表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/18

09 消滅


 位置取りはそのまま、小高い場所からの攻撃。


 長弓を手に、目を閉じて集中しているアイネさん。


 ゆっくりと深呼吸。



 美しい白鎧が、ぼんやりと光り始めた。


 俺は、魔法関係はからっきしだけど、


 今のアイネさんの全身に、途方もない量の魔力が集中している事だけは、分かる。



 ゆっくりと長弓を構えて、


「いきます」


 ささやきと共に放たれたのは、


 白く輝く魔法の矢。



 弧は描かなかった。


 真っ直ぐ一直線に、魔物の群れの中央へと飛んで、



 …………



 すごいな、アイネさん。


 言った通りです。


 あの大量の群れが、


 音も無く、


 消滅。



 崩れ落ちるアイネさんを、ミナモが優しく支えた。



「索敵、願います」


 シェルカさんの、静かな声。


 目の前の出来事に見とれていた俺、慌てて遠視魔導具を覗き込む。



 すげぇ。


 目視で見えていたのは、魔物が消えて見えるようになった丸い更地。


 遠視魔導具で見えるのは、草木一本生えていない、地面のみ。


 あれだけいた魔物、正に、跡形も無し。



 いや、なにかいる。


 ちょうど円の中央、


 アレは、何だ?



「珠か?」


 シェルカさんの緊張したつぶやき。



 うむ、確かに、珠にしか見えない、何か。


 地面の上にころんと居座る、


 何とも言えない気色悪い色の、珠。



 それと、色だけでは無い、


 こんなに遠くからでも分かる、嫌な気配。


 アレは、良くないモノ、だ。



「俺はアレを今すぐにでも破壊したいです」


 シェルカさんに、真剣に、告げる。



「私も同感だ」


 アレを見ていたシェルカさんが、珍しく感情を露わに。


 本心からの、心底嫌そうな表情。



 でもなぁ、


 破壊したいとは言ったものの、


 あの珠、首が無い。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ