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声劇台本 オールスターズ

幸せを考える

作者: 鎌瀬 狗

宜しくお願い致しまぁぁぁす!

健一(♂):幸せを考える男


裕司(♂):幸せを考える男


ーーーーーーーーーーーーーーーー


健一「はぁ…幸せになりたい」


裕司「…もし」


健一「どうしたら幸せになれるんだろうなぁ…」


裕司「もし、そこの若いの」


健一「あ、俺ですか?」


裕司「そこの若いの、昼間っから野原で何をぽけーっとしとるんじゃ」


健一「いや…なんでも」


裕司「なんでもないという事はないじゃろ?

この時間若いもんはバリバリ働いてる時間なのに、お前さんはこんな所でぽけーっとしとるんじゃ」


健一「なんだよ、説教かよ」


裕司「ほっほっほっ説教ではない、というよりわしもこの時間に腑抜けてふらついてるからの」


健一「あんたも仕事をサボって?」


裕司「そうじゃの…知人の葬式と言ってサボった身じゃの」


健一「酷いな」


裕司「そういうお前さんはなんて言ってサボってるんじゃ?」


健一「なんも」


裕司「ほ?」


健一「なんも言わずにサボったよ」


裕司「お前さんの方が何倍も酷いの」


健一「知人を1人殺すよりはマシだと思うけどな」


裕司「50歩100歩じゃろうて…それで、なにを考えておったんじゃ?」


健一「幸せになりたいと思ってな」


裕司「幸せ?面白そうな話じゃの…そこ、座って良いかの?」


健一「好きにどうぞ」


裕司「では…失礼して」


健一「幸せになる方法って…あるのかなって」


裕司「そりゃ、あるじゃろ」


健一「例えば?」


裕司「例えば…お前さん、何か好きなもんはあるかの?」


健一「好きなもん?それは物体で?」


裕司「別に何でも構わんのじゃよ」


健一「んー…じゃあ、蒲色とか?」


裕司「なんじゃその分かりにくいもんは」


健一「いや、好きなもんって言うから蒲色とか好きだなーって思って」


裕司「もっと伝わりやすいチョイスはなかったのかの」


健一「伝わりやすい…?ワインレッドとか?」


裕司「なんで色彩限定なんじゃよ…食べ物とかあったじゃろうて…」


健一「あー、食べ物の方が良かった?」


裕司「分かりいいのがいいかの」


健一「じゃあ炒飯」


裕司「ほ?」


健一「俺の好きなもの」


裕司「ほう…では仮にその炒飯を3ヶ月間食べれなかった後、久々に炒飯が食べれるときたらなんと思うかの?」


健一「そりゃ、嬉しいって思うだろ」


裕司「そうじゃな…では、それから毎日毎食炒飯だったらどう思うかの?」


健一「あ?…そんなの嬉しいけど…飽きるな」


裕司「それが今のお前じゃよ」


健一「は?」


裕司「それが今のお前じゃよ」


健一「どういう事だ?」


裕司「幸せというのは…時々現れるから幸せだと感じるもの…常にあるものは…幸せとは言わんのじゃよ…」


健一「…な、なるほど…?」


裕司「月一の給料という幸せがあるから仕事も頑張れるというものじゃろ?」


健一「それはちょっと違うと思うけどな…」


裕司「時々現れる幸せを噛み締めて…これからを生きるんじゃよ…では、またの」


健一「あの!」


裕司「ん?」


健一「ありがとうございます!なんとなくだけど、何か分かった気がします!」


裕司「ほっほっほっ、それは良かったの」


健一「貴方の、貴方の名前は…!」


裕司「ゆうじ…裕司、じゃよ…」


健一「裕司…さん…」


裕司「……」


健一「……」


裕司「どうよ!」


健一「裕司めっちゃ玄人感出てめっちゃカッコよかったわ!」


裕司「幸せは時々現れるからこそよ!」


健一「あ、俺も思い付いた!交代でやろうぜ!」


裕司「健一の演技に期待!」


健一「任せとけ!」


裕司「はぁ……幸せになりたい」


健一「…もし」


裕司「幸せって…どうやったら手に入るんだろう…」


健一「もし、そこの中年」


裕司「誰が中年ですか!どこからどう見ても青年でしょうが!」


健一「そこの青年」


裕司「なんですか」


健一「宗教に興味はありませんか?」


裕司「怖っ⁉︎…ありませんけど?」


健一「それは残念です…何か思い詰めたご様子でしたのでお力になれればと思ったのですが…」


裕司「勧誘なら間に合ってますんで」


健一「お話だけでも…如何ですか?お互いにお話になれば少しは楽になると思うんです」


裕司「まぁ…話だけなら」


健一「貴方は何を悩んでいらっしゃったのですか?」


裕司「幸せって…どうやったら手に入るのかなって…」


健一「では…一つお話をしましょう」


裕司「唐突に、何です?」


健一「10年前、親に捨てられた女の子が居ました…その女の子は薄汚れて醜い姿をして居たので、拾ってくれる大人達も居なく…食事もまともに取れず力尽きてしまいました…


が、その時です!


美しい女神のような女性が現れたのです!」


裕司「おぉ⁉︎」


健一「死にたくないのなら、この手を取りなさい


衣・食・住全て用意してあげましょう

その代わり、神にご奉仕するのです…と……如何でしたか?」


裕司「いやー、この世の中には優しい人間も居るんだなぁと

あ!もしかして幸せは出逢いによって生まれると、そういう事ですか?」


健一「えっ、あ、えぇ、まぁ、そう…そう!そうですね」


裕司「…あぁ、違うみたいですね、違うならはっきり教えて下さいよ」


健一「ただ不幸自慢をしようと思って、悲劇のヒロインって…素敵じゃないですか」


裕司「なんだよちくしょう不幸自慢かよ!……それだとあんた女になるぞ⁉︎」


健一「…でも、コインの裏表みたいじゃありませんか?」


裕司「なんですか突然」


健一「不幸の裏は幸、幸の裏は不幸、人間はこの幸と不幸の面を行ったり来たりするんです」


裕司「分かりにくい例えですねー」


健一「幸と不幸の面を行ったり来たりする行為を、我々は人生…そう呼んでいるんですよ」


裕司「不幸な人間がずーっと不幸になる事は無いし、幸運な人間がずーっと幸運な訳ではない、と?」


健一「そうです

…ですが幸運である状態を引き延ばす事は出来るんです」


裕司「どうやって?」


健一「それは私の入信してir…」


裕司「結局勧誘かよ!」


健一「神に祈れば嫌な事は忘れられますよ

嫌な事を忘れる、それが幸せの第一歩だと…私は思いますけどね」


裕司「怪しいカルト集団の中に入るのはマジで勘弁ですね」


健一「それは残念です…では失礼」


裕司「何だったんだあの人は…」


健一「……」


裕司「……」


健一「はいっ!どうよどうよ!」


裕司「あー…なんか途中途中は良かったけど、ボケが酷い!」


健一「そうか?」


裕司「ていうか今どんな役やった⁉︎」


健一「アヴィス教の女性信者役だけど?」


裕司「アヴィス教ってなんだよ」


健一「知らねえの?」


裕司「ぜんっぜん知らない」


健一「時代遅れだな」


裕司「そんな事ないだろ、別に宗教の1つ知らなかったくらいで」


健一「…そうだな

そんな事より…くあー!幸せになりたい!」


裕司「俺、1つ思い出したことがあるんだけどさ」


健一「何々?」


裕司「幸せになる人間ってさ、うじうじ考えてないで行動するタイプが多いんだよね」


健一「つまり?」


裕司「こんな事やって時間を浪費してる俺達って、幸せにはなれないなぁって」


健一「ははっ、まさか!

…え、マジ?」


裕司「俺、帰るわ

帰って就職先考える」


健一「じゃあ、俺も帰る

帰ってアヴィス教の信者になってくる」


裕司「辞めとけ」


健一「うじうじ考えてるより行動が大事なんだろ?だったらアヴィス教の信者になるっていう行動をしたら幸せになれるって」


裕司「行動の仕方は、大事だと思うけどなぁ…」


健一「幸せになるにはまず行動しないと!」


裕司「幸せになるには行動する前にそれが正しいか考えないと!」


健一「じゃあ、行動する前に考えるか考えないかで考えてみようぜ」


裕司「もういいよ!」


ありがとうございました!


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