立ちんぼ女子と勃ちんぽ男子〜需要と供給〜
こんくらいバカな物書いてる時が一番楽しい。
立ちんぼ女子とは!
……まあ有体に言って、金が欲しい奴の事である──手段は選ばないのが彼女達の流儀だ。
金が欲しければ、カラダを売る。
非常にドラスティックであり、寧ろ一周して男らしさすら感じさせる、大胆不敵なマイノリティだ。
もしくは選べなかった──、なのかもしれないが、そんなのは所詮、詮無い事である。
必要だから──否。
面倒だから、効率よく自分のカラダを売る!
なんて勇ましい。
諸説あるだろうが、基本的に立ちんぼ女子とは、現代に現れた女傑と言えよう。
「そんな訳ないだろ」
何が女傑だ。
そう言うと勃ちんぽ男子は、誇り高き立ちんぼ女子に正対した。
「いやしくも売女の分際で、よくもまあそんな事が言えものだ。……恥ずかしいとは思わないのか?」心底見下した表情で、勃ちんぽ男子は女子を揶揄する。「オレは見ていて恥ずかしいよ。お前達は女性全体への誤解を促進させているに違いない」
「Twitterに影響されすぎだし、主語デカすぎ。私は私よ? 全で一を語っていけないように、一で全を語ってはいけないのよ。……それに、よく勘違いされるのだけれど、誤解させる事は確かに罪で、到底許されない事なのだけれど、しかし同時に、特に調べもしないで、対象を誤解したまま予断を下す事こそ、須く重罪として扱われるべきなのよ」
そもそも「誤解」とは「偏見」の言い換えなのよ?
アナタは「女性に偏見がありまーす」って人間を首肯するとでもいうの?
そんな屁理屈を、立ちんぼ女子は滔々と述べた。
話は続く。
「それに、「恥ずかしいとは思わないのか?」──ですって? 言葉を返すようだけれど、その恥ずかしい立ちんぼ女子を買っているのは、全体どこの誰だったかしら? ……ねえ? 勃ちんぽ男子さん?」
「返す言葉もない──、というとでも思ったか!」
即座に反駁すると──、彼は返す刀で、勃ちんぽ男子のあり様を、間断なく、縷々として語った。
「勃ちんぽ男子とは!」
……何の衒いも無く言い表すなら、金を払わないと女に相手にもされない、悲しきモンスターの事である──けだし恥ずべき事かもしれない。
が、
オレはその事を、決して恥ずかしいとは思わない。
抜刀したい。
ただし切り結ぶ相手がいない。
だからこそ、金を払ってまで、敵役の剣客を希う……。
コレはもう立派な武士じゃないか!
武士道とは死ぬ事と見つけたり、なんて定説もあるが、それは違うのだ。
売春が──売春こそが、武士道なのだ!
「……話は逸れるがオレはTwitterではなくX派だ」
最後の発言を聞いて、立ちんぼ女子は額に青筋を立てて、男の方へ詰め寄った。
「オイ、"断ちんぽ"されたく無かったら、今すぐ先刻の発言を取り消せ……っ!」
「やってみろよ……っ! ただしその瞬間、お前の収入源も"絶ちんぼ"だけどな」
両者間に火花が散った。
戦いの合図。
彼等彼女等は武器を構えて、そして──、
──────────衝突する。
「うおおおおーーーーーーーっ!」
「だああああーーーーーーーっ!」
その刹那、円球状に爆発が起こり、それが世界を飲み込んで──、残存人類は絶滅した。
煤舞う宙空には、勃ちんぽの武器である「おちんぽソード」と、立ちんぼの武器である「通帳カッター」が四散して、揺蕩っている──およそ跡形も残っていない。
結果として、両者宣告通りに、相手の「大切」を掠い、掠われた形ではあるが、人類が絶滅してしまうんじゃあ、あんまりその程度は詮無い事だな、と、二人とも死に際に、こっそりと考えた。
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うおおおおお!