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祝福された世界への逃避録  作者: 加耶ヶ咲みちる
第2話 グランデレス領の中心街
20/23

2-09_運動後の入浴

 衛兵らしき制服の男性に連れられ、衛兵が屯する詰所で取り調べを受け、これまでの経緯などの事情を話した。


 そしてゴツチンピラは暴行・詐欺の容疑で、別の衛兵に引き渡され逮捕されることになった。


 ひとまず、これで追われることはなくなっただろう。

 しかしゴツチンピラの仲間から報復を受ける可能性があるので今後注意していく必要がありそうだけど、あのチンピラの追っ手の様子を思い出す限り、他の仲間との信頼関係は無さそうだったし大丈夫だろう。


 そして衛兵の男性から自分の身分について聞かれることもなく事情聴取が終わり解放されることとなった。

 しかし、この街に来て間もないので元の場所へ戻るすべが分からないので申し訳ない感じで助けてもらった男性に頼ってみた。


「すいません、自分、この辺あんまり詳しくないので商業通りまで案内してほしいのですが…。」


「そうなのかい、いいよ。こういった道案内は私達の仕事の一つだしね。」


 快く案内を引き受けてくれて、俺と何でか付いて来る青年と一緒に詰所を出発した。

 そして目的の商業通りに着く頃にはもう空は赤く染まる夕暮れ時だった。


「それじゃ僕この辺に住んでいるから、また合うかもね。じゃあね~、お兄さん」

 そう言って最後まで目的の分からない謎の青年と別れた。

 今日の事を思い出すと、再開したらまた面倒ごとに巻き込まれそうだし、もう二度と会いたくないと思った。


「あの青年は元気だね。では、また何かあったら、私達衛兵に頼るといいよ。それではまたね」


「ええ、道案内までしていただきありがとうございました!」

 感謝の気持ちを述べて、優しい衛兵の男性とも別れた。

 本当にこの男性が来てくれなかったら、ここで俺の人生が終わってたかもしれない。また会えたらお礼の品でも持ってこよう。


 さてこの付近は見を覚えがあるので、泊まっている宿へは難なく着けるが、オルター達へどう言い訳しようかと考えながら歩いていく。そんなこんなで言い訳を考えながら歩いていたら、いつの間にか目的の宿へ着いてしまった。


「………よし」

 覚悟を決め、古めかしい宿の木の扉をゆっくりと開ける。

 開けた先にはオルターとアリサが思い詰めた表情でカウンター前の机で座っていた。扉の音に反応したのか入り口の方へ顔を向け俺のことに気づき、こちらへ慌てるように駆け寄ってくる。


「ジョージさん!良かった…無事で…。」


「た、ただいまです。帰ってくるの遅くなってすいません…。」


「…まったく心配させやがって。どこ行ってたんだよお前さん」

 アリサが胸に手を当てて、安堵した表情を浮かべる。


「え、えーと…。迷子の青年を見つけて助けていたら、いつの間にか自分が迷子になってました…。」

 なんともよくわからない言い訳をしてしまったが、オルター達に心配を掛けたくもないのでこれで乗り切ってみる。


 オルターは一瞬、納得のいかなような顔したがそれ以上追求するつもりはないのか通常の顔に戻った。

「…そうか、とりあえず風呂沸いてるから入ってこい」

「風呂ですか…?」

「あぁ、この宿にはそれなりの風呂があるから、池の水浴びより気持ちいいぜ」


 オルターに入浴所へ案内されついて行く。

 またアリサは心配しすぎて疲れ切ったようなので部屋に休んでいったらしい。


「ほら、ここが入浴所だ。で、こっちが男湯な」

 "男""女"と書かれた入り口がそれぞれあり、銭湯を連想させるような作りになっていた。


「言っとくけどアリサ泣きそうだった…いや泣いてたな。それにマスターも一緒になって探し回ったんだからな。」

「そうなんですか…。」

「何があったかは追求はしないが、そのことを心に留めて湯船に浸かっとけ」

 オルターはそう言って、主人のジタローに戻ったことを報告するため出掛けていった。

 そして俺は、"男"と書かれた扉を開けて、脱衣場の中へ入っていた。さすがに"女"と書かれた扉の方へ行く馬鹿なことはしない。


 衣類を脱ぎ捨て、身体全体を露な状態にしたら入浴所へ向かうと中は、石造りの空間に洒落た感じな湯船があるような構造だった。


 湯船に浸かる前に身体を洗い流してから、洒落た湯船に足を入れる。

「あち、でも我慢出来る熱さだ。」

 徐々に身体全体を浸からして楽な体勢を取るように足を伸ばす。


「はぁ…疲れた…」

 色々と思うことはあったが、全体的な感想を口に出して、湯船に浸かりながら身体を癒やしていった。


遅くなりましたが、ここで第2話を終わりです。

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