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A町担当吉岡です



 ピン、と侵入通知音が入る。探査機をタップして確認する。侵入者1名、携帯電話を所持。

 探査機のチューニングを携帯電話に合わせてコールする。

 プルルルル

 プルルル

 プ

 ガチャ

「ハロー、ハロー。こちらはアヤシイ者ではありません落ち着いてよく聞かれてください。

 今からあなたを助けに行きます。そこを動かないでください」

『あーどーぉー。

 こぉーこおーわあー……どーごぉー……でええええ』

「落ち着いて。待っていてください」

 焦った声を遮り諭すと、プツンと会話を終了させた。探査機を弄り侵入者の現在地を特定する。近い。これなら歩いていける。

 チューニングを裏世界に合わせながら電波音を確認する。

 ジ、ジジ

 セミが鳴くような音が繰り返し流れる。合致した。

「だぁーずぅーげぇーでえええ」

 一人の青年がこちらに気付いて駆け寄ってきた。つもりなのだろう、ひどく緩慢な、その場でもがくパントマイムをしているようにしか見えないが。

「大丈夫。あなたを元の世界に送り届けます」

 私は青年をなだめ、帰還世界の断層にレベルを合わせてチューナーを確認した。

 ジ、ジジ

 セミ音と共に青年の姿はかききえた。


 私はこの幾重にも重なった世界の次元の狭間のA町の管理人だ。時折このようにして別断層から迷い込む者が現れる。

 そうした人を帰還させるのが私の仕事だ。

 最近この町は実に歪みが多くて困っている。




お題:壊れかけの町 制限時間:15分

もっと書き込みたかったです。15分枠は遅筆な自分には厳しい。

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