連続巫女傷害事件
「おはようございます」
「ん?」
皆、慌ただしい。
「どうしたの?」
立花は聞いてみる。
「大変なの! 人間界の巫女様が刃物で切り付けられたの!」
環は慌てて、そう説明する。
「え!? 本当に!?」
立花は驚く。
「立花、行くぞ!」
新一は椅子から立ち上がる。
「え? どこへ?」
「人間界へ偵察に行くぞ」
「はい!」
人間界 神社
――切り付けられたのは、この神社の巫女様。
――でも、なぜ?
立花は辺りを見渡す。
「誰もいないみたいだな」
「確かに」
立花は新一の呟くような言葉に返事をする。
「ここの巫女は今一体、どこに?」
新一は再び、呟く。
「さぁ」
立花は困り果てた。
「そうか。別の神社も見に行こう」
「はい」
神社
――ここも誰もいない。
立花は辺りを見渡す。
「誰もいないんだな」
「その様ですね」
二人が困り果てていると、後方から声が聞こえて来た。
「もしかして、あなたたち。書類守護神?」
「え?」
二人は振り返る。そこには天秤宮、立伝友美と天蝎宮、綾野浩司の二人がいた。
「あなたたちは?」
立花は尋ねる。
「黄道十二宮団の天秤宮、立伝友美と申します」
「同じく天蝎宮、綾野浩司。よろしく」
二人はそれぞれ、そう自己紹介した。
「こちらこそ、よろしくお願いします」
立花は頭を下げた。
「今回は神社の巫女様が被害にあったのですね?」
友美がそう確認する。
「はい」
立花は下を向く。
「それでは、天界へ一旦、戻りますか?」
「え?」
立花は浩司の提案に首を傾げる。
「真実の水晶に聞いてみたいので」
「はい」
天界 神殿
「ここが神殿です」
立花が案内する。
「ありがとう」
友美は微笑む。
「あれが水晶か?」
「はい」
「では、早速、お願い出来るかな?」
「はい」
立花は水晶に向き合う。そして。
「真実の水晶様。今回の事件の犯人をお教えください」
立花がそう聞くと、水晶は文字を浮き上がらせた。それは。
『ナイフのツクモガミ』
「!」
「なるほど」
浩司は納得しているようだった。
「その犯人は今、どこに?」
立花は次の質問を言う。すると、再び、文字が浮かび上がる。
『神社』
「皆、行こう!」
「はい」
神社
――ここに、奴が?
立花は辺りを見渡す。
ヒュ。
「危ない!」
ドサッ。
立花と新一の二人は倒れる。
「大丈夫か?」
「う、うん」
自分をかばってくれた新一の問いに、立花は少し戸惑いながら、答える。
「これが、飛んできたのか」
友美は木に刺さったナイフを見る。
「ちっ! 避けやがったか、書類守護神!」
神社内からの声に、皆は振り向いた。
「あいつは!」
「ナイフのツクモガミ!」
「だったら、何だ! お前ら、切り刻んでやる!」
ナイフのツクモガミ、函部のあの(はこぶ のあの)はそう叫ぶと、四人に襲い掛かった。彼女はナイフを投げる。
しかし、立花は結界を張り、ナイフをはじいた。
「くそっ!」
のあのは再び、ナイフを投げる。しかし、友美と浩司はナイフを避けながら走る。すると、地面に五芒星が出来た。
「ま、まさか!」
のあのはそれに気付いた。
「そのまさかだよ!」
「さぁ! 魔界へ帰れ!」
浩司がそう叫ぶと、五芒星が開いた。そして、のあのはそれに吸い込まれて行った。
「うわぁぁぁ!」
ヒュ。
のあのの断末魔のあと、五芒星は閉じた。
天界
「おかえり! 大丈夫だった?」
環は立花に抱きつく。
「大丈夫だよ。大げさ」
立花は笑顔で返す。
「心配してたの!」
環はそれを聞いて少し膨れる。
「ありがとう」
少し、膨れている環に立花は嬉しくて笑顔でお礼を言った。
「皆さん、大丈夫でしたか?」
京発と由貴の二人がやって来た。
「えぇ。もちろん」
「大丈夫でした」
友美と浩司の二人は笑顔で答えた。それを聞いて、京発と由貴は安心した様だ。
「それは良かった」
そう言い、微笑んだ。




