飛ぶ定期
電車通勤をしている。
いつも定期を買い、朝に夕に使っている。
自動改札機がまだ普及し始めた頃の話である。
周りの人に言ったら、信じてもらえない。
前はタッチ式でなく、切符と同じで手前に入れると
ビシッと3歩先くらいに先に出で来る方式だった。
私の定期は6ヶ月定期である。値段がお高い。
磁気がダメにならないように、折れたりしないように、大切に扱っていたのだが、ある日の帰宅時にそれは起こった。
いつものように定期を入れた。ビシッと出たらストップせずに、カシャッといって飛んだのだ。
ストッパーが効いてくれていない。
飛んだ瞬間、あっ、と叫んだ。
駅員さんもあっ、という顔をした。
当然の流れで、定期は隣の改札の中くらいに落ちてしまい、駅員さんに取ってもらった。
お互いに目を見合せて、駅員さんは「今、飛びましたよね。」私「はい。取ってくれてありがとうございます。」と言って別れた。
翌日、友人に定期が飛んだ事を話すと、話を盛るなといわれた。
ホントに飛んだけどな。
だれか同じ経験した人いないかな。
こういうことが起こるって、珍しい?
あまりしつこくホントにあったというと、ウソっぽくきこえるから言わなくなった。
それからは、私は話をとにかく盛って話す人だと認識された。心外である。