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学科分けテスト

私はエバンお兄様と一緒に馬車に乗り込み、学園へ向かう。


「お兄様、学科分けテストはどの様に行われるのですか?」


「まずは生徒に魔力があるかどうか測定が行われる。そして希望者全員騎士科のテストを受ける。騎士科は体力テストだ。魔力がなく、騎士科のテストに落ちれば一般教養科に進む。魔力のあった生徒は次のテストで魔法科、魔道具科、ポーション科に適性があるかチェックされる。なければ一般教養科に行く。魔法科は魔法を発動させながら魔力の測定、魔道科は設計図通りに魔道具を組み立てる、ポーション科はポーションの作製だな」


なるほど。まずは魔力がないと次に進めないのね。まあ私の魔力はゼロじゃないから大丈夫だろうけど。


「ちなみに騎士科の体力テストとは?」


「障害物コースを走る。女生徒はまあよっぽど騎士になりたい人以外は、みんな棄権するぞ。マーサの娘のミリーみたいな奴は偶にいるがな。ちなみに俺はそのコースの最短記録保持者だ。その前の記録保持者は父上だ」


へえ、やっぱりお父様とお兄様は凄いのね。


「エマを守るために、常に障害物を取り除き、危険を先回りして排除し、エマがよんだらすぐに駆けつけられるように鍛錬した賜物だな」


。。。。え?記録ってシスコンが故なの?


「エマは騎士科に行くつもりも無いだろ?棄権した方がいいかもな」


「そうですね、ミリーお姉様の様にはなれないです」


ミリーお姉様は騎士科を卒業して、今は領地の騎士団で働いている。


「エマはあいつみたいにはならないでくれ、あの暴力女何してるんだろうな」


お兄様とミリーお姉様はいつも犬猿の仲って感じだったものね。


そんな話をしていると学園についた。


因みに付き添いがいる生徒は私だけだ。

しかし、お兄様は学園では有名人らしく、先生達も気さくに話しかけてくるので違和感はない。


魔力テストは水晶を触るだけで終了。私は騎士科のテストを棄権したので、次のテストまで控え室で待つ事になった。


もうこの時点で1/3ぐらいしか残っていない。


控え室には当然お兄様もいるが、ちゃっかりお茶を飲んでものすごく馴染んでる。


案内の人がやってきて

「これから魔法科のテストを行います。ついてきてください」と言った。


「ではお兄様、行ってきますね」


「何言ってるんだ。俺も勿論ついて行くぞ。暴発した魔法がエマに当たったら大変だからね」


。。。いいのか?


基本的にこの世界の魔法は自然の力を借りて発動させるもので火、水、風、土、そして我が家の雷がある。

よく異世界にいる聖女が使うような治癒魔法とかはなく、ポーションがその代わりをしている。


魔法を使える者が爵位を持ち、その力を維持してきたので、基本的にここに残っているのは貴族が多い。もちろん平民でも魔法は使える人達はいるし、魔力が強い者もいるが、大体そういう人達は学園にいる間に貴族に取り込まれる。


魔法科のテストは自分の使える魔法で、10メートルぐらい先にある的に当てると言うものだ。的は魔道具になっていてどれだけの力が当たったか計測するようだ。


魔法は自分の体に流れる魔素を手に集中させてそこから放出するとお兄様に教わった。


魔法使いみたいに、魔法の杖を使うとかじゃないのね。


杖か。。。


「お兄様、テストでは必ず手から魔法を出さないといけないのですか?何か道具を使うのは禁止されていますか?」


「いや、たまに安定がいいと棒のような物を使う奴もいるぞ。もちろん、魔道具じゃない事を先にチェックされるが」


私は髪の毛をまとめていた、銀のヘアアクセサリーを外した。半円のものを棒で留めている。


その棒の部分を取り出て、「これを使いたいんですが」とお兄様に見せる。


「大丈夫だろうが、何で急にそれを?」


「やってみてのお楽しみです。私の理論が正しければ。。。」


私の話を遮るように、「エマ・ラフィーノこちらへ」と聞こえた。


「では行ってきますね、お兄様」


私は試験官に近づくと先ほどの銀の棒を試験官に渡した。


「こちらを使いたいのですが、チェックして頂けますか?」


試験官は隣のテーブルにいる男性に棒を渡した。その男性がテーブルの上の魔道具にそれを載せると緑のランプがつく。


「はい、魔道具ではないので大丈夫ですよ」と返してくれた。


「あ、でもなぜそれを使うんですか?」

と検査をしてくれた男性が聞く。


「私の魔法は雷魔法で、これは銀でできているからです。うまくいくかわからないですが」


「ほう、銀ですか。いい考えですね。僕もあなたのテストを見学させて頂いていいですか?」


試験官の先生が慌てている。

「え?ニコラス先生がですか?」


「ダメでしょうか?」


「いえいえ、何の問題もありません」


あら、先生だったのね。魔道具科の先生かしら?


私の前にはまだ数人が順番を待っている。

今は小柄な女の子が水魔法を使っている。あの子は子爵家の子だったかしら。


なかなか強い水が当たっているが、的の数値は50になっている。どれぐらいが及第点なんだろうか。


私は隣に立っているニコラス先生に聞いた。

「50とはどれぐらいのレベルなんでしょうか?」


「そうだね、魔法科に入るのは30以上で十分だが、王宮で魔法師として働くには100以上は必要だね。君はエバンの妹だろ?エバンはこのテストで200を出した」


「兄をご存知なんですか?」


ニコラス先生は私をじっと見ていたが。


「。。。。。ああ、同期なんだ。エバンは俺たちの代では有名だからね。。。妹の話ばかりするのでもね」


「おい、ニコラス、エマに気安く話しかけるな!」といつの間にかお兄様が近くに立っていた。


「いいじゃないか、知らない仲じゃないし」


そうこうしていると私の番になった。


私は銀の棒を右手に持ち。身体中の魔力がその棒に集中するようにして、雷魔法を放出した。的にはうまく当たったが、手に痛みが走った。


「熱!!」


「エマ!大丈夫か!」お兄様が飛んでくる。


銀の棒が熱くなりすぎて、少し手に火傷してしまったようだ。


私は的の方をみる。

「150。。。。やっぱりあがってる」


「エマ、火傷しているぞ。何でこんな事に」


「これは銀製なので電気。。。じゃなくて雷を通しやすいんですよ。だけど思いの外熱くなってしまい。手で持つ所はゴムをつけておくべきでした」


的の数値を凝視していたニコラス先生はびっくりした様に私を見て

「ゴムが雷を通さない事を知っているのか」と言った。


あ。。こっちだとあんまり普通の知識じゃないのかな?


「ええ、前に本で読んだ事がありまして。。。」


ニコラス先生は私の手を見て、

「これは治療した方が良いな。あのテントにポーションがあるから、治療してもらった方が良い」


それを聞いたお兄様はすかさず私を抱えて、テントへ向かった。


ニコラス先生と周りの先生や生徒はポカンとした顔でこちらを見ている。


「お兄様ーーー、手が痛いだけで歩けます!!!」


勿論、そんな意見は聞いてもらえなかった。



次の話でやっとポーションマスターが出てきます。

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