僕と不良とインスリン
「うん、飽きちゃったな。」
殺しはもう飽きた。何より面倒くさい。このエネルギーを勉強に使ったほうがいいな。うん。そうしよう。
やめた。飽きた。もう・・・何もかもとっくに飽きていた。「あえてやるんだ」と誰かが言った。
そうか・・・そうですか。僕はもう飽きてしまって・・・単に疲れているだけだとも思うけれど・・・もう言葉とかどうだって良くて・・・怪獣とか、うん、怪獣かな、そういうのとかきてくれて侵略・・・いや、それも飽きそうだ。なんだろ・・・やはり行動したらいいのか、ううむ・・・考えるから飽きるのか・・・虚しいというか飽きたという方が正しい。ああ・・・この温度、鏡見るだけで吐きそうになる顔。
いつまで僕なんだ。今日も僕なのか。ああ普通に学生生活に戻るか。ああああああああああああああああああああああああああああああ。
これが承認に飢えているやつなのか?僕が少女だったらよかったのに。少女だったら、さっき読んだ漫画のように、医学生の実験体になって、変な注射を打たれまくって、それでも「まぁいっかーエヘヘ」って笑うと、医学生が少しだけ感情を動かしてくれるのに。 へぇい、陳腐って言うなー。美しいじゃんかあ。ああ・・・それより咀嚼しよう。唐揚げがふにゃちんすぎるっっ。どんだけ醤油かかってんだこれ。ご飯がたりないって。いちいち気になるなあ。
お昼ご飯の時間です。僕はやはり唐揚げ弁当を食べています。別に他に何をしているわけじゃございません。
そうそう、唐揚げの話は前にしたよね。どこで手にいれたか。僕は魔法が使える・・・なんてエラソーなことぶっこきましたが、いいえ、全然、まったくもって使えません!すみません。一限目の休憩中に学内の売店に行き、買うだけです。
朝のホームルーム前が理想なんだけれど、ちょうどその時間になるとちらほら朝ごはんを買うやつがいて鉢合わせちゃうし、そもそもお弁当が出来ていなくてパンしか置いてない。二限目終わりになると弁当の種類は豊富になるけれど、不良と呼ばれるものたちが自動販売機前でたむろしだすから、見た目的にインパクトのありすぎる僕みたいなやつは格好のターゲットになる。まあなってもかまわないんだけれど、多分授業に遅れることになるし、授業に行かないと落ち着かないタイプな僕は、そういうことを考え必然的に1限目終わりに焦点をしぼったってわけだ。うむ。
ここの学校の不良は朝から元気で困る。だるさを必死で演出しているが、ほとばしる若さには勝てず、糖分を補い、血糖値を上げてインスリンで下げて、それをだるさの演出パワーに捻出しないといけないようだ。努力とはそういうものなのだと教えてくれる。大変ご苦労です。
でも、僕だって努力しているつもりだ。悲しいかな、いつも努力をしつづけないと生きていけない。
悲しくないか。さて、昼休憩もあと5分。 そろそろ教室に戻ろうか。次の授業は現国です。