道にパンツが落ちていた
診断「複数セリフのお題ったー」http://shindanmaker.com/225407にトライ。
【SPICE5は
「フラグが立った気がする」
「神様なんていなくていい」
「君のものにしてよ」
というセリフを入れた話をRTされたら書いてください】
夕方コンビニ行こうと家を出たら、道にパンツが落ちていた。純白、ぴらっぴらのレース付き。
拾って匂いを嗅いでいると、絶叫と共に頭を蹴り飛ばされた。
「バカーッ!」
隣の幼馴染のシロ子だ。
「変態! 変態!」
「し、失礼な! 俺は嗅覚が警察犬並と言われているんだぞ! 誰のものか調べようとしただけだ」
「それが変態っていうのよ、このウルトラド変態!」
「じゃあ何だ、俺にこのパンツをどうせいっちゅうんだ!? 落し物は持ち主に返すのが鉄則だろ!?
それともアレか、これはパンツの神様から俺へのご褒美なのか! 『持ってていーよー♪』ってことなのか!?」
「パンツの神様なんているかー!」
「いる。俺は確信している」
「そんな神様なんていなくていい!」
シロ子は俺の頭をスパーンとスリッパで叩いた。そんなもん持ち歩くんじゃない。
「アンタって頭ん中エロばっかりよね、サイッテー」
「いや、それだけじゃない」
そう言って俺はシロ子にずい、と詰め寄る。
「な、何よ……」
「おいおい、何で目を逸らすんだよ。言ったろ?
俺の嗅覚は警察犬並みだ、ってな」
壁に手をかけ、シロ子を追い詰めるような体勢で囁く。
「これ、お前んだろ?」
カッ、とシロ子真っ赤になる。
「ななな、何を証拠に……」
「このパンツからはなぁ……お前の匂いがするぜ!
俺はクラス中の女子の匂いをインプットしているんだ!」
ババーン!!
脳内効果音を派手に鳴らし、俺はシロ子に畳み掛ける。
「お前んだよな、なあこれお前んだよなぁ?」
「ち、違うもん!」
「へー、じゃあ、落し物は警察に届けないとなぁ。あ、そこにパトロール中のおまわりさんが!
すいませーん!」
「待って!」
ガシッ、とシロ子が俺にしがみつく。内心ほくそ笑みながら、俺はわざとらしい口調で訊く。
「何だよ、やっぱお前んのじゃん。何、返して欲しいワケー?」
「……い」
「は?」
「――いい。君のものにしてよ」
「はい?」
キッと顔を上げたシロ子は、
「あげるって言ってんでしょ! その代わり、ぜえええったい、誰にも言わないでよっ!」
と言うと、ダダダダ! と家に戻ってしまった。
俺はぽかんとしたまま、それを見送った。
が、我に返り、家に戻ると、自室でぴらん♥とそれを広げてみた。
「うおー、マジかよ」
パンツの神様は実在した。
「やっぱ名前どーり、白履いてんのなー」
ニヤニヤして眺めながら、
(超ヤベェ……)
と今更ながら思い出す。
――何かさぁ。アイツの反応、すっげぇ可愛いくなかった?
(明日っからアイツ、どんな顔して俺を見るのよ)
とか、
(アイツもしかして俺のこと……)
とか。
白パンツにもシロ子にも悶々としながら、俺の夜は更けていく。
「あー……こりゃ、フラグが立った気がするわ……」