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祝福された世界への逃避録  作者: 加耶ヶ咲みちる
第2話 グランデレス領の中心街
16/23

2-05_貨幣

 様々な人たちが気軽に自由に売買できる所で有名な屋台通りという場所へ俺たちは足を運んだ。


 アリサがこの世界のアイスクリームと思われる食べ物、アイスクリンという名のお菓子を食べたいということなので、その店へ向かっているところだ。


 すると目的の青いテントの下で販売している氷クリームの屋台に着いた。

 さっそく、オルターが受付に向かい

「アイスクリンを3つ」

 人数分を注文し、代金銅貨15枚を渡す。

 一つで銅貨5枚か。だいたいそのぐらいだろう。


 オルターからこの国の通貨事情について聞いたことがある。

 この国で発行されている通貨は、銅貨・銀貨・金貨・白金貨 の4種類がある。

 それぞれの価値としては、

 白金貨1枚 = 金貨100枚

 金貨1枚 = 銀貨100枚

 銀貨1枚 = 銅貨100枚

 という相場になっており、

 銅貨1枚分の価値はここではパンが1個買えるので、円で換算すると50円ぐらいだと考えても良い。

 だからこのアイスクリンの値段は約250円という。


 店主が手慣れた速度でアイスクリンを用意し、次々と渡す。

 黙々と素早く作業していて流石職人と言いたくなる。もしかして<祝福>の力で仕事をこなしているのか。そんな地味な祝福もあり得るから、この世界はよく分からない。


 渡されたアイスクリンといわれるお菓子を眺めてみる。

 手に持っているカップの部分だが、アイスクリームの食べれるカップといえば、よくある円錐形のサクサクする小麦粉のカップだが、この世界では堅いパンをホール状にして提供されていた。

 その中に想像通りの丸っこい白いアイスクリームを入れて提供されている。

 まぁ俺の世界にもパンの上にアイスクリームが乗っているスイーツは存在するが、見た目が全然違うし、滑らかさはあんまりなさそうだ。


「立ちながら食うのもなんだし、座って食おうか」


 俺たちは自由に座れるテーブル席が並ぶ場所へ移動し、そこへ食べながら休憩した。


「う~ん、甘くておいしい~!」

 アリサがアイスクリンを食べて、顔を綻ばせている姿がまた可愛らしい。

 さてと自分も食べてみるかと思い、アイスクリンに口をつける。


 このアイスクリンの感想だが、まぁ味はアイスクリームよりは断然落ちているが、今まで俺がこの世界で食べてきたものでは味は濃く牛乳の甘さも感じれたので美味しく食べれた。

 ただ硬いパンで出来たカップは、それだけ食べたら味もなく美味しくはなかったが、アイスと一緒に頂けば食える方だ。


「ふむ、なかなかうまかった。さてと、屋台通りに来たし少しの間、自由行動にするか。ほらジョージお小遣いという名の今までの給料だ」


 オルターが銅貨を何枚か糸で縛ったのを10束と同様に銀貨を縛ったものを1束を受け取る。


「こうやって分かりやすいように硬貨を10枚ずつ縛っておくのが商売の風儀なんでね、お前さんも覚えておくといいぜ」


 受けとった銅貨10束と銀貨1束を計算すると・・・、55000円ぐらい貰ったのか。

この世界の物価を考えると多い額だ。


「えっ、こんなに貰っちゃってもいいんですか」


「ああ、まぁ先、何日か分の給料も入っている前払いも入っているが、お前さんも頑張っていることだし、そのぐらい貰っても構わないんだぜ」


「そうなんですか。では、ありがたく頂きます」


 オルターから頂いた硬貨を服のポケットに入れる。

 せっかくお金を手に入れたし、財布が欲しくなったな。


「じゃあ俺は適当に回っているから、お前らも自由に見て回ってこい。気が済んだらまたこの辺りで集合でいいか」

 そういってオルターはこの場から離れ、どこかへ行ってしまった。


 この屋台通りはフリーマーケットみたいなものだし、いろんなものが見れそうだな。

 ちょうど財布が欲しくなったし、探し回るのもいいかもな。


「それじゃあ、俺たちも行きますか」


「ええ、久しぶりの買い物ですから、いっぱい見て回りたいです」


 俺たちも席から立ちあがり、屋台通りを見て回ることにした。


※3/26 改稿・修正を行いました。

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