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祝福された世界への逃避録  作者: 加耶ヶ咲みちる
第2話 グランデレス領の中心街
15/23

2-04_あいすくりん

積み荷をすべて運び終わり、もう眠気に耐え切れなくなってきたのでオルターとの相部屋のベッドで眠りに落ちた。

 そして翌朝。

 気分よく起きれ今が朝だと気づき、宿のダイニングルームへ向かう。

 するとすでにオルターのアリサがすでに席に着いており自分が来るのを待っていたようだ。


 「おう、遅せぇじゃねぇか。結構長い間寝てたみたいだな」


 「ジョージさんは一昨日の夜から寝ていませんでしたから仕方ありませんよ」


 野宿した時オルターたちの為に見張りを買って出たから、おかげで昨晩は十分に寝すぎたようだ。でもその代わり気分がとてもいい、これが長時間睡眠か。久しぶりだな。


 席に着き、テーブル上の料理に目を向ける。

 そこにはクロワッサンみたいなパン、スクランブルエッグ、ハムみたいな肉、野菜のサラダといったホテルの朝食みたいなメニューが並んでいた。


 「ジタローの作る飯は美味いぜ、だけどやっぱりアリサの料理が一番だけどな」


 「もうお父さんったら、私もこんな風に作れるようになりたいです」

 

 「さてと今日は、お前のために街の観光でもしようかね。この辺を覚えてもらわないとお使いを頼めねぇからな」


 この街は中々広そうで東京の半分の大きさはあるだろう。何も知らず出歩いたらこの宿に戻って来る自信がない。だからこの辺の地理を理解する必要がある。


 今日の予定を話しながらみんなでジタローの料理を頂いた。欧州料理のレストランの味のようでなかなか美味しかった。


 そして、みんな食べ終わり出かける準備をし、この宿を後にする。

 移動は街をゆっくり見ていけるよう、みんなで歩いていくようだ。


 歩いていると馬車から眺めていたよりも街が美しく見えて新鮮味を感じる。まるで海外旅行に来た気分だ。まぁこの世界は中世ぽいし海外みたいなものだが。


 オルターがこの通りは商業通りだとかと色々と説明してくれながら歩き続けていたら大きな広間に出た。

 広場の中心には細長い鐘楼が建っており、辺りでは多くの人が行き交っていた。


 「わー、人がいっぱい賑わっていますね」


 「もう中央広場に着いたか。ここはグランデレス街の中心に位置する広場でな、この辺りには公共施設が立ち並んでいて、あれがこの街の市庁舎だ。」


 オルターが他の建物とは雰囲気が違う白い建物を指した。あれがこの街の役場みたいなものか。


 「この領土の住民はここで住民登録する必要があるのだが、お前さんは登録されていないから不法滞在みたいなものだけど、そこまで厳しく見られないから安心しろ。ただ犯罪起こしたら厄介なことになるから気をつけろよ」


 それに加えて今の自分は未開拓人となっているから、絶対に気を付けなければいけないことだ。前にオルターが国に捕まったら酷いことになるって言っていたからな。


 「あとその隣は仕事案内所で、仕事の斡旋やら事業の創設やらを手助けしてくれる場所だ。あと迷惑な幻獣を討伐の依頼がいくつか出てるから倒せば報奨金が貰えたりと、ここでやりくりしている輩が多い。いつかお前もお世話になると思うから覚えて時な」


 ゲームに出てくるギルドみたいなものか。独り立ちするときには利用するかもしれないな。


 「さてと、次は屋台通りに行ってみるか」


 「いいですね!久々にアイスクリンが食べたいです!」


 「あいすくりん…?アイスクリームのことですか?」

 あいすくりんって確か、昔のアイスクリームの名称だったか。この世界ではあいすくりんって呼ばれてるのか?


 「どうした?同じことを2回言って。あいすくりんは牛乳を凍らせた、冷たいお菓子だぜ」

 やっぱりそうだよな。この世界にもアイスクリームはあるのか意外だな。いや、アイスクリームは結構昔からあるって聞いたことがあるからあるのは当たり前なのかもしれない。


「アイスクリンは冷たくて頭が痛くなっちゃうこともあるけど、美味しいですよ!」


アリサが意気揚々と力説してくる。スイーツのことになると興奮するのは、どの世界の女の子でもそうなんだな。


そう思いながら、オルターを先導に屋台通りという商店街へ向かった。

 

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