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蒼祐と美紅

ほんとに好きな人 Melting Chocolate エピローグ

作者: 水聖

Melting chocolate のエピローグです。

本編を読んでからご覧ください。「解答編」でもあります。





ほんとに好きな人 -Melting chocolate エピローグ



「ところで、なんでここがわかったんだ」


俺はさっきから気になっていた質問を口にした。

彼女は俺のメアドは知っていてもここの住所は知らないはずだ。

大学から駅に向かう途中、毎日ここの前を通り過ぎる。そのたびごとに「誘ってみようか」と考えて、自然に歩みが遅くなってたりしてたんだけど、もしかしてそれを見抜かれてたんだろうか。


「先輩に聞いたの」


そうか、先輩は自宅組で、電車で通ってるから、たまに「終電逃した」とかで俺のとこに泊まることがあり、ここのことは当然よく知っている。

だけど


「ふうん、仲いいんだな」


正直言って面白くない。

本命が俺だったってのはすごく嬉しいけど、自分以外に仲のいい男がいると思うとつい邪推したくなるのが男ってもんだ。


「うん。高校同じだったからね、いろいろ相談に乗ってもらったりしてる」


う、俺より前から知り合いだったのかと思うとますます気になる。


「バレンタインチョコを渡す程度には親しいってこと?」


彼女は不思議そうな顔で俺を見つめた。ちょっと態度が露骨だったかな。


「もしかして、見てた?」

「うん」

「やっぱり、あの時、ドアが開いたような気がしたのに誰も入ってこないから変だと思ったのよね」


おかげで俺がどんな思いでこの二日間を過ごしたか、少しはわかってほしいと思うし、先輩との関係も出来ればちゃんと説明してほしい。


「バレンタインに自分の好きな子が他の男にチョコ渡してるとこ見てしまった男の気持ち、想像したことある?」

「じゃあ、こっちも聞くけど、自分の好きな人に、他の女からもらったチョコのお返しを相談される女の気持ちが想像できる?」

「う、いや、気付かなかった。ごめん」


そういえば話の流れでそんな話題を振ったような気がする。あとから考えてみればひどい話だと思う。だけどやっぱり。

何かはぐらかされた気がしてすっきりしない。俺ってよほど嫉妬深いんだろうか。


「わかってくれたならいいのよ。あのね・・・」


彼女は上目使いで俺のほうを見て、くすっと笑った。


「先輩の彼女、あたしの高校のときの同級生で、親友なの」


なんだ。先輩、彼女いたんだ。高校時代からの親友、あ、それで・・・。

種明かしをしてみれば、何ということはない。あれは友達の彼氏に俺の住所を教えてもらったお礼だったのか。それを俺は思い切り勘違いして。

ほんとに馬鹿だよな、自分が恥ずかしい。


「挨拶とかお礼のチョコは金曜に渡しちゃったけど、ほんとに好きな人には当日に渡したかったの。それを金曜に渡し忘れたのかとか言われてさっきは死にたくなったんだから」

「いや、その、俺てっきり失恋したと思い込んでたから」


俺はもう一度彼女を抱き寄せた。


「ほんとにごめん・・・大好きだよ」


誤解して、すれちがって、泣きたいほど辛い思いをして。

だけどやっとお互いの気持ちが通じた。

今は叫びたいくらい幸せだ。

Valentine’s day


ほんとに好きな人に

心を込めて伝えたい


I’m lovin’ you.


END




おつきあいいただきありがとうございました。

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