プロローグ3
「まったく、ここ最近の死者と来たら!特にあなたと同世代の男性は何なんですか!?異世界行かせろだのチートをくれだの!」
と、そこで教会で鳴らす鐘のような音が響きわたった。
「あ〜…。今日の最終便出発しちゃったかぁ。」
カウンターにぐったり座り込みながらお姉さんはブツブツと何かを言っている。
「まぁいいわ!今日の仕事は終わりだけど、特別に色々説明いてあげるわよ。しっかり聞きなさい!」
そう言うとお姉さんは椅子から立ち上がるとカウンターに座り、足を組んだ。
「異世界ね…ここは様々な世界の狭間だから、そりゃ1000年に一人くらいは行っちゃう人もいますよ。えぇ、ここだって完璧な空間ではありませんからね!他の世界からの不意な高エネルギーで穴が空いちゃうんです。でも自動で一瞬で修復されますから、その一瞬に運悪く至近距離にいた場合、修復エネルギーで吸い出され、他の世界に放り出される方がいなくはないです。」
どうやら異世界は、あるにはあるらしい。というか、余計にこの空間の謎が増えた。
「ですが、送り込むとか、故意に世界を超えるなんて、できないんてす。それに加えて、チート?特殊能力ですか?なぜそんなものを与えることができると思うのですか、ここで与えられるものは待機所で使えるスマホを一台のみです。はぁ…。わかりました?」
ため息をつきながらも、愚痴とともに説明してくれるお姉さんは、なんだかんだ親切だ。
「ありがとうございます。非常に残念ですが、異世界へ行けない事はよくわかりました。でも、疑問も増えました。」
おとなしく聞き終えた俺は優等生の様に、片手を上げ意見を言う。
「あぁ、待機所と、スマホの事よね?もう…、本題の説明が一切できてないじゃない!」