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書類守護神  作者: 津辻真咲
6/12

天界

「おはようございます」

「ん?」

 立花は首を傾げる。天界が慌ただしい。

――一体、何が?

「立花! 大変なの!」

 環が立花に話しかける。

「どうしたの?」

 立花は聞く。

「神様の気配風が弱まっているの!」

「え!? ということは! 天界の結界が弱まっている!?」

 立花は驚く。

「えぇ。そうなの!」

――大変だ!

「一連の魂の回収・転生の不手際で神様の気が疲弊したんだろう」

 新一が説明する。

「そうかも」

 立花は少し俯きかげんで言う。

「天界に侵入者がなければいいが」

「そうだね」



 ドゴォォォ! 轟音が響いた。

「何!?」

 立花も驚く。

「立花! 大変!」

 美人が走って来た。

「どうしたの!?」

「十二支団が天界に乱入して来たんだ!」

 美人はそう説明する。

「え!?」

 立花は声に出して、驚く。

「立花! 現場に向かうぞ!」

「はい!」

 立花は、新一に返事をすると、彼のあとをついて行った。



「あれは!」

 二人は驚いた。死神や死期神たちが応戦していた。

――過去に倒した十二支団の妖怪まで!?

「復活しているのか!」

 新一も驚く。

 キィィ。金属音が鳴る。

 十二支団の戌の剣が新一の大鎌と組み合う。

「お前らの相手は私たちだ!」

 戌、川出花楓かわで かえでがそう言い放つ。

「何!」

 亥、沢澤紗和さわさわ さわが槍を投げて来た。しかし、立花の結界にはじかれた。

「一筋縄ではいなかいか!」

「お前らの目的は何だ!」

 新一が叫ぶ。

「天界の支配だよ! 俺たち妖怪はどうせ地獄行きなんだよ!」

 花楓は叫ぶ。

 キィィ。再び、金属音が響く。

「切れるものなら、斬ってみろよ! その鎌でな!」

 紗和が叫ぶ。

――あの剣が邪魔だわ!

 立花は結界で戌、花楓の剣を固定する。

「な! 何だ!」

 彼女は慌てる。

「そこまでだ!」

 新一は大鎌で花楓を斬る。

「うわぁぁぁ!」

 花楓は倒れて、小さな妖怪になる。

「くそっ! お前ら!」

 紗和は槍を投げるが結界にはじかれる。

「そこまでよ!」

 立花は亥の足を結界で固定する。

「何!」

 紗和は一瞬、慌てる。

「うりゃ!」

 すると、新一は大鎌で紗和を斬る。

「うわぁぁぁ!」

 紗和は小さな妖怪になった。



「立花! こっちも終わったよ!」

「環!」

 立花は環に駆け寄る。

「良かった。みんな無事?」

「えぇ。大丈夫よ」

 環は笑顔で答える。

「皆さん、大丈夫でしたか?」

 京発と由貴がやって来た。

「神様!」

「今回は本当にありがとうございました」

 由貴が微笑む。京発は十二支団の方を見る。

「十二支団の皆さん。天界でお仕事をしてみませんか?」

「あぁ!?」

 紗和は不機嫌そうに、悪態をつく。

「あなたたちは強い。しかし、私たちには警備部がない」

「どうです?」

 京発と由貴が話す。

「警備部? 何すんだ?」

 花楓がそう言う。

「警備部なんだから、警備だろう」

 新一がぴしゃりと言う。

「うるせー」

 花楓は少し、小声で悪態をつく。

「どうなの? やるの? やらないの?」

 環が迫る。

「地獄行き、免れるかも?」

 立花が首を傾げる。

「何?」

 花楓が興味を持つ。

「どうしますか?」

 由貴は笑顔で言う。

「どうするよ?」

 花楓は紗和や他の十二支団に聞く。

「いいんじゃないか?」

「それじゃ、決まり。皆さん、十二支団の皆さんを元の姿に」

 京発は皆にそう言う。

「はい」

 皆、手をかざす。すると、十二支団が皆、元の姿に戻った。

「これで、皆さん。世界の輪の中に入れましたね」

 由貴が笑顔でそう話す。

「はい」

 立花は笑顔になる。

――まぁ。一件落着か。

 新一は少し微笑んだ。

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