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冬の匂い  作者: 桃アゲハ
14/21

第14話 絆

あの日から3年。




長くもあり、短くもあり。


時間はあっという間に過ぎた。




わたしも21歳。




正社員として働いていた会社で知り合った同い年の人と付き合っている。



正直なところ相手から気持ちを告白され「今、俺を好きじゃなくてもいい。いつか好きになってくれればいいから。」っと付き合い始めた関係。


いつかは好きになれるかと思ったけど、やっぱりダメなのかな。




こうやっていろいろ考えちゃう夜。


たまにね。

アルバムを開くの。

みんなの笑顔がいっぱいのアルバム。




楽しかったなぁ。


昔を振り返るだけで昔に戻ったような気持ちになる。




そうそう。最近届いたエリカさんからの朗報。


基さんと結婚をして赤ちゃんが産まれたという何ともハッピーなお知らせ。

地元に帰ってきてすぐエリカさんに会いに行った。

その日以来会ってはいないけど手紙やメールでのやり取りをしている。

2人が一緒になってくれたのがすごくうれしかったのを覚えてる。





他にも・・・


連さん。連さんも地元で結婚して子供ができたって、相変わらず遊び好きなのは変わってないみたいだけどね。

連さんにはお花見以降一度会ってるんだよね。

「近くに来たから」って突然呼び出されて、行ったら行ったですぐ帰っちゃったっけ。

今もたまーにかかってくる電話に驚かされてる。





涼。涼は東京に出てきて一人暮らしを始めたみたい。

でもお花見以来一度も会っていない。

どんな21歳になってるんだろう。

たまに届いてたメールも最近は全然こなくなったなぁ。





修さん。実はすごくお世話になってます。

家は隣の県なんだけど近いせいか何かあると電話しちゃって。

困ってるときに助けてくれるお助けマン的存在。

ごめんね。修さん。




希。もちろん今でも大親友。

まったく業種の違う仕事でなかなか時間が合わないけどそれでも会っておしゃべりするのがストレス発散になってるのかも。




ヒロさん。会えないまま地元に戻ってきてから会っていない。

連絡も、あの電話の日からヒロさんに関することすべてが停止してる。



あの日から・・・


ヒロさんを忘れたことなど一度も無い。


好きな人ができてもヒロさんほど好きにもなれず浅い付き合いで終わる。


思い出になってはくれないヒロさんを抱えたまま3年。






あの時と同じ。桜が咲く季節がやってきた。







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