表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/134

第44話 EP8-4 原因と結果

自分が読みたい物語を、趣味で書いてます。

オリジナル小説のみです。

 このくに数年前すうねんまえまで、王国おうこく統治下とうちか安寧あんねい平和へいわ享受きょうじゅしていた。

 帝国ていこくぐん侵攻しんこうで、それはもろくもくずった。

 帝国は魔王まおう復活ふっかつさせ、魔王配下(はいか)魔物まものの力をり、圧倒的あっとうてきつよさで王国を征服せいふくした。国には魔物があふれ、秩序ちつじょうしなわれてしまった。

 魔物が見境みさかいなく人間にんげんおそい、人間はとりでみたいな町をつくってを守る、無法むほう世界せかいがここにはある。


   ◇


 アタシはユウカ、魔物まものハンターだ。ホワイトウルフだらけになったきた大砦おおとりで救援きゅうえんた。ハンターギルドの建物たてものへと突入とつにゅうしたら、避難ひなんした住民じゅうみんたちがいた。

 まだれるにははやい。くらいフロアに、まど鎧戸よろいどからほそひかりだけがす。

状況じょうきょう正確せいかく把握はあくしてもらうため、最初さいしょから説明せつめいさせてもらうぞ」

 帝国ていこくぐんくろいプレートメイルの男が、大股おおまたで、まるいわみたいないしのイスにすわり、腕組うでぐみした。

 たかい、そのわり肢体したいほそい男である。びた黒髪くろかみがウネウネとかた波打なみうち、毛玉けだまみたいにまるふくらみ、愉快ゆかいな見た目をしている。はだ浅黒あさぐろく、りがふかく、三十(さい)くらいの見た目だが、実年齢じつねんれいはもっとわかそうながする。

「ああ、おれは、帝国ていこく北部軍ほくぶぐん所属しょぞくする帝国騎士(きし)、ゾルドヌだ。よろしくたのむ」

 見た目の面白おもしろい人だな、と見ていたアタシの視線しせん勘違かんちがいしたのか、さくな口調くちょう自己紹介じこしょうかいした。帝国ていこく軍人ぐんじんにしては、支配者しはいしゃがわ傲慢ごうまんさがない。

 まあこんな、魔物まもの占拠せんきょされた大砦おおとりでで、民間みんかん施設しせつ籠城ろうじょうして、食料しょくりょうみずもない、なんて絶体絶命ぜったいぜつめい状況じょうきょうで、権力けんりょくなに無意味むいみだ。

「アタシはユウカ。ふたはピンクハリケーン。ランクSの魔物ハンターよ」

 アタシも、礼儀れいぎとして、自己紹介じこしょうかいした。くろいガントレットを装備そうびしたと、白銀はくぎんのガントレットを装備した手で握手あくしゅわした。

「ここ、きた大砦おおとりでおさめるシュッツ将軍しょうぐんは、周囲しゅういをホワイトウルフのテリトリーとすることで、砦間とりでかんの人の往来おうらい制限せいげんしていた。帝国ていこくの将軍といえども魔物まものあやつるなどできるはずがないから、そうなるように干渉かんしょうしていたのだろうな」

 ゾルドヌが、腕組うでぐみで説明せつめいはじめる。騎士きし階級かいきゅう帝国ていこく軍人ぐんじんだけあって、階級かいきゅうたか関係者かんけいしゃしからない情報じょうほう最初さいしょからはいっている。

 アタシは、かいの石のイスにすわって、真正面ましょうめんく。ゾルドヌの左右さゆうのイスには、もと王国おうこく騎士きしのジラルドと、ハンターギルド職員しょくいんのアンリナが座る。

結果的けっかてきに、きた大砦おおとりでは、そとるものも外からおとずれるものもいないりく孤島ことうとなった。それ自体じたいは、将軍しょうぐん目論見もくろみどおりだったのだろう。しかし、外からの、レジスタンスの襲撃しゅうげきによって、大きな問題もんだい発生はっせいしたのだ」

「そこは自分じぶん説明せつめいしよう」

 説明せつめいしゃがジラルドにわった。

自分じぶん所属しょぞくするレジスタンスは、げん帝国ていこく支配しはいからの解放かいほうと、きゅう王国おうこく復権ふっけん目的もくてき活動かつどうしている。きた大砦おおとりでへの潜入せんにゅう、シュッツ将軍しょうぐん打倒だとうは、その達成たっせいのための一歩いっぽである」

 もと王国おうこく騎士きしで、いまはレジスタンスの一員いちいんらしい。征服者せいふくしゃがわげん帝国ていこく軍人ぐんじん反抗はんこう勢力せいりょくがわの元王国騎士がならすわ姿すがたは、不思議ふしぎ不自然ふしぜんともうつる。まあそこは、状況じょうきょうが状況だからだろうともおもう。

結果けっかからえば、レジスタンスはきた大砦おおとりで陥落かんらく成功せいこうした。シュッツと一部いちぶ帝国ていこくぐん将校しょうこうたたかわずして逃亡とうぼうし、逃亡の時間じかんかせぎのために大砦のかべあなけた」

 いかにも騎士きしっぽい、かたくるしい口調くちょうだ。

「レジスタンスのリーダーひきいる精鋭せいえい部隊ぶたいは、シュッツをって大砦おおとりでた。レジスタンス本隊ほんたいは、かべあなふさ住民じゅうみんまもるためにのこった。その時点じてんでは、壁の穴はふさげる規模きぼかずだった」

「シュッツ将軍しょうぐんは、目的もくてきのためならば手段しゅだんえらばぬ冷酷れいこくかたなのだ」

 ふたたびゾルドヌが説明せつめいわる。

ふさげる規模きぼあなでレジスタンスを足止あしどめし、どうにもならない規模の穴を時間差じかんさけ、大砦おおとりでもろともレジスタンスの殲滅せんめつはかられたわけだな。ほとんどの配下はいかなにつたえず、これほどの惨状さんじょう領地りょうちもたらすとは、とてもひとながれているとはしんじられん」

 愉快ゆかいな見た目のゾルドヌでさえも、はなしながら表情ひょうじょうゆがめる。いかりに歯噛はがみする。

 レジスタンスのジラルドが、くやしげにうつむいた。レジスタンスの活動かつどう結果けっか人々(ひとびと)絶体絶命ぜったいぜつめい窮地きゅうちにある、ともえる現状げんじょううしろめたさがあるのだろう。


   ◇


 ようやく本命ほんめい出番でばんと、アンリナが、かけていない眼鏡めがねふちをかけなおす仕種しぐさをして、口をひらく。

「その結果けっかまちうちそともホワイトウルフのテリトリーとなりました。びた住民じゅうみん籠城ろうじょう余儀よぎなくされています。ここからが本題ほんだいですので、ここまでのはなしはおながしいただいて問題もんだいありません」

 つよそうな目をして、気の強そうな口調くちょうで、容赦ようしゃもなかった。

「アタシ、むずかしいの苦手にがてだから、たすかるわ」

 こちとら、魔物まものたおす、だけで生きる魔物ハンターである。時代じだい背景はいけいとか説明せつめいされてもこまる。

とうハンターギルドの地下室ちかしつに、緊急きんきゅう事態じたいそなえた備蓄びちくがございます。木製もくせいゆかの下に、頑丈がんじょうな石の地下室がありまして、頑丈な石の収納しゅうのうとびらからしかはいれませんから、魔物まものらされてはいないはずです。もとより、このような状況じょうきょうにおいては、避難ひなん施設しせつとなります前提ぜんてい設計せっけいですので」

「その地下室ちかしつに、みずがあるの?」

「水の魔法まほう触媒しょくばいとなります宝石ほうせきがございます。千人せんにん三日みっかびられるりょうのはずです。明日あす脱出だっしゅつさい回収かいしゅうして、道中どうちゅう飲用いんようにする予定よていでしたが、三日で救助きゅうじょほうけて籠城ろうじょう利用りようするのが賢明けんめいでしょう」

「ああ、そうよね、宝石よね。大量たいりょうの水をかついではこぶのかと、ちょっと心配しんぱいしたわ」

 アタシの率直そっちょく反応はんのうに、三人とも不安ふあんげなかおをした。こんないきおまかせのかたをしていると、よくあることだ。

 アンリナが、かけていない眼鏡めがねふちをかけなおす仕種しぐさをして、つづける。

問題もんだいは、一階いっかいフロアにたむろするホワイトウルフのれです。正確せいかくかず不明ふめいですが、五十(とう)以上いじょうはいます。夜行性やこうせいですので、ひるは数がおおく、夜間やかん出払ではらって数がすくなくなります」

よるかずすくなくても、さわぎになればそとからるだろうから、やるならあさね。ホワイトウルフの大半たいはんつかれて寝入ねいるタイミングをねらいたいかな」

「二(かい)けで、かべ沿いの廊下ろうかのぼくだりの階段かいだんしかありませんでしたが、魔物まものがあがってこられないように破壊はかいしました。ですから、三階から一階へは、三階のゆかあなから一階フロアへと直接ちょくせつりるしかありません。昇降しょうこう手段しゅだんにはロープをらすとして、床の穴の大きさをかんがえますと、おおくても二人ずつしかりられません」

「アタシ一人でくわ。ここの人たちは、ろくにべてないんでしょ? 力、ないでしょ?」

自分じぶんも行こう。騎士きしたるものが、少女しょうじょ一人に危険きけんしつけて、たかみの見物けんぶつなぞ出来できようはずもない」

 ジラルドが、暑苦あつくるしいほどに厳格げんかく口調くちょうで、口をはさんだ。理念りねん中心ちゅうしんからして、ほこたか亡国ぼうこく騎士きしだ。

「おいおい、おれも行くぞ。どうせいのちけるなら、格好かっこよくけたい」

 ゾルドヌもあわてて名乗なのりをあげた。軍規ぐんき形骸化けいがいかした支配者しはいしゃがわだ。思考しこう口調くちょうも、ゆるい。

「いいけど、あしらないでよ」

 アタシは、ちょっとうれしくて、意地悪いじわるわらった。

数十頭すうじゅっとうのホワイトウルフがたむろするフロアに、一人二人ずつしかりられません。そう無謀むぼうをおつたえしようとしましたが、言葉ことばらずでしたでしょうか。まさか、無謀を承知しょうちで、さくもなく突撃とつげきするおつもりではありませんよね?」

 アンリナが、あきがおでアタシを見る。不安ふあんげではない。魔物ハンターの相手あいてをしてきたギルド職員しょくいんだから、魔物ハンターがどんなヤツらか、っている。

「二人ずつ順番じゅんばんりたとして、数十頭すうじゅっとうのホワイトウルフに各個かっこ撃破げきはされるだけです。よくて数頭すうとうわるければ一頭いっとうたおせないでしょう。騎士きしさま二人ふたりにランクSハンターさまが、そろって無策むさくとおっしゃるなら、無駄死むだじにもよいところです」

 手厳てきびしい。みみいたい。かなり痛い。

さくなら、あるわよ。おーいってんで、とりゃってって、ドーンってなって、バーンってやるの。わるくないでしょ?」

 アタシは、得意とくいげに微笑びしょうした。アタシにしては手順てじゅんおお複雑ふくざつ作戦さくせんだ。

 アンリナが、にがかおで、バサバサの水色髪みずいろがみあたまかかえた。



帝国ていこく征服せいふくされて魔物まもの蔓延はびこくにで女だてらに魔物ハンターやってます

第44話 EP8-4 原因げんいん結果けっか/END

読んでいただき、ありがとうございます。

楽しんでくれる人がいると、書く励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ