「キャラ能力紹介 エーデルワイス〈ネタバレ注意〉」
エーデルワイスちゃんのお話です。
少し先の話のネタバレを含みます。
エーデルワイス
装備
『刃毀れたナイフ』→『術式短刀』
奴隷時代から愛用していたナイフ。ごく普通で、特殊技能などはない。
雇い主が普段使いしていた粗悪な中古品を彼女に使い回したなんとも便りのない一品。元々は仕事中に下級の魔物に襲われた際の護身用という名目があったが、そもそもこんな武器ではまともに戦えない。
盗賊騒動の後に、奏音が正しい護身用にと綺麗に加工した。丁寧に研磨がされており、かつエーデルワイスの性格もあって定期的なメンテナンスを欠かさないようになった。奏音は一応、と魔力の付与も行っている。それにより、魔力供給時は刃部分に激しい多少の砂利を含んだ水流が流れ、かなりの切れ味になる。エーデルワイスは魔力の総量が乏しいので普段使いはできないが、緊急時は使うようにしている。
『鳥堕の弓』
近接武器だけでは心持たない、と奏音が勧めた武器。
最初は言われるがままだったポンコツなエーデルワイスだが、弓術には結構な素質があり、そこそこ正確な眼と必要な集中力を兼ね備えていたのも相まって、メキメキとその頭角を露わにし出す。五年経過した段階で、かなりの戦力になり、こと弓術の精度だけで比べると心得のない奏音では太刀打ちができなくなる程に。
弓そのものには、強度向上以外の付与はない。また、使う矢も、鉄が基本的な矢尻の素材になる。時折毒を塗ったり油を塗ったりといった応用を効かすこともある。その気になれば魔力を付与した特殊な一撃を放てるが、緊急時以外は使わないようにしている。
能力
『種族〈妖精種〉(起源不明)』
割と貴重な種族。種族の条件として、「何を起源に持つか」が重要視され、本人の能力の傾向もその起源に依存することが多い。
が、エーデルワイス本人はいつ生じ、何の起源を有するかを覚えていない。五十年近く前に生まれた、くらいにしか記憶を留めておらず、それが原因か、起源の恩恵を受けられずにいる。彼女の極端な魔力不足もその記憶の有無が左右している。
『奴隷契約』 契約者:統括管理→奏音
出自不明の問題もあるが、生来のポンコツである彼女は何かの事件をきっかけに奴隷になってしまう。学園統括の亜人奴隷となってしまったがために、学園内の重労働や雑用に駆り出されることに。
最初の統括時は謀反を防ぐために、魔力を可能な限り制限し、筋力も労働に差し障らない範囲で制限がかかっていた。が、奏音がその権限を強奪した際に、それらの制約は撤廃された。それどころか、個人契約というのもあって奏音の体質がエーデルワイスにわずかではあるが反映されてしまい、結果、下級な〈術式〉程度なら使えるようになった。とはいっても一般の術師よりは素質は下回る。せいぜい水を作ったり、火を出したりと生活するに困らない程度に留まっている。
『呪術〈不浄の魔鎖〉』
ある意味で、彼女の術師としての乏しい素質の全てをこの術に注いでいる。
任意の相手と「命の線」を同期させる力。
「命の線」が繋がるということは、記憶どころか痛覚さえも共有させることができる、ということである。故に、死さえも対象と等価値になる。
エーデルワイスの狙いは、八聖王決戦で最後に生き残った一人にその術をかけ、自ら命を断つことで勝者を不在にして、八聖王というシステムを根本から破壊しようと目論んでいる。
何故、彼女は頑なに八聖王計画の破綻を目指すか、それは彼女自身もわかっていない。ただ、「使命」として感じているのだ。そして本来ならば大規模すぎる〈術式〉であるために通常ならば発動時に目立ってしまうが、彼女は生まれて五十年間、簡略化かつ隠蔽工作にのみに一生を費やしていたのだ。
まるで「何者」かから「使命」を与えられているかのように…………。