所に辿り着いた。


「おーい、帰るぞぉおお?お?」


 そこに居たのは俺と同じ姿格好をしたフヨフヨの気配を漂わせているナニカだった。…というか絶対アレ裏ボスじゃねえか。勘弁してください。裏ボス(暫定)の周りには勇者やそのパーティーメンバーである魔法使い、重戦士、僧侶、それに教会から派遣されたと思われる10人の騎士と聖女が倒れていた。


 裏ボス(暫定)からはこちらに対する敵意や殺意がダダ漏れであったので俺の親友であるフヨフヨである可能性はかなり低いものと見た。ふっふっふ、俺の灰色の脳細胞がそう囁いてるぜ!


「おい、お前!俺の親友のフヨフヨを何処へやった!」


 …決まった。言ってみたいセリフ第2位「俺の友達をどうした!」。因みに第一位はない。


「オマエ、ウザイ。オマエ、キライ。オマエ、コロス。」


 そう言うと裏ボス(暫定)の全身がピカピカと光った。…おや?


 裏ボス(暫定)は身体能力に任せたパンチやキックを放ってきたが、技術が全然足りていない。まるで初心者だ。…ん?


 取り敢えず俺も無手で応じステータスによる身体能力強化を用いずに圧倒的技術力で裏ボス(暫定)をボコボコにしてやった。俺ツエエエエエと思いつつ、俺の目の前でのびている裏ボス(暫定)を放置して勇者達や教会の騎士連中の方へ向かった。


 表ボス戦に参加していなかったので俺は表ボスのドロップを貰っていないが、あいつらなら貰っていてもおかしくない。今にも死にそうな勇者連中の懐から『収納袋』を抜き取り中身を漁る。コイツらの『収納袋』は所有者固定がなされているため他人が使うことは出来ない。と言っても俺は出来るんだけどね。


 収納袋の中身を漁りながらコイツらが何を持っているのかも確かめよう。


 勇者(♂)

 ├上級体力ポーション×8

 ├上級魔力ポーション×8

 ├携帯食料×4

 ├広いテント

 ├ドラゴンバスターソード

 ├コンドーム×99

 ├使用済みの血が付いた布×38

 ├綺麗な布×61

 ├女性用下着(着用済)×99

 └媚薬×61


 魔法使い(♀)

 ├上級体力ポーション×5

 ├上級魔力ポーション×9

 ├携帯食料×2

 ├エレメンタルロッド

 ├安産祈願の御守り(偽物)

 ├ピル×27

 ├血の付いたナプキン×65

 ├綺麗なナプキン×34

 ├懐妊薬×10

 └勇者とのツーショット写真集×99


 重戦士(♂)

 ├上級体力ポーション×10

 ├上級魔力ポーション×2

 ├携帯食料×6

 ├アイギスウォール

 ├『やめてっ!オークチン(自主規制)なんかに気持ち良くなんてされるわけないわっ!!』

 ├『実録!隣の奥さんとの不倫記録』

 ├コンドーム×2

 ├オナホール×99

 ├『サキュバスの館 特級会員証』

 └魔法使いとの隠し撮りビデオ×99


 僧侶(♂)

 ├上級体力ポーション×4

 ├上級魔力ポーション×7

 ├携帯食料×3

 ├慈悲の錫杖

 ├『僕の執事/俺の坊ちゃん』

 ├『オラオラヤンキー調教日記』

 ├『弟にこんな気持ちを持つのは間違っている』

 ├『男色☆パラダイス』

 ├オナホール×99

 └孤児院で撮った写真×99


 教会騎士(♂)×10

 ├中級体力ポーション×10

 ├中級魔力ポーション×10

 ├消費期限切れ携帯食料×88

 ├予備騎士剣

 ├予備騎士盾

 ├『騎士の心得』

 ├聖女様の聖水(黄色)×7

 ├『サキュバスの館 中級会員証』

 ├コンドーム×22

 └聖女様とのハメ撮りビデオ×3


 聖女(♀)

 ├特級体力ポーション×10

 ├特級魔力ポーション×10

 ├高級携帯食料×8

 ├『神罰招来呪本』

 ├『聖典』

 ├聖女様の聖水の素(幻覚効果あり)×29

 ├『HOW TO 催眠術』

 ├鞭と蝋燭と極太バイブ三点セット×10

 ├騎士同士が相手を聖女と思い込んでお互いを凌辱するビデオ×30

 └教皇失墜計画書


 …ゴミしか入ってない。そのまま死ね、とは思ったが表ボスを何処で倒したか聞いてからにしよう。今から俺はハイエナになる。


 わざわざ自分の霊薬やポーションを使う気にはなれなかったのでこいつらのポーションを使うことにした。…中級ポーションでいいか。


 中級体力ポーションを86本、聖女の聖水70本を貰い、他のゴミも一応アイテムボックス的な《時空間》魔法で隔離しておく。そしてポーションと聖水を混ぜ合わせて《火》魔法で濃縮する。出来上がった液体を冷まさずに勇者に飲ませた。


「ゲホッ!ゴホッ!」


 ゴミ(勇者)が咳き込みせっかく作ったポーションを吐き出そうとする。しかし私は教養ある大人なので、良薬口に苦しの精神で勇者にポーションを全て飲み込ませた。勇者の目を閉じて必死に口の中の異物を飲み込もうとする様はまるで生まれたばかりの赤ん坊が必死におっぱいを飲もうとしているようだった。そんなに可愛らしいものではなかったが。


「やあ、勇者様。ママですよ?わかりますか?」


「ママ…?ママ?ままぁぁぁぁ!!」


「よしよし、勇者ちゃんは甘えん坊でちゅねぇ~?勇者ちゃんはママのことちゅき?」


「ちゅきちゅきなにょぉ~」


「うふふ、ママ嬉しいわ。それで勇者ちゃん。今回のイベントの襲来者はどこで倒したの?ママに教えて?」


「たおちぇてにゃいの…」


「そうなの?勇者ちゃんは強いから倒せたと思ってたんだけど…。ママの勘違いだったようね…」


「やだっ!みすてないで、ままっ!」


「残念ね。貴方はもっと使える子だと思ってたのに。眠れ」


「ママ!ママッ!!ママ…まま…」


 勇者は眠ってしまった!ってところかな。…ふむ、つまりこのフヨフヨもどきが表ボスということかな?まあいいや。とりあえず連れて帰ろう。


 俺はフヨフヨもどきを背負うと、ささっと残りのゴミどもに中級体力ポーションをぶっ掛けその場を後にした。

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