「メインキャラクター 紹介(ネタバレ注意)
今回はキャラクターの概要を整理してみました。
随時更新していく予定です。
『篠崎奏音』
十五歳、受験を控えてせわしなく日々を過ごす中学生。
学級委員長として、常に清楚に振舞い、疑うことを知らない純粋無垢だった。
……が、それは昔の話である。
奏音は濡れ衣を被せられ、クラスメイトに裏切られてしまった!
孤立は序の口で、暴力や凌辱、果てには家族からの失望により彼女は孤独となる。一度は倉島愛華と出会い、人生を再起するが、心無い者にその恋慕さえも引き裂かれてしまい、彼女は遂に“捻くれて”しまう!
紆余曲折の果てに、捻くれた彼女は異世界に飛ばされてしまう――が、当初の予定よりも五年早く到着してしまう。白い髪の毛に、紅い眼といった異世界っぽい目新しい容姿になるもそんな右も左もわからない世界で「自分が五年後、同じく召喚された八人」で殺し合わなければならないという運命を知ってしまう。
行くあてもない彼女にとって、頼りになるのは愛華から託された“想像力があればそれが力として具現する”能力を持つ魔導書と、哀れな盗賊から強奪……ではなく譲り受けた指輪だけ!
逃れようもないものと自覚をした彼女は、愛華との再会を願って、それ幸いと修業を開始するのだった――……。
そして、五年が経過――何故か身体的な成長は見られなかった彼女は、遂に八聖王召喚の儀式の前日を迎えるのだった!
『倉島愛華』
十四歳、感情表現が乏しくて意思疎通が苦手。ぽわぽわした雰囲気が、まるで掴みどころのない猫のような印象を抱く。
前代の八聖王決戦の生き残りで、様々な経緯と不運が重なって奏音のいる世界に迷い込んだ。その際に、記憶を一時的になくし、戻るのに時間がかかった。最初は咲来蓮人を止めるために、何れ目をつけるだろう奏音と接触を図り、対抗策を練った。が、どんな人にも優しい奏音に特別な感情を抱くようになる。
壊れ行く奏音と共に懸命に抗い続ける中で、以前の愛華にはなかった「人を愛する」感情を覚え、奏音もそれを受け入れ、恋仲に発展する。いつしか、自分のための戦いが二人のための戦いに変わったのだった。
『エーデルワイス』
奏音の元奴隷。
異世界転移後の奏音と初めて友好的な関係となった亜人。〈妖精種〉と呼ばれる種族で、何らかの起源が存在し、それを基に誕生する。が、当の本人はそれを覚えておらず、その恩恵を授かっていない。そのためか、魔力量が著しく乏しい。また、見た目と年齢が一致せず、奏音よりも何十年も長く生きている(本人はそういうのに無頓着だからしっかり数えていないが、だいたい五十とのこと)。
が、八聖王殲滅には強い思いがあり、自作の〈術式〉である〈不浄の魔鎖〉を用い、最後の一人を抹殺するために日夜磨いている。
とはいいつつも、日常生活の彼女はポンコツそのもので、奴隷になったのも自分の失敗が原因。奴隷契約は既に解除されてはいるものの、奏音への精神的依存度は高い。が、実際のところ奏音も結構依存している節があり、異世界で暴走しがちな彼女を自然と抑えているという役目を無意識のうちに担っているのだ。
奏音の生来の面倒見の良さもあって、五年が経過する頃にはかなり以心伝心の相棒になりつつあった。また、奏音に対し密に恋慕を抱いているが、未だそれを奏音が知ることはない……。
『エンヌ・ハイゼンベルグ』
二十二歳、〈黒魔人〉と人間種のハーフで、褐色の肌やたわわに実った果実が奏音との差の違いを見せつけている。冷静沈着で、天才肌、感情表現が薄い彼女はその性格から「氷の姫」などと揶揄されることもままある。
八聖王計画の責任者でもあるが、彼女の興味は研究にしかなく、実行も淡々と行われて彼女の興味が向くことはなかった――はずだったわけである。何かの不具合か、五年も早く到来した奏音によって彼女の日々は激変する。当初は、彼女の特異性を知るためと力を貸したが、次第に奏音個人の異常性を垣間見る羽目になり、協力を申し出たことに対して若干の後悔をするようになっている。
五年も経過する頃には、奔放に振舞う奏音の後始末に追われる日々となり、その結果かストレスが蓄積される一方で感情は豊かになる。喜怒哀楽の怒りの性質が些か強いが……。
また、いつしか彼女の中でも奏音の面倒を見なければ、という義務感が生じ始めてしまっている。ミイラ取りがミイラになるとはこのことである。